世界中の高級クラシックカーを爽快に盗む映画『スクランブル』って盗られた人はどうなっちゃうの?! 保険のプロに聞いてみた

誰も思いつかない手口を使い、いかに美しく、そして完璧に車を盗むかをモットーにする高級クラシックカー専門の強盗団を描いた、映画『スクランブル』。イケメン兄弟が、世界のクラシックカーを狙っていくクライムアクションが、現在大ヒット公開中です。

【ストーリー】
高級クラシックカー専門の強盗団・フォスター兄弟が盗み出したのは、37年型ブガッティ。先日のオークションでも4100万ユーロで落札された超高級車だったが、兄弟はこの車を落札した残忍なマフィア、モリエールの怒りを買うことになってしまう。兄弟は自分たちの命と引き換えにある盗みの仕事をモリエールに提案する。それは、モリエールと敵対するマフィア、クレンプが所有する62年型フェラーリを一週間で盗むことだった。
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「フェラーリ250GTO」(1962)が42億円、BMW 327 cabriolet(1937-55)が1億2,000〜2億円など、末端価格、総額75.5億円の超高級車が集まっている本作。イケメン兄弟が次々盗んでいく姿は超爽快。ですが、盗まれた後、盗まれちゃった人はどうなっちゃうの?!

『スクランブル』に限らず、ハリウッド大作って車盗まれまくり、壊されまくりですけど、その後の処置ってリアルにどうなの? ということで、今回は保険のプロ・損害保険プランナーの鴇田さんに色々とお話を伺ってきました。

――まずお伺いしたいのですが、『スクランブル』に出てくる様な高級車が盗難にあった場合、補償ってどこまで効くものなんでしょう?

鴇田さん:実は、、ここまでの高級車、つまり1億円以上の車となると受け入れてくれる保険会社がまず無いと思います。保険というのは、車が盗難にあったり、事故により修理した際に何割かの金額を補償するため、超高級車の場合はそんなことがあっては保険会社が立ち行かなくなってしまいますから。あと、映画『スクランブル』ではクラシックカーが登場しますが、クラシックカーの場合は同じ理由で難しいですね。最近ではクラシックカー専門の保険会社も登場していますが、一般的な保険会社では取り扱いがありません。

――なるほど。でも確かに「フェラーリ250GTO」(1962)なんて、42億円ですから補償っていうのはまず出来ませんよね。

鴇田さん:後は、入れる高級車が自動車保険に入る時に車の保管場所の確認が必要となります。その保管場所がふさわしくない時、つまり高級車なのにセキュリティがあまりしっかりされていない場合は保険会社に引き受けてもらえない可能性が高いと思います。

――実際に高級車の盗難、というケースに遭遇したことはありますか?

鴇田さん:喜ばしいことに私は今までありません。実際に、日本での盗難は年々減ってきています。とはいえ、安心出来ないのは車の盗難というのは40、50%が自宅の駐車場でおきているんです。

――ええっ、道端に停めていて、とかコンビニで……。という方が多いと思っていました。

鴇田さん:そうなんです。意外ですよね。一軒家であったり、マンションの1階に車を停めている場合、探ろうと思えばその持ち主の1日の行動パターンって分かってしまうんですよね。今は会社にいる時間だな、とか、土曜日のこの時間は不在だな、とかそういうった時間に狙われてしまうのです。

後は、盗難車が海外で売られてしまうケース。日本の車は性能が高いので、そのまま売られてしまうことがあれば、パーツが分解されてマーケットに出回るということもあります。今、日本で盗難されやすい車のランキングというのも、全て「海外で売れる人気種」に沿っているんですよ。

【盗難されやすい自動車】
1:ハイエース(トヨタ)
2:ランドクルーザー(トヨタ)
3:プリウス(日産)
4;AQUA(トヨタ)

――プリウスが盗まれやすいというのは人気車種なので分かる気がしますが、1位がハイエースというのが意外でした。

鴇田さん:ハイエースは海外でとても人気の車です。なので介護施設での盗難被害というのもある様ですね。プリウスやAQUQは電気自動車としてのパーツの性能が素晴らしいので狙われやすいと言われています。これらの車種は、言ってみれば盗難にあう可能性が高い車として、保険料が上がってしまうので、持ち主からしたらとばっちり感もありますが、保険の考え方ではやむを得ないということになってしまいます。

――ちなみに、日本で自動車の盗難の多い地域ってどこなんですか?

鴇田さん:茨城、千葉、大阪が上位です。これには理由があって、盗んだ車を海外で売る為に港があったり海に接している都道府県が、どうしても狙われやすくなってしまいます。

――ああっ、映画『スクランブル』にも港が出てきますしね。なるほどなるほど……。じゃあ、茨城でハイエースに乗っている人は特に注意と。

鴇田さん:どんな車に乗っていようとも注意するに超したことはありません。しっかり施錠していてもプロ集団に目をつけられたら、あっという間に盗まれてしまいますから、屋外駐車場の方は人が近づくと自動点灯するライトをつけるとか、様々な工夫をしていただけると安心かと。

後は、最近テレビでよく見る自動車保険のCMでは「価格が安い」という点が強調されていますが、私としては「価格重視」では無くて「補償重視」で保険を選んでいただきたいと思っています。車自体の補償はもちろん、津波や地震など日本にいる限り誰しもが遭遇する可能性がある天災の被害も、保険の特約でつけることが出来ますし、本当に必要な時に補償されない保険では意味が無いですからね。『スクランブル』の様な高級クラシックカーに乗っている方はなかなかいらっしゃらないと思いますが、大切な車ですから保険はしっかりと考えて入っていただきたいです。「保険会社の人に話を聞いたら入らないといけなくなりそう」と不安に思う方も多いと思いますが、そんな営業マンがいたら無視して(笑)、別の保険会社に聞くのが一番です。保険をあまり恐がらないで、色々質問していただければ嬉しいです!

――今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

お話を聞いた方/鴇田 康一(Koichi Tokita)さん
ファイナンシャル・ジャパン株式会社
〒141-0035
東京品川区西五反田7-23-1 第3TOCビル10階
TEL/03-5436-9055
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