BCGワクチンの目的とは?予防接種の時期・副反応・注意点を解説

赤ちゃんの時に受ける予防接種はいくつかありますが、有名なものの1つにでBCGワクチンがあります。


しかし、どのような目的で予防摂取をするのか、意外と知らない人が多いのではないでしょうか?


今回は、BCG予防接種の時期、気になる副反応(副作用)、注意点などを医師に解説をしてもらいました。







BCG予防接種の目的 

免疫

 結核に対する免疫をつけることです。BCGとは、結核菌に対する免疫を作らせる機能はあるが、結核を発病させる危険はないように処理された細菌のことです。これを体内に入れることで、結核菌への免疫を身につけることができます。


「ツベルクリン反応検査(ツ反)」とは、結核菌と似た構造を持つ物質を注射することで、結核菌への免疫を持っているかどうか調べる検査です。以前はツベルクリン反応検査を行って陰性(免疫がない)の場合にのみBCGを行っていました。


2005年に予防接種法が改正され、ツベルクリン反応検査なしに一度だけBCG接種を行うこととなっています。




BCG予防接種の時期

生後半年の赤ちゃん 

 接種する月齢は、時代によって変化しています。 


・2005年まで:幼児期・小学生・中学生

・2005年〜2014年:生後3〜6カ月の赤ちゃんに一回のみ

・現在:生後5〜8カ月の赤ちゃんに赤ちゃんに一回のみ




BCG予防接種の方法

 他の予防接種は細長い針で皮膚の下に注射するのに対し、BCG予防接種は、皮膚の上にBCG液を垂らし、その上から9本の短い針で皮膚に傷をつけるという方法が取られます。


BCG液は皮膚の下ではなく皮膚の中に植え込まれ、そこにある免疫細胞に接することで免疫が付くのです。一箇所に大量の液を打ち込むと、その部位での反応が強くなりすぎ、大きな痕を残すことから、多数の針で少しずつ液を皮膚に植え込むようになっています。




BCG予防接種後の副反応について

BCGの痕 

 インフルエンザなどの予防接種は、注射したその日から3日間程度、注射した部位に腫れや赤みや痛みがあり、その後引いていきます。


しかしBCG予防接種後の経過はそれとは異なり、一旦どこに針を刺したのかも見えない程度になります。そして10日後程度から、思い出したように針孔が赤くなり、3〜5週間程度してから腫れが強くなり、時には膿を持ち、かさぶたになり、そして乾いた傷痕になっていきます。


こういった反応が起こるのに約1カ月という時間がかかるのは、体が結核菌に接したことがなく、結核菌に対する免疫反応を学ぶのに手間取っているからです。


中には、針を刺したことに対する反応や、針孔に細菌感染を起こしたために腫れや赤みが起こっている場合もあり、本当に結核菌に感染しているのかは、ツベルクリン反応や血液検査などで確認する必要があります。


コッホ現象とは


BCG接種をする前に、どこかですでに結核菌に感染したことがあれば、体はすでに結核菌にどう対応するかを知っているので、BCG接種で植え付けられた菌に対して素早く対応し、接種後数日〜10日程度以内に強い腫れや赤み、膿が見られます。これがコッホ現象です。


つまりBCG接種後数日以内に皮膚の腫れが悪化するようなら、すでに結核に感染している可能性があるということです。




コッホ現象の対処法 

保健所 

 接種を受けた保健所や小児科に相談します。ツベルクリン反応検査を行い、ツベルクリン液を注射して起こる腫れがどの程度あるかを調べます。


ツベルクリン反応はBCG接種後2週間以内に行うことが望ましいとされており、接種後1週間〜10日の時点で腫れや赤みに気づいたら早めに保健所や小児科に相談するようにしましょう。家族に結核患者がいたかどうかなども聞き取り調査が行われます。




BCG予防接種後に全く反応がない場合は?

医師に質問するママ 

全く反応がないと、本当に免疫がついているのか?と不安になる場合もあるでしょう。予防接種というものは、その病原体に接する機会があったかどうかも分からないので、効いたか効かなかったかの評価が難しいものです。


ごくわずかでもBCG液が体内に入れば免疫はできると思われますが、2カ月程度待っても全く何の反応もない場合は、6カ月程度待ってツベルクリン反応を行う場合もあるようですが、筆者が保健所に問い合わせた範囲では、現状の精度ではBCGの追加接種は行わないということでした。


赤みはあるが膿は出ないという場合は、免疫はついていると思われます。




赤ちゃんが結核に感染している可能性はどれくらい?

寝ている赤ちゃん


BCG接種後の経過には、針の刺し方、垂らした液の量、皮膚の色などによっても個人差が大きく、「赤い」「腫れ」と言われてもどの程度までが異常なのか迷う場合も多いでしょう。


「上の子のときはこんなではなかった」「周りのお子さんと比べると違う」などと考えて不安になる場合もあると思います。


実際には、家族が結核患者であったといった場合以外で、生後半年までの赤ちゃんが結核に感染している可能性は低いです。




赤ちゃんに接する際の注意点

咳をする女性


すでに結核と判断された患者が身の回りにいても、治療を受けて体から結核菌の排出がなくなっていれば、赤ちゃんと接しても問題ありません。高齢者には、「若いころ結核で治療を受けた」という方が多くおられます。


逆に、若い人でも、2週間以上咳が続く・体重が減る・微熱が続くなどの症状があれば、知らない間に結核に感染している可能性があり、BCG接種を済ませていない赤ちゃんに接するのは控える必要があります。




最後に医師から一言

スマホで写真撮影


BCG接種後、接種部位を毎日写真に残すと、変化が分かり役に立つかもしれません。不安があれば保健所か小児科でご相談ください。


(監修:Doctors Me 医師)




参考文献

・BCG接種におけるコッホ現象への反応 結核予防会結核研究所



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