嚥下障害がある人に適した口腔ケア

嚥下障害(えんげしょうがい)の症状や、口腔ケアの方法について解説します。


嚥下障害(えんげしょうがい)の症状

食事をしている最中や食後に、むせたり咳き込んだりする、食べているときにポロポロと口から食べ物がこぼれる、口の中にものが残っている、このような症状は嚥下障害の方によくみられます。
それ以外にも、「ご飯よりも噛まなくてよい麺類を好むようになる」、「むせるために水分を摂りたがらないため尿量が減る」、「脱水や低栄養状態になっている」、「食べるとすぐ疲れる」「そもそも食べ物をとりたがらない」といった症状も嚥下障害が疑われます。


合併症として誤嚥(ごえん)性肺炎を起こしやすい

嚥下障害を起こしている方は、合併症として「誤嚥性肺炎」を起こしやすい傾向にあります。むせたりすることによって誤嚥してしまい、食べたものや水分が肺に入り、細菌が繁殖して炎症を起こすのが誤嚥性肺炎です。
また、口から食べものを摂りにくい方でも誤嚥性肺炎は起こります。口を動かさなくなるため唾液の分泌が減ってしまいます。唾液には緩衝能があり、唾液分泌の力が低下すると、口内の自浄作用能力が落ちて細菌が増えやすくなります。そのため、細菌をたくさん含んだ唾液を飲み込むときに誤嚥を起こし、誤嚥性肺炎を発症することがあります。


嚥下障害がある方に対する食後の口腔ケア方法

嚥下障害のある方に口腔ケアを行うときは、次の点に注意しながら行うようにしましょう。
口の中に食べものを残さないよう、食後にお茶を飲ませる。食事中にむせることが多い人は、食事の前後に咳払いをさせる。歯に挟まった食べものは舌を使って取るように指導する。水飲みやシリンジ(注射筒)で洗浄しながら確実に食べかすを吸引する。胃から逆流した内容物の誤嚥を防ぐため、食後しばらくは横にならないようにする。睡眠中に無意識に唾液が気管に入ることを不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)といい、それが原因で誤嚥性肺炎を起こすこともありますので、就寝前の口腔ケアは特に注意を払うようにしましょう。夜だけではなく昼寝の前も大切です。


嚥下障害のリハビリテーション方法

実際に食べながら訓練していく、嚥下障害のリハビリテーションの内容を紹介します。
本人の体の状態にもよりますが、座るときは背中をもたれさせ、あごを軽く引いた状態にします。誤嚥を減らすために、通常考えずに行っている「飲み込む」という動作をいつも以上に意識させます。
そして、飲み込む前に大きく息を吸って止め、食べものを飲み込んだらすぐに咳払いをさせます。道具はスプーンなどを使い、食べものはとろみをつけたのどをとおりやすいものから始めるとよいでしょう。
飲み込む訓練を続けながら、食後に口の中に食べかすが残らないよう丁寧な口腔ケアを行うことが、嚥下障害のある方の誤嚥性肺炎予防には必要です。医師や歯科医師に嚥下機能を検査してもらうことも重要です。

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