【医師監修】薬疹と診断する際の検査について

薬疹(やくしん)と診断する検査方法や、検査前気をつけておきたいポイントを紹介します。


薬疹と診断する検査方法とは

薬疹と一口に言っても、すぐに症状が起きる即時型アレルギー、身体がじっくりと炎症を起こすタイプの遅延型アレルギー、重症型薬疹など、さまざまな種類があり、それに合った治療を行うために検査をする必要があります。
(1)体の反応を見る検査体の反応を見る検査には、パッチテストと、被疑薬を薄めたものを服用して反応を見る誘発試験(内服試験)があります。
パッチテスト
パッチテストは、遅延型アレルギー反応を見る検査です。薬疹の原因と疑われる薬剤(被疑薬)を軟膏にし、上背部、あるいは上腕外側に貼り、発疹がでるか反応をみます。貼付48時間後と72時間後、むくみ、紅斑、紅色丘湿疹などが認められた場合は陽性と判定します。
ただし、この検査方法が完璧というわけではありません。パッチテストの薬剤が、あまりに高い濃度の場合、刺激によって皮膚炎となり、誤って陽性と判定される可能性があります(偽陽性)。
また、薬疹が出ているときは、アレルギー反応を起こしやすい敏感な状態のため、パッチテストの薬剤に感作されて、新たなアレルギーを起こすこともあります。そのうえ、薬疹の原因が、服用した薬剤が体の中で形が変わって起きている場合は、被疑薬をそのまま皮膚に貼っても、陽性と出ないことがあります(偽陰性)。
内服試験
薬疹の症状が軽いか重いか、即時型か、遅延型であるかにより、試験方法は異なります。
遅延型の疑いがある場合、重症の皮疹の場合は、1回分の1/100量から、それ以外では1/5量から、それ以外では1/10量から試験をはじめ、皮疹が誘発されなければ1/5量、1/2量、常用量と増量していきます。軽症の場合は、常用量から内服試験が可能なケースもあります。
即時型の疑いがある場合、重度の皮疹の場合は、救急対応を万全にした上で、1回分の1/100量から試験を行います。軽症の場合は、常用量から内服試験が可能なケースもあります。
また、内服試験は、これまで原因薬剤を決定するのにもっとも信頼性の高い方法でしたが、最近では、ウイルスや患者の状態などをはじめ、多くの要因が考えられるようになり、絶対的な検査方法ではないことがわかってきました。
内服試験は原因薬剤を決定することに有効的である反面、患者をもう一度薬疹にかからせる可能性の高い危険な検査方法であるため、パッチテストや、DLSTを優先させ、それらの方法で特定できない場合に行う検査方法と言えます。
(2)患者の血液を用いた検査薬剤添加リンパ球刺激試験(DLST)は、患者に原因薬にさらさない安全な検査方法です。患者の血液から分離したリンパ球と被疑薬を、試験管の中で混ぜて反応を見ます。
ただし、直接身体の反応を見るわけではないため、偽陽性、もしくは偽陰性であるかを見逃してしまうこともあるなど、適切な解釈がされない可能性もあります。


検査前におさえたいポイント

検査を行う前には、問診を行うことがほとんどです。回答できるよう、事前に準備をしておくと診察がスムーズに進みます。問診では、下記が確認されます。
・最近飲んでいる薬の種類
・薬を飲み始めた時期
・発疹が出た時期
・今まで薬を飲んで発疹が出たことがあるか
・アトピー性皮膚炎や気管支喘息など、アレルギー性の病気の既往歴
・家族にアレルギー性の病気の人はいないか など
病院から処方された薬しか飲んでいない場合、薬局で渡されるお薬手帳を保管しておくと便利です。いつからどんな薬をどれくらいの量飲んでいるのか、服薬履歴の把握に非常に役に立ちます。

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