ストレス解消に? ハグがもたらす効果&おすすめのハグの仕方

ちょっと不安なときや気持ちがざわざわするとき。私たちは好きな人に抱きしめてもらうだけで気持ちが軽くなり、子供のころのような幸せな安心感に包まれることがあります。ハグによるストレス解消の効果やハグの仕方のちょっとしたアドバイスまで。心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説していただきます。

■ハグとストレスの関係について

道端でハグをすることにはちょっと戸惑うかもしれないけれど、家族や大好きな人とハグをしてふっと気持ちが楽になるあの瞬間はかけがえのないものです。さっきまで涙が喉のあたりまでこみあげていても、あたたかな安心感がそれをゆっくりと取り去ってくれる。ハグとストレスには関係があるのでしょうか。

◇ハグにはストレス解消効果がある

好きな人とハグをした経験のある方なら誰しも、ハグをした時に落ち着いた、癒された、気持ちいい、安心した、ストレスが和らいだ、といった気持ちを味わったことがあるのではないでしょうか。なぜハグをするとそのような気持ちになるのでしょう。これにはきちんとした脳のメカニズムがあるのです。

まず、好きな人とハグをすると、脳内では「ドーパミン」という幸福感を感じた時に出るホルモンと、「オキシトシン」というホルモンが分泌されることがわかっています。このオキシトシンが分泌されると、血圧の上昇が抑えられ、呼吸が深くなります。ヨガや瞑想を体験したことのある方はよくわかるかと思いますが、呼吸が深くなると身体がほぐれて心がリラックスしてきます。

ハグをするとホルモン以外に自律神経にも変化が。副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態になるのです(交換神経が優位のときは体が興奮状態になります)。

つまり、身体を副交感神経優位の状態にして心身をリラックスさせ、ストレス軽減に役立つ物質であるオキシトシンを出すためのツールが「ハグ」なのです。ハグだけではなく、授乳や楽しいおしゃべりをすることでもオキシトシンが分泌されることがわかっています。

同じようなホルモンとしてはセロトニンも有名です。セロトニンは、欠乏するとネガティブ思考になる、やる気が出ない、良質な睡眠がとれなくなる、といった脳の状態を作ってしまう物質です。実はこれにもオキシトシンが分泌されるとセロトニン神経までも活性化することがわかっているのです。

■効果を高めるハグと効果を下げてしまうハグの違い

ハグの仕方によって効果は高まったり、逆に下がったりしてしまうのかも掘り下げてみましょう。効果を高めるハグ、効果を下げるハグ。それぞれどんな特徴があるのでしょう。

◇効果を高めるハグの仕方とは?

☆愛し合っている相手と“30秒間”ギュッ

ストレス解消効果を高めるハグは、もちろん愛し合っている人とするハグです。お互いが向き合うハグ、後ろから抱きしめられるハグ、逆に抱きしめるハグ、どういったハグでも効果はありますが、「守られている」という安心感を得るためには、相手を大きく包む感じで、お互いの密着部分が多くなるやり方がおすすめです。

ハグする場合ですが、人間の体は常に血液が循環していますので、血圧が下がって副交感神経が優位になり、気分がリラックスしてくるまでには少し時間がかかります。したがって、ハグをしたらすぐに離すのではなく、30秒くらいはそのまま抱きしめ合っていましょう。

☆相手が落ち着いたころに背中をさすってあげる

抱き合っているうちに相手の鼓動がゆっくりになってきたら、優しく背中をさすってあげるとよりリラックスできます。また、抱きしめるだけではなく言葉を添えると効果が倍増しますので、耳元で優しく声をかけたりしてもいいですね。

☆愛情を持って触れれば、ハグでなくても効果あり

ただ、抱きしめ合わなければまったく効果がないということではありません。つらい部分に手を当ててもらったり、さすってもらったりした際に痛みやつらさが和いだ、という経験を持っている方は多いと思いますが、愛情を持って触ることで十分ストレス軽減効果はあるのです。

◇効果を下げてしまうハグとは

☆苦手な相手とのハグは逆効果

愛情がない相手や嫌いな相手とのハグには、ストレスを解消するどころかむしろストレスが増えてしまうこともあります。

例えば、嫌いな人や苦手なもの(虫など)から触られそうになったら身体はどうなりますか? ビクっとして緊張しますよね。緊張した体は硬直状態になってしまい、神経は興奮してしまいます。そのような状態では当然幸せホルモンのドーパミン、癒しホルモンであるオキシトシンは分泌されることはないので血圧は上昇し、呼吸は浅くなってしまうのです。

☆片思いの相手とのハグも効果はイマイチ

オキシトシンはお互いが想い合っている相手とハグする時にのみ放出されることがわかっています。そのため、相手が自分のことを好きだからといって、自分が好きでない相手に義理でハグをさせてあげても相手の脳からオキシトシンは出ないのです。したがって、ハグの効果を得るためには「自分が愛情を注げる対象であること」がとても重要になります。

■ハグする相手がいない場合はどうすればいい?

ハグしたくても、ひとり暮らしでハグできる家族がそばにいなかったり、恋人がいない時もありますよね。そんな時にも、ちゃんと方法があります。

◇自分が愛しいと思うペットやぬいぐるみでOK

「自分にはハグができるような相手がいない」と落ち込む必要はありません。人以外でも、ハグと同様の効果が得られるものがあります。例えばペットやお気に入りのぬいぐるみです。自分が愛おしいと思うものを抱きしめることでも、愛している人とハグするのと同様、オキシトシンは分泌されます。

動物やぬいぐるみの愛らしい容姿や表情は、視覚からも心を和ませてくれますよね。「かわいい!」と思ってそれを抱きしめるという行為が大切です。ただしペットを抱きしめる際は自分勝手に抱きしめるのはいけません。人間と同様、ペットともきちんと信頼関係を構築してから抱きしめることが重要です。

☆睡眠障害がある人には抱き枕になるぬいぐるみがおすすめ

不安なことや寂しい感情があると眠れなくなる、イビキや呼吸が浅くなる、といった睡眠障害がある方は、抱き枕としても使えるような大きなぬいぐるみを持つことをおすすめします。抱きつくことによる安心感が得られる以外に、抱きついて寝るときの姿勢が横向きになることで、イビキをかきにくくなったり、睡眠時無呼吸症候群やうつぶせ寝の予防にもなります。

■愛おしい存在をいっぱいハグしよう!

ハグには大きなストレス解消効果があることがわかりました。ストレスが溜まったり、寂しさを感じた時は、無理に我慢をしないで自分が愛おしいと思える人や物に触れ合う時間を作って、心に安らぎを。私も今夜ダーリンにギュってしてもらっちゃおう。愛おしい存在と触れ合うことでつらい気持ちも安心感に変わっていく。ハグは、人間が持っている不思議なちからなのかもしれません。

(監修/小日向るり子、文/パンジー薫)

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