節分の豆を子どもにあげる時はご注意を【ママ女医と娘の○○な日常 vol.29】

1月もあっという間に過ぎ、もうすぐ節分です。楽しい行事ですが、実は豆やナッツは誤嚥すると大変なんです。子どもにあげる時はご注意を。









記事の著者  

のんびり子育て中のママ女医   HAL先生

内科医。大学病院研修中にうつ病を発症し、数年間療養生活を経て復帰。その後、病気の間支えてくれた医者の夫と結婚し、娘を出産。現在は田舎で夫、3歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて育児情報・ニュースなどをブログで発信。またTwitterでは、娘との会話や、ほっこりあたたまる育児エピソードも紹介し、注目を集めている。

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実は、小さい子どもに危険な豆・ナッツ

正月からドタバタしているうちに、あれよあれよという間にもうすぐ2月。2月になれば、そう、節分の季節ですね。鬼のお面をつけて、子どもと一緒に騒ぎながら楽しい豆まき。そして、豆まきの後には年の数だけ豆を食べて……でも実はちょっと気をつけて欲しいのが、この「豆」なんです。

豆やナッツというのは、実は誤嚥(食べ物などが、間違えて食道ではなく気管の方へ入ってしまう事)しやすく、また、誤嚥すると非常に取るのが厄介な物だという事、ご存知でしたか?

「ピーナッツを赤ちゃんにあげてはいけない」という話は聞いた事がある方もいるかしれませんね。ピーナッツをはじめとして、乳幼児にとっては、豆やナッツは危険です。その事を今回はお話致します。

なぜ豆やナッツは誤嚥しやすいか?

豆・ナッツ類は、硬くて丸いです。奥歯のない赤ちゃんにはこれをかみつぶすことが難しく、つるっと喉の奥に飛んでしまいます。そして、突然喉の奥に物が飛び込んでくると、間違って吸い込んでしまって、気管に入ります。

また、奥歯もはえ揃った子どもにとっても、豆・ナッツ類は、硬くて飲み込みにくいために、口の中に残りっぱなしになることがあります。この状態で泣いたり笑ったり、驚いたりすると、間違って吸い込んで気管に入ってしまいます。

実は硬くない豆でも誤嚥は起こります。特に赤ちゃんでは、薄皮のついた豆を歯茎でかみつぶそうとすると、中身が喉の奥にぴょんと飛び出して、それを吸い込む事があります。過去にはベビーフードに入った豆でも誤嚥事故が起きているので、注意して欲しいと思います。

豆やナッツは、なぜ誤嚥すると危険なのか?

小さい子どもの場合豆やナッツを丸ごと気管に吸い込んでしまうと、小さな大豆くらいのサイズであっても、気管や気管支を塞いでしまい、肺に空気が入りにくい状態になる可能性があります。つまり、肺に空気が行きませんから、息が苦しくなります。

気管の方へ入った異物は細いカメラ(気管支鏡)を使って取り出します。しかし、豆・ナッツ類は水を吸うともろくなって崩れるため、取り出すのが困難です。また、もろく崩れたものは肺の奥に入りこみ、そこで炎症を起こしてしまいます(化学性の肺炎)。誤嚥は、「誤嚥した」とはっきりお家の方がわからない状況の時もあり、「なんだか変な咳が続いて熱も出始めた」と言って受診される方もいます。

このように、豆・ナッツ類の誤嚥というのは非常に厄介な代物です。

豆・ナッツ類を乳幼児にあげる時の注意点

•「硬い豆は乳幼児にはあげない」のを基本とする

•豆を食べる時には、間違えて吸い込まないように、食事中に泣いたり、笑ったり、口に入れたまま走り回ったりというようなことが起きないように「ながら食い」に注意をする

•旅行中などに車や飛行機などで移動している最中には、豆の入った食事はあげない(突然揺れることで誤嚥につながります)。

•調理した豆でも、乳幼児は薄皮を剥いたり、カットしたり、軽く潰した状態で与える方がより安全。

•子供に「丸呑みしないで、きちんと歯で噛んで食べようね」という事を小さいうちから教えてあげる。

•赤ちゃんが口に間違って豆などを入れようとした時は、「だめ!」と大人が大声を出したりすると驚いて吸い込むので、冷静に対応する。

いつから豆・ナッツ類をあげてもいいか?

豆の誤嚥は0〜3歳での事故が多いため、少なくとも3歳になるまでは硬い豆・ナッツ類をあげるのはやめましょう。特に乳歯が生えそろうまで(子どもの臼歯が生えるまで)は控えましょう。ちなみにアメリカ小児科学会では、「5歳未満の子どもには丸ごとピーナッツを与えない」としています。

注意するときりがありませんが、注意してもしすぎることがないのが、豆・ナッツの誤嚥です。そのくらい厄介なものなのだな、と頭の片隅に覚えていてもらえると幸いです。
袋ごと投げる豆まき・代用豆まきのすすめ

そんなわけで、我が家も娘にはまだも硬い豆やナッツを丸ごと食べさせる事はしていません(今3歳です)。

でも節分は楽しみたいですよね。しかし、家の中で豆をそのまま投げると、どうしても回収し損ねる事があります。赤ちゃんは、それを見つけて口に入れてしまうので、そのまま撒くのは避けたいところ……というわけで、お勧めなのは小さい袋に小分けされた豆。その豆を、袋ごと投げます。年の数だけ豆を食べさせるのは、煮豆で代用です。

保育園や幼稚園で豆まきをする事もあると思いますが、去年見学に行った幼稚園では、本物の豆ではなく、新聞紙を丸めてビニールテープで巻いたものを使用していました。大豆アレルギーのある子もいるだろうし、代用品での豆まきは安全でいいなあと感心しました。

節分の豆まきはとても楽しい行事だと思います。でも、子どもの無病息災を祈ってやった事なのに、大変な事故を起こしてしまっては元も子もありません。行事を大切にしたり、縁起を担ぎたいご家庭もあるかと思いますが、子どもの健康を守ってあげるために、なんとか工夫して楽しい節分にしてもらえたらなあと思います。

昨年は鬼のお面に娘がギャン泣きしたため、鬼の登場がなかった我が家の節分。さて、今年はどうしようかな。

(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

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