乳がんに対するホルモン治療法 知っておきたい内容と副作用

乳がんの治療として行われているホルモン治療。

それは一体どのような療法なのでしょうか? 

またどの程度の効果が期待されるのでしょう? 

さらにはその副作用などホルモン治療についてご紹介します。

要チェック項目


□ホルモン治療は正式にはホルモンを抑制する治療
□ただしすべての乳がん患者に効果的なわけではない
□さまざまな副作用や、長い治療期間が必要な場合もあるので専門機関に相談しよう

ホルモン治療とは

正式には抗ホルモン療法


ホルモン療法とは乳がんの治療の1つです。乳がんの促進を促してしまう女性ホルモンが働かないよう抑制する療法で、そのため正式には「抗ホルモン療法」といいます。

初期治療や術後、再発した人にも


乳がんの治療には主に外科手術、放射線治療、薬物療法という3つがありますが、ホルモン治療はそのうちの薬物療法の中に入ります。

ちなみにそのほかの薬物療法でいうと抗がん剤治療があります。ホルモン治療は乳がんのステージの初期に行われることもありますし、外科手術のあとに移行する場合もあります。

また再発した患者に使われるなど、さまざまな段階、いろいろな組み合わせで取り入れられています。

在宅で投薬治療、もしくは通院して注射


治療の具体的な内容としては、内服薬の投与、もしくは外来通院による注射の2通りあります。内服薬は基本的には毎日飲むものとされています。また通院による注射は皮下脂肪内に注射します。

どんな薬があり、再発率はどのくらいおさえられるのか

そもそも、どのくらい飲んだり注射しないといけないのか


乳がんのホルモン治療は、個々のかかりつけ医の判断によりますが一般的には5年の継続が求められています。

ただし最近は、術後5年経過してから再発する患者も多いため、医学界では10年間の治療がよいという見方も増えています。それでも5年間の服用で40%以上の再発を防ぐといわれています。

ほぼすべての患者が飲む内服薬


ホルモン治療薬には注射にしろ内服薬にしろさまざまな薬が使われています。その中でほぼすべてのホルモン治療を必要とする患者に適応されるのがタモキシフェン。

これは1日1回、5年服用が決まりとされています。これは再発率も半分近くに減少すると言われる治療法。女性ホルモンを受け入れる「受容体」をブロックしますので、効果が認められます。

皮下注射


もう1つの治療が皮下注射。この目的は卵巣機能を抑制するため。ゾラデックスもしくはリュープリンといった薬を注射します。

この注射の間隔はゾラデックスが4週に一度、リュープリンが12週に一度です。治療に必要な期間は2~3年とされています。

これら内服と注射を併行して行うこともあります。

ホルモン治療による副作用

精神的なつらさ


イライラしやすくなったり、うつ症状が見られたりします。また感情のコントロールができず、急に波が出て来たりするともいわれています。

また、眠りが浅くなるともいわれています。さらに治療期間が長いので治療そのものを辞めたいと医師に頼み込む方もいるそうです。

体にも影響


「ホットフラッシュ」といって、いきなりのぼせたり、カーッと熱くなったり、汗が噴き出したりします。それは家にいるときや電車の中などどの生活シーンでも起こりえる症状。

また体重増加が見られるのも副作用の1つ。ただしホルモン治療で体重が増えるかどうかは医師の見解がわかれるところといわれています。

ほかにもある副作用


・目まいや肩こり、関節痛、腰痛、月経異常や食欲不振など
・長く治療していると血の塊で血管が閉塞する「血栓症」や、顔に脂肪が沈着して丸くなる「満月様顔貌」(まんげつようがんぼう)が見られることもあります。

副作用をおさえる薬を処方してもらうことも


以上のように、ホルモン治療をすると心と体の2つの面で副作用が見られるため、症状の軽減のため、内科や心療内科で漢方薬や、抗うつ剤、睡眠薬を処方してもらう方もいます。

ホルモン治療が効かない人もいる
ホルモン治療に適している方は、女性ホルモンの1つ、エストロゲンが影響することでがん細胞が増殖してしまっている方のみ。つまりそうした理由ではない乳がん患者もいるのです。

どう見分けるのか


患者の乳がんが女性ホルモンと関係があるのかを調べるのには、乳がんの組織を採取または部分切除して検査すればわかります。

ホルモン治療が効かない人はどんな治療を受ければいいのか


エストロゲンとは関係のない乳がんだと分かった場合は放射線治療など別の方法が取られます。

ホルモン治療中の生活は

食生活


やはり日本人が古くから取り入れてきた和食をメインに考えていきましょう。また豆腐は適量なら乳がん発生リスクをさげるというデータがあります。

ただ過剰摂取は控えたほうが良いでしょう。また健康のために飲まれている方も多いケール青汁ですが、メーカによっては栄養素の含有量が高すぎるとかえって細胞の増殖を促してしまう危険もあると言われています。

運動


適度な運動はホルモン治療による関節痛を軽減するというデータが海外で報告されています。ただしどの薬を使うかで決まってくるとも言われており、主治医と相談の上行いましょう。

睡眠


睡眠導入剤によって睡眠リズムを整えるという対策法もあります。

また最近は、日光に浴びることて生成されるメラトニンの分泌が、夜間の睡眠にも一役買うことが明らかになっています。昼間はなるべく日の光を浴びたほうが良さそうです。

ホルモン治療を知って病気とうまくつきあおう
ホルモン治療のつらさは精神的、肉体的な副作用とされており、あまりのつらさに途中で放棄したくなる人もいると言われています。

正しく適切な治療を心がければ、再発率も低くなることが多くの症例で報告されています。

そして、つらさを分かち合える友達かいると乗り越えられるともいわれています。

もちろん専門機関に通院しながら、いかに治療生活が前向きに臨めるかも大切なポイントといえるでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)

【関連記事】
色んな種類がある乳がん 複雑に絡む分類基準からどのように治療する?
知りたい乳がんステージ1の症状 再発と転移の確率はどのくらい?
年々増加する若年性乳がん…通常の乳がんとの違いはあるの?

Doctors Me 11/28

このページのトップへ