大腸がんの術後の後遺症と術後に行う定期検査

手術によって大腸がんを切除できても、術後に後遺症が起こることがあります。また、がんは完全に切除できた場合でも、再発が起こることがあります。大腸がんの術後は、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。ここでは、大腸がんの術後の後遺症とその対策、術後に行う定期検査について、詳しく解説します。


排便や排尿に関する症状が現れることがある

大腸がんの術後の後遺症は、結腸がんと直腸がんとで大きく異なります。結腸がんの場合、手術で腸管を数十センチ切除しても、後遺症はほとんどありません。まれに、腸に癒着(ゆちゃく)が起こって腸内の流れが悪くなり、腸閉塞(ちょうへいそく)を引き起こすことがあります。腸閉塞は、開腹手術をした大腸がん患者さんの約3%に発症するといわれており、腹腔鏡手術ではそれよりも発生率が低いとされています。
一方、直腸がんの場合、直腸を切除すると直腸が本来持つ便をためる機能や便を押しだす機能が損なわれてしまうため、術後に排便の回数が増えたり、便が残っている感じが続いたりすることがあります。また、直腸がんの手術の際に骨盤内の自律神経を損傷すると、排尿障害や性機能障害が生じる場合もあります。それぞれの後遺症に対する対策は、以下のとおりです。
排便の回数が増える1日に何度も便意をもよおしたり、食後すぐに便意を感じたりするといった症状が現れることがあります。腸管の機能が順応することで、多くは1年ほどで改善していきます。外出時は、あらかじめトイレの場所を確認しておく、下着の中に小さなおむつパッドを敷いておく、などの対策をしておくと安心です。
残尿感がある、尿意を感じない残尿の増加や尿閉(にょうへい;尿が出せなくなること)などの症状が現れることがあります。時間の経過とともに改善することもありますが、こうした症状がある場合はまず担当医に相談し、必要に応じて泌尿器科の医師の診察を受けましょう。
性機能に障害が生じる特に、男性の勃起不全や射精障害が多く見られ、排尿障害よりも頻度が高いといわれています。薬物療法などで機能が回復する場合もあるため、こうした症状に悩んでいる場合は、一度担当医に相談してみましょう。


術後5年間は血液検査などで再発をチェック

がんは手術で完全に取りきれたとしても、再発する可能性があります。大腸がんの術後は、再発の有無をチェックするため、定期的に検査を受けなくてはなりません。なお、大腸がんの再発については『大腸がんの再発率と再発がんの治療法』で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
大腸がんの手術後の再発は、手術した部位の近く(局所)やリンパ節だけでなく、肝臓や肺、腹膜、脳、骨などのさまざまな臓器に起こる可能性があります。結腸がんでは肝臓に、直腸がんでは局所や肺、肝臓に再発することが多いとされているため、肝臓や肺を中心に検査を行います。行う検査には、問診・診察のほか、幅広く再発を拾い上げることのできる腫瘍マーカー(部位に関係なく再発の有無を調べる血液検査)やCT検査などがあります。
検査は術後5年間にわたって行うのが基準とされており、術後3年間は3か月に1度、術後4年目からは6か月に1度の頻度で行うことが推奨されています。

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