ダイエットや便秘解消で話題のラクトフェリン



ラクトフェリンとは?

ラクトフェリンとは、母乳や血液、涙や唾液などの中に含まれるタンパク質の一種です。細菌やウイルスからの攻撃を防ぐ役割を持っており、牛や人間の母乳にもっとも多く含まれることから、赤ちゃんの生育に必要な成分であると考えられています。
ラクトというミルクを表す言葉と、フェリンという鉄を表す言葉が合わさって「ラクトフェリン」という名前がついたとされています。ラクトフェリンは鉄と結合するため、粉末状態では赤色に見え、昔は赤いタンパク質と呼ばれていました。
最近では、ラクトフェリンには抗菌効果や貧血予防、脂肪燃焼促進などの、ダイエットや健康に役立つ要素が期待されています。サプリも販売されていますが、果たして効果はあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。


ラクトフェリンに期待されている健康効果

ラクトフェリンのダイエット効果ラクトフェリンの健康効果で一番期待されているのは、やはりダイエット効果でしょう。肥満症の日本人男女26名を対象に8週間、ラクトフェリン300mg/日を投与したところ、体重と内臓脂肪が減少したとの研究結果が報告されています[1]。
また、ラットを使った実験では、ラクトフェリンが胃で分解されずに腸まで届くことで、腸の周りの内臓脂肪に働きかけることが確認されました[2]。そのため、現在販売されているラクトフェリンのサプリメントには、腸まで溶けずに届くように加工されたものが多くあります。
ラクトフェリンの便秘解消作用ダイエットを始めて最初に陥りやすいのが便秘です。便秘を引き起こす原因の一つには、食事制限により食物繊維の摂取量が減少することがあります。そのようなときに便秘を改善する効果が期待できるのがラクトフェリンです。
マウスを使った実験において、ラクトフェリンを配合した流動食を90日間与えたところ、腸内の善玉菌が増えたことがわかりました[3]。善玉菌は腸の運動を活発にしたり、消化管の粘膜免疫を高めたりするため、便秘の解消につながります[4]。


副作用はあるの?

健康維持やダイエットに効果が期待できるラクトフェリンですが、特に副作用は無いとされています[5]。しかし、サプリメントを摂取する際は、摂り過ぎに注意しましょう。
ラクトフェリン配合の機能性食品やサプリメントは、牛乳由来の製品がほとんどです。ですから、乳製品でお腹を壊したことのある人は、気をつけたほうがよいでしょう。また、胃腸の調子が悪い場合も、乳製品に含まれる脂肪分が悪影響を与えることがあります
いずれにしても、痩せたいがために過剰に摂取したり、食事を抜いたりすることはNGです。また、サプリメントだけで痩せられるとは考えにくいため、適度な運動や摂取カロリーの調整など、さまざまな方法をあわせてダイエットを行う必要があります。


ラクトフェリン研究はまだ始まったばかり

ラクトフェリンは、専門の学会が設立されるほど、健康効果を期待されている成分です。しかし、ここで紹介したものも含め、健康維持に有効だとする研究結果には、動物を使った実験や試験管内(in vitro)での実験も含まれています。現状ではヒトへの十分な臨床データが無いため、人体への有効性が確立されているわけではありませんが、これからの研究に期待したいところです。
今後どのような方法で摂取するのがもっとも有効なのか、ラクトフェリンの健康効果を得たいなら、最新の動向を見ていく必要があるでしょう。
参考文献
[1]Ono T, et al. Potent anti-obesity effect of enteric-coated lactoferrin: decrease in visceral fat accumulation in Japanese men and women with abdominal obesity after 8-week administration of enteric-coated lactoferrin tablets, Br J Nutr 2010; 104(11): 1688-1695[2]関 桂子ほか. "プロテオミクスの機能性食品開発研究への活用〜ラクトフェリンの内臓脂肪低減メカニズムの解析〜" 日本プロテオーム学会._https://www.jhupo.org/data/proteomeletters/16004.pdf_ (参照2017-07-11)[3]武田 安弘ほか. 免疫流動食へのウシラクトフェリンの配合,ミルクサイエンス 2015; 64(3): 223-233[4]清水 純. "腸内細菌と健康" e-ヘルスネット._https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html_(参照 2017-07-11)[5]山内 恒治. ラクトフェリン, 日本食品科学工学会誌 2006; 53(3): 193(この記事の監修: オバジクリニックトウキョウ 院長 / コッツフォード 良枝 先生)
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