【医師監修】夜驚症の赤ちゃんが泣き叫んで辛い! 対処法は?

夜驚症は乳幼児に多く見られる睡眠障害のひとつ。赤ちゃんが夜驚症になると、寝たあとに急に起き出し、泣き喚いてしまうことがあります。パニック状態で大暴れする様子に、パパ・ママもどう対処して良いのか分からず戸惑ってしまうでしょう。ここでは、夜驚症になる原因や症状、治療法などをお伝えします。







この記事の取材先ドクター

向洋こどもクリニック 梶梅 輝之先生

子どもの病気の診療や予防はもちろんのこと、心身の健全な発達を支援し、ご家族の皆様と子どもの成長をともに喜び合えるクリニックにして行きたいと考えています。
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赤ちゃんの夜泣きと夜驚症の違い

夜中に突然泣き叫ぶ赤ちゃんの症状は、夜驚症も夜泣きもよく似ています。しかし、夜驚症と夜泣きは違うものなので、別々に捉えることが必要です。
そもそも夜驚症とは?夜驚症の症状
夜驚症は赤ちゃんに多い睡眠障害で、夜中に突然泣き叫ぶのが特徴です。本人も驚いたように戸惑って泣くので「睡眠時驚愕症」と呼ばれることもあります。怯えたように飛び起きて大きな声で泣き喚き、パニック状態に陥ります。ただ泣くだけではなく、歩き周ることもあります。眠り始めてから1時間から2時間後ぐらいに症状が出やすく、1回の発作は短ければ1分、長くても10分程度で落ち着きます。大泣きしている最中に家族が話しかけても反応はほとんど返ってきません。翌朝確かめても、発作のことはほぼ記憶にないケースが大半です。
1歳頃の赤ちゃんより3歳以降の子どもが多い
1歳前後の赤ちゃんも夜中によく泣きますが、症状がひどい場合は夜驚症かも知れません。

ただ、夜驚症が多く見られるようになるのは3歳以降から。12歳頃まで発作が出ることがあります。ごく稀に大人もなるケースもありますが、一般的には子どもに多い障害です。

夜泣きと夜驚症の違い
赤ちゃんは夜泣きするものなので、なかなか夜驚症だと気づけないことも珍しくありません。「夜泣きがひどいな」と思っていたら夜驚症だった、というパターンもよくあります。ただ、夜泣きと夜驚症はまったく別ものです。夜泣きは生後3ヶ月から4ヶ月頃が多く、2歳になるまでには落ち着くケースが大半です。ピークは9ヶ月頃迎えます。

夜泣きと夜驚症の大きな違いは、どの状態のときに症状が出るかという点です。夜泣きは眠りが浅いレム睡眠の時、夜驚症は深く眠っているノンレム睡眠の時に症状が出ます。ただの夜泣きなら、周りの大人が声をかけ、電気をつけて室内を明るくすれば、目を覚まします。けれど夜驚症だと話しかけ、電気をつけても無反応で、本人の記憶はありません。ひどい発作が起きている時は、場合によってはたくさん汗をかいたり吐き戻してしまったりすることもあります。
毎晩辛い赤ちゃんの夜驚症は何が原因?

赤ちゃんの夜驚症の原因は何なのでしょう。夜驚症の原因についてや症状がよく似た睡眠障害について解説します。
赤ちゃんの夜驚症の原因とは
夜驚症の原因ははっきりとは解明されていない
赤ちゃんの夜驚症症状が連日続くと、お世話をするママ、パパの心身も参ってしまいますよね。「一体何が原因なの?」と絶望的な気持ちになってしまうパパ・ママもいるでしょう。夜驚症の原因については、実ははっきりしとは解明されていません。脳が完全に発達していないことが原因では、とも言われていますが、明確なメカニズムは突き止められていないのが現状です。赤ちゃんの夜泣きは大体原因がわかっていますが、夜驚症に関しては未知な部分が多いのです。
起きている間の経験が影響?
夜驚症の原因として考えられているものとしては、起きている間に経験した、何らかの恐怖体験の影響があります。日中のストレスや不安、極度に緊張することがあった時も、夜中のパニックの原因になりやすいと言われています。新しい場所に遊びに行った時も、刺激過多で夜中に泣き叫ぶことがあります。大人にとっては何でもないことでも、赤ちゃんや子どもは強い刺激、興奮を感じます。旅行や遊園地など楽しい経験も赤ちゃんには興奮材料なので、発作が起きるきっかけになってしまう可能性もあります。その他、激しく疲労している時も発作が起きやすいことが指摘されています。

また、夜驚症は遺伝要素もゼロではなく、両親、兄弟姉妹も夜驚症だと発症率が10倍高くなることも分かっています。
記憶がないのはなぜ?
3歳頃になると、寝る前のことや夜中に起き出したことを覚えている子も珍しくありません。「昨日は結構泣いたね」なんて朝に話すこともあるでしょう。けれど夜驚症の発作を起こした子どもに夕べのことを聞いても、ほぼ記憶がありません。「何かの障害では?」と心配になってしまうかも知れませんが、これが夜驚症の特徴です。寝ている最中に脳が部分的に覚醒してしまい、本人は覚えていない状態で激しい発作が起きてしまうのです。
赤ちゃんの悪夢障害と夜驚症の違い
夜驚症も悪夢障害も同じ睡眠障害に分類されますが、特徴が異なります。悪夢障害も夜驚症と同じように3歳から6歳頃で発症するケースが多く、大人になってもこじらせる傾向が強いのが特徴です。一方、夜驚症は赤ちゃんから子どもの頃発症しても、10代前半で自然に治ります。

また、ノンレム睡眠中、記憶がない状態で絶叫する夜驚症とは異なり、悪夢障害は目覚めと共に意識がはっきりします。眠りが浅いレム睡眠中に夢を見るので、内容も覚えています。過去の恐怖体験やトラウマのせいで悪夢障害が起きている場合、原因になった辛い経験の夢を繰り返し見ることも珍しくありません。
夜驚症と似ているてんかん
赤ちゃんのてんかんも、夜驚症と症状がとても似ています。しかし、寝ている時に発作が起きる睡眠関連てんかんは慢性的な脳の疾患で、生理現象のひとつである夜驚症とはまったく違うものです。

夜驚症なら眠り始めて1時間から3時間以内に発作が起こりますが、てんかんの場合、眠った直後か、もしくは起きる1~2時間前に起きやすいとされています。ただ、夜驚症かてんかんかの判断は素人では難しいので、夜中に泣き叫ぶ発作が多い時は、病院で診てもらうのが一番です。
病院で薬を貰うべき?赤ちゃん・子どもの夜驚症対策

赤ちゃんの夜驚症の症状がひどいと、一緒に寝ているママ&パパも睡眠不足に陥ってしまいます。「昼間の過ごし方が悪いの?」と自分を責め、辛い思いをしているママも多いでしょう。気になる対処法や治療法、薬についてお話します。
夜驚症の赤ちゃんの対処法
赤ちゃんの夜驚症症状は激しく、なだめてもまったく効かないこともあります。パパ・ママもパニックになってしまいがちですが、とにかく落ち着いて対応することが重要です。ひどい発作が出ても慌てず、まずは落ち着くことを最優先しましょう。暴れても強引に押さえつけるのはNGです。動き回っても無理に押さえつけず、ある程度自由にさせてあげて下さい。そのためにも、赤ちゃんや子どもが動いても危なくないよう、環境を整えることも大切です。踏んだらケガをしてしまうようなものが床に置いていなか確認しましょう。どこかに飛び出して行かないよう、寝室の戸締りもしっかりと。ぶつかったら割れてしまうようなものがないかどうかも、チェックする必要があります。
叱るのは論外
どんなに激しく暴れても本人は覚えていませんし、本人のせいではありません。起きてから夕べの発作についてしつこく質問したり、話し合うことは意味がありません。本人のせいではないので、叱らないようにしてあげて下さい。
治療しなくても自然治癒するって本当?
赤ちゃんの夜驚症症状が連日出ると、パパ・ママは病院の治療も検討するかも知れません。ただ、基本的に夜驚症は成長するにつれて自然に治るので、病院を受診しても「治療せずに様子を見ましょう」と言われるケースが大半です。パパ・ママは睡眠不足でふらふらになってしまうかもしれませんが、じっと辛抱の時です。
治す薬はあるの?
夜驚症が落ち着くはずの10代半ば過ぎになっても激しい症状が出るようなら、抗不安薬や睡眠導入剤が処方される可能性があります。ただし、確実に効くとは限りません。投薬療法を行うかどうかは医師と慎重に話し合いましょう。
漢方薬が用いられることも
ある程度大きくなっても夜驚症が治らない場合、桂枝加竜骨牡蠣湯エキスなどの漢方薬が治療として用いられることもあります。いずれにしても、軽症で投薬治療が行われることはありません。1晩に発作が2、3回以上あり、1回10分以上も泣き叫び、暴れるような時は症状が重いので、医療機関に相談しましょう。
まとめ

夜驚症は赤ちゃんから子どもの時期に起きやすい睡眠障害です。寝たあとに突然起き、泣き叫ぶので、パパ・ママの負担も少なくありません。夜泣きに似ていますが、夜泣きなら9ヶ月頃までがピークで2歳の誕生日を迎える頃には少なくなります。一方、夜驚症は3歳から12歳までの年齢で発症することが多いです。成長するにつれて自然治癒するので特別な治療は行いません。投薬治療が行われるのは重症化しているケース、思春期を過ぎても発作が出るケースです。とにかくパパ・ママが落ち着いて対処し、そっと見守ることが重要です。

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