オランウータンとヒトの目は似ている? 共通点は “コミュニケーション”のとり方にあった!

動物にはさまざまな “目”の形がありますが、その形には必ず理由があります。類人猿の中でも特にヒトと近いとされているオランウータンの目は、やはり人間と似ているそうです。一体、どこが似ていて、それにはどんな理由があるのでしょうか?


“白目”のある動物はヒトだけ? 人間の目の特徴3つ

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そもそも、ヒトの目にはどんな特徴があるのでしょうか?

京都大学の幸島司郎教授は、主な特徴として次の3つを挙げています。


(1)虹彩(黒目)の外側の「露出強膜」が白い
(2)目の中で露出強膜(白目)が占める割合が大きい
(3)目の輪郭が横長
(引用:オランウータンとヒト、形態から考える|京都大学)

この中で特に注目すべきなのが(1)虹彩(黒目)の外側の「露出強膜」が白い点です。「露出強膜」とは、一般に白目と呼ばれる部分のこと。ゴリラやチンパンジーなどほとんどの霊長類はこの部分がこげ茶色をしていますが、ヒトだけは色素が全くないのだそうです。だから“白”目なのですね。

それでは、なぜこうした特徴があるのでしょうか?

オランウータンも“目線”でコミュニケーションをとっている?

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ここでちょっと視点を変えて、ヒトに近い動物の目はどうなっているのか見てみましょう。

生物学的にヒトと近い大型類人猿として、チンパンジー、ゴリラ、ボノボ、オランウータンなどが挙げられます。

その中でもオランウータンは、進化の過程でほかの大型類人猿より早く分化し、ヒトと非常に近い生物とされています。先ほどの幸島教授曰く、“「ちょっと遠い親戚」と呼ぶべき存在”だそうです。

(引用:オランウータンとヒト、形態から考える|京都大学)


オランウータンの目の形態はヒトの目に似ていますが、その動きやはたらきも似ています。


例えばオランウータンには「じっと相手を見つめる」「何かを見つめて考え込む」といった行動が見られますが、これはヒトと同じように目線でのコミュニケーションをとるためだと考えられます。


また、オランウータンは顔に性差が出ることも特徴ですが、特に目の周りにはっきり表れるそうです。例えば若い雌はまぶたが白いなど、目の周りに表情のポイントがあります。これも、コミュニケーションで目が重要な役割を果たしている証拠でしょう。

ヒトの目が現在の形になった理由とは?

オランウータンとヒトの目の共通点から、改めてなぜヒトの目が今のような形になったのか考えてみましょう。

最初に挙げた特徴のうち、
(1)虹彩(黒目)の外側の「露出強膜」が白い、
(2)目の中で露出強膜(白目)が占める割合が大きい
という2点は、全身とのバランスから次のように説明できます。ヒトは白目が大きいぶん黒目が小さくなり、黒目の動く幅が大きくなりました。体が大きいほど、体全体を動かさず目玉だけを動かすほうが効率がいいので、このような目の形になったのです。


また、オランウータンと同じようにヒトにとって目線でのコミュニケーションは重要なものです。白目がヒトにしかないのは、こうした目線でのコミュニケーションを他の動物より発達させてきたためだと考えられます。

いかがでしょうか?


じっとこちらを見つめるオランウータンの写真を見ていると、確かに何かを目線でうったえかけているような気がしてきます。彼らが目によるコミュニケーションをより発達させたら、いずれオランウータンにも白目ができるのでしょうか? 興味が尽きませんね。



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