【医師監修】子ども特有の肺炎の3つの症状、風邪との違い・受診の目安は?

子育て中のママは、子どもの肺炎の症状を把握しておきましょう。風邪だと軽く考えていたら肺炎で入院騒動に発展…なんてケースも少なくありません。「高熱は出る?」「薬で治るの?」「下の子にうつる?」などママが知りたい治療の最新情報をお伝えします。







この記事の監修ドクター

向洋こどもクリニック 梶梅 輝之先生

子どもの病気の診療や予防はもちろんのこと、心身の健全な発達を支援し、ご家族の皆様と子どもの成長をともに喜び合えるクリニックにして行きたいと考えています。
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子どもが肺炎になったときの症状

子どもは風邪から肺炎に発展してしまうことがよくあります。子どもの肺炎ではどのような症状が出るのか知っておきましょう。
そもそも肺炎とは
風邪のウイルスが体内に侵入すると鼻水や咳といった風邪の症状が出ますが、このウイルスが外に排出されずに肺にまで到達してしまい、肺に炎症が起こると肺炎となります。

肺炎にも何種類かありますが、子どもの肺炎は、インフルエンザウイルスやアデノウイルスなどによる「ウイルス性肺炎」、肺炎球菌やインフルエンザ菌などによる「細菌性肺炎」、マイコプラズマやクラミジアなどによる「非定型肺炎」の3つに分類されます。どのタイプの肺炎になりやすいかは年齢によって異なります。
子どもの肺炎で見られる症状
肺炎の症状は種類によって微妙に違います。
・ウイルス性肺炎の症状
子どもの肺炎でもよく見られるウイルス性肺炎は、RSウイルスが原因になることが多く、他にもインフルエンザウイルス、エンテロウイルスも引き金になります。風邪と同じように、鼻水、咳などが出て、その後、発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出てきます。細菌性肺炎と合併しているケースも多くあります。

また、生後6ヶ月以下の赤ちゃんがウイルス性肺炎にかかると症状が急に悪化することがあり、場合によっては呼吸困難やチアノーゼを招くこともあります。
・細菌性肺炎の症状
細菌性肺炎では、発熱、激しい咳、痰といった症状が見られます。そのほか、倦怠感や食欲不振をうったることも。重症化すると呼吸困難や意識障害にまで発展することもあります。一方で、熱は上がらずに呼吸の苦しさや食欲不振だけといったケースもあります。
・非定型肺炎の症状
病原微生物によって起こるのが非定型肺炎で、代表的なのがマイコプラズマ肺炎です。マイコプラズマ肺炎は5歳から9歳頃の子どもがよくかかります。2~3週間の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、全身の倦怠感が出ます。その後3~5日ほどして咳が出てくることが多いです。咳は長引く傾向があるので、注意が必要です。最初は気にならない程度でも、どんどんひどくなります。夜中から朝方に激しい咳が出るのが特徴です。マイコプラズマ肺炎と診断され、抗生物質を処方された後も咳だけはしばらく残ることがあります。平熱のまま咳だけ出るケースも多く、咳だけが1ヶ月半も続くケースも報告されています。
肺炎の治療方法は? 熱と咳が出る子どもはすぐ入院?

子どもの軽い風邪なら自然に治ることも多いです。ただ、肺炎をこじらせると咳も長引くので、夜眠れなくなって辛い思いをすることになります。受診の目安が知りたい、と思っているママも多いでしょう。
昔は肺炎にかかった子どもが死ぬことも多かった
一昔前まで、子どもの肺炎は本当に恐ろしい病気でした。70年前までは2歳で肺炎にかかると2人に1人以上は死亡し、4歳でも20%以上の子どもが亡くなっていました。なぜなら、当時は特効薬がなく、一旦発症したら運に任せるしかなかったからです。小さい子どもを育てているママには、本当にぞっとする数字ですよね。現在では有効な抗生物質が開発されたので、きちんとお医者さんに診てもらえば命を奪われることはまれです。
肺炎が疑われるときの受診の目安
子どもの肺炎は風邪と似ています。病院に行くべきかどうか、迷ってしまうママも多いでしょう。受診の目安は3つあります。
・高熱が続いている

・呼吸のスピードが妙に速い

・顔色が悪く機嫌が悪い
高い熱が続いて苦しそうに息をしているなら、肺炎の可能性も考えられます。もし肺炎ではなくても何らかの治療が必要な病気にかかっている可能性があるので、早く治してあげるためにも小児科へ急ぎましょう。また、赤ちゃんは子どものように咳などの症状がはっきり出ないこともあります。いつもより元気がない、顔色が悪い・・・など異常を感じたらすぐに受診しましょう。
肺炎の診断方法
医療機関では、肺炎かどうか調べるために胸部X線検査を行います。風邪と肺炎は似ているので、お医者さんも症状だけで判別するのは簡単ではありません。肺炎を発症している場合、レントゲン写真に映る肺が部分的に白くなっています。風邪ではなく肺炎の診断が下されたあと、さらに原因を突き止めるために鼻の粘液や血液を調べる段階に進みます。
肺炎の治療方法・薬
子どもの肺炎は、種類によって治し方が違います。細菌性肺炎と非体型肺炎では、抗生物質が処方されます。軽症の場合は自宅で処方された薬を服用して様子を見ますが、重症化している場合は入院して点滴や酸素吸入を施すこともあります。ウイルス性肺炎は基本的に対症療法となり、咳止めなどが処方されますが、肺に細菌が感染しないよう抗生物質が予防的に使われることもあります。
子どもの肺炎の予防法

重症化することもある子どもの肺炎。どのように予防すればよいのでしょうか。
子どもの肺炎はうつる? 下の子が心配
肺炎は風邪やインフルエンザとは違ってうつらない、と思っている方も少なくありませんが、感染する種類の肺炎もあります。2002年に中国から広まり、8,000人以上の人間に感染したサーズも、実はうつる種類の肺炎に分類されます。子どもがかかりやすい肺炎の中では、マイコプラズマ肺炎、肺炎球菌による肺炎、インフルエンザウイルスによる肺炎がうつりやすいので、注意が必要です。家庭内感染を避けるために入院することもあります。
肺炎は予防できるの? ワクチンはあるの?
肺炎はウイルスや細菌など原因物質に感染することで発症するので、感染しないようにすることが最大の予防策になります。基本的な対策ですが、うがい手洗いを徹底し、外出する時はマスクを着用しましょう。睡眠不足や栄養不足などで免疫力が衰えているときは、感染もしやすいので、毎日ぐっすり寝て栄養をたっぷり補うことも効果的な肺炎対策です。看病中の家族も用心しましょう。また、肺炎球菌、百日咳、麻疹のワクチンは肺炎にも有効です。風邪をひいても肺炎にかかりにくくなるので、予防接種も受けておいた方が安心です。

また、親や家族の喫煙による「受動喫煙」によって子どもの肺炎リスクが高まることがわかっています。禁煙するのが理想的ですが、どうしてもやめられない時は、せめて子どもがいない部屋、スペースで吸うよう心がけて下さい。
まとめ

乳幼児は肺の機能が未発達であるため、肺炎になりやすいです。高熱が続いて咳が激しく出ているときは、単なる風邪と思い込まず、肺炎の可能性も考えて早めに受診しましょう。

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