痛くて歩けない……! 女性を悩ませる「外反母趾」の原因と痛みの対処法7つ

なかなか、根本的な改善が難しいといわれているのが外反母趾。骨が変形してくると、どんな靴を履いても痛くて、合う靴が見つからない! なんてことも。また、外反母趾は足だけの問題に止まらず、膝や腰、首などの痛みや首こり・肩こりなど体の不調などを引き起こす引き金にもなっているんです。気になる外反母趾の症状と痛みの対処法について、外反母趾・浮き指研究家/カサハラフットケア整体院院長の笠原先生にお話を伺ってきました。

◆今回のお悩み

長時間歩くと外反母趾の部分が痛くて歩けない。足の形にあった靴がなかなか見つからない。痛みを押さえる方法があるかどうか、痛みが出たときはどうするべきなのか知りたいです。(27歳/団体・公益法人・官公庁/その他)

◆「外反母趾」の症状と原因

・「外反母趾」とは、どういう症状?

外反母趾とは、親指が小指側に約15度以上曲がっている状態を目安とされています。足指の踏ん張る力が衰えて指が浮いているため、足裏のアーチがゆるんで親指が曲がってしまうのです。実は、外反母趾の症状のある人の多くが、小学生、中学生くらいのころから既にその症状が見られ、気が付いたときにはひどくなっているというケースが多いもの。外反母趾には種類があり、足の指の付け根にある靭帯が伸びたりゆるんだりして親指が小指側に曲がる「靭帯性外反母趾」、指が長かったりハンマーのように上を向いている人に起こりやすい「ハンマートウ性外反母趾」、親指は曲がらないで親指の付け根の骨だけが異常に出っ張った「仮骨性外反母趾」などがあります。

・外反母趾になる原因って?

ヒールやパンプスが原因と思われがちですが、実はそれが一番の原因ではありません。一番の原因は、現代生活による足裏の刺激不足による足裏の退化です。人間は古来から裸足でデコボコ道を歩くため、地面を足でつかむように踏ん張っていました。つまり、足裏への刺激があったのが、現代での環境は幼児期の歩きはじめのころから靴下や靴などで足を覆い、平らなところばかりを歩くため、足裏への刺激がなくなったためだと思われます。原始的反応として、赤ちゃんは手をつつくと反射的に握り返す動きをします。実はこの反射は足にもあり、足底反射(そくていはんしゃ)といいますが、現代人はこの反射が起こらなくなってしまっているのです。そのため“足裏の踏ん張る”力が弱まり、足指が浮いているため、足裏のアーチがゆるんで次第に指が曲がってしまうのです。2番目の原因として、大きめでゆるい靴など足に合わない靴を履いていると、靴が脱げないように足の指を上げたり、足指を縮めたりして靴に指を引っかけて脱げないように歩いていること。そして、3番目の原因が、足指が踏ん張れない弱まった足で先の細いヒールやパンプスを履くことで、靴に合わされてしまうのです。ヒール・パンプスを履かない子どもたちにも足裏の異常が激増しているのは、足裏の刺激不足が大きく関わっているのです。ほかに、1割程度だと思いますが、遺伝的な要因も加わります。

・なりやすい人や習慣ってある?

外反母趾は女性に多いものです。その理由は、男性より筋肉量が少なく筋力も弱く、関節も浅く造られているため、重力の負担に負けてしまうのです。また、外反母趾は左右の足に平等に起こらず、左足に多くみられます。そして、体の土台となる足裏が不安定になるため、土台に合わされて左半身にゆがみや痛み・こりなどの不調が起こりやすくなります。悪い足による悪い歩き方が体の不調を招いてしまいます。状態を適切に見極めることが肝心なので、自分で判断できない場合は迷わず専門家へ相談しましょう。

◆あなたの「外反母趾危険度と体の不調」をチェックリストで確認しよう!

【チェック項目】

1.足の親指が小指側に15度以上曲がっている。(足の側面のラインと親指のラインが15度以上ある)
2.足に痛みが出ることがある
3.力を抜いた状態で、足の親指を甲側に強く押すと90度以上反ってしまう
4.足裏や指の背などにタコがある
5.靴の減りに偏りがあり、かかとや、内側または外側が減ってしまう
6.歩き方に迷うことがある
7.ひざが痛い
8.脚が冷えたり、むくみやすい
9.O脚またはX脚である
10.腰痛持ちだ
11.お尻、太もも、ふくらはぎなど下半身が太い
12.いつも姿勢が猫背になっている
13.肩こり、首こりがある
14.不眠症で寝つきが悪く、夜中に目が覚める
15.疲れやすい

【結果】

◆1~3のどれかひとつにあてはまる:すぐに専門家に相談しましょう。

◆4~15のうち、3つ以上にあてはまる:足に痛みがなくても要注意です。足の痛みが出てつらいと感じたら、この記事の方法を行って様子を見たり、専門家に相談しましょう。

◆4~15のうち、6つ以上あてはまる:足に痛みがなくても、足裏の異常から体の不調を引き起こしている可能性が高いです。専門家に相談しましょう。

※親指の付け根がときどき痛くなったり、長時間歩いたあとや新しい靴に履きかえたあとに痛み出すときは要注意です。「痛いときは曲がるとき」の目安。放っておくと曲がってしまう可能性が高いです。しばらくすると痛くなくなり、放っておいてしまいがちなのですが、この繰り返しをしながら徐々に進んでしまう可能性があるので早めの対応が大切です。

◆外反母趾の痛み対処法7つ

1.包帯とテーピングを足に巻く

痛いときも、痛みがなくてもゆがみがある場合にもできます。親指の付け根から外側のくるぶしの下(第五中足骨基底部)くらいまでを伸びない綿包帯で軽く5~6周巻き、かかと・親指・小指にテーピングをします。足裏のバランスを整え、痛みと進行を防ぐのに役立ちます。

2.手で親指のグーパー運動をさせて、踏ん張る力をつける

これは、痛みがないときに行ってください。手で足の親指の付け根から内側に深く曲げるのが「グー」。親指をぐるぐる回すのが「パー」の運動です。翌日に痛みが残らない程度に、徐々に慣らして、毎日片足5分くらいずつ行えるようになったらそれを続けてください。

3.足裏を爪で刺激する

手の爪を立てて、足裏全体を刺激します。指ではなく、爪でしっかり刺激してください。生まれたばかりの赤ちゃんが、手をつつくと握り返す反射運動が実は足にもあり、その原始的な反射を呼び起こして足指が踏ん張れるように導きます。

4.ひざを曲げて立つ癖をつける

悪い足による悪い歩き方を防ぎ、正しい歩き方を身につけるトレーニングのひとつめです。外反母趾の人は、指が浮いているため、重心がかかとに片寄っている人が多いもの。ひざをほんの少しだけ軽く曲げて立つと前重心となり、足指で踏ん張り安定するトレーニングになります。やり方は通勤途中に吊革につかまっているときなど、両ひざを軽く曲げて立つだけ。徐々に筋力で体重を支えられるようになります。両ひざを伸ばしきって立っていると、骨に頼って立つため、歩く度に地面からの突き上げが体の上部に繰り返されて、ひざ腰・首の痛みや首こり・肩こり・頭痛など体の不調の原因になりやすいので要注意です。

5.ひざを上げる足踏み運動をする

正しい歩き方トレーニングの2つめ。現代人は、足裏の退化と共に、歩くときひざが上がらず、逆に伸ばしきって歩く人が増えています。そのため、若い人でも平らなところでつまづくという人が多いのです。やり方は、歩かずにその場でひざを垂直に上げ、腕もまっすぐ垂直になるように振る「足踏み運動」を行うと、自然とひざを正しく上げながら歩く筋力を鍛えることができます。

6.ひざ締め屈伸運動

正しい歩き方トレーニングの3つめ。O脚に悩む方も多く見かけられますが、外反母趾や浮き指などが足裏の不安定が隠れている場合が多いのです。この運動は、両ひざが開かないように脚の内側の筋力を鍛えます。両ひざがつく位置まで曲げ、ひざをつけたまま伸ばすのを繰り返します。

7.「足裏全面で着地」「ひざを普段より1センチ上げる」を意識して歩く

上の4、5、6のトレーニングを踏まえて、さらに「かかとから着地する」のではなく「足裏全面で着地する」、「ひざを普段より1センチ上げる」ようにしながら歩きます。これを習慣づければ、外反母趾の緩和につながると共に、ひざ・腰・首など体の上部に過度な負担を掛けず、体を守る歩き方につながります。

◆外反母趾の人に適した靴の選び方

痛みが出にくく、状況が悪化するのを防ぐために、下の3項目をクリアする靴を選びましょう。一番適しているのはひも靴です。中でもスニーカーがよいですが、仕事に行くようなデザインの靴でひものついたタイプでも、ひもで調節して足全体が安定すればまあまあ○です。靴選びのポイントとして、以下の3項目に合うものを選んでください。

1.靴のつま先が広めで高く、足指を動かして踏ん張れる余裕がある
2.かかと部分に丸みがあり、履いたときフィットして安定感がある
3.できればゴム底で適度な厚みがあり、クッションの役割をして衝撃を吸収する

■まとめ

いかがでしたか? 最近はサポーター機能のある、外反母趾専用の靴下などもあります。痛みを放っておかずに、正しい知識を持って足のバランスを整えれば、自分で痛みや進行も抑えることができると思います。痛みを我慢せずに、今日からできることを行ってみてください。また、あまりにもつらい症状が続く場合は我慢せず、専門家へ相談するようにしてください。

(監修:笠原 巖 文:永田玲香/ナナネール!)

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