【医師監修】乳幼児・子どもの脱水症状、どう見分ける? 対処法は?

夏に急増する乳幼児、子供の脱水症状。新生児は自分で症状を伝えられないので、親の発見が遅れ入院騒動になることも。今回は、脱水症状の原因や見分け方、対処法をお伝えします。「下痢、嘔吐は脱水症状?」「発熱、高熱は?」「後遺症が残ることもある?」など疑問に答えます。母乳育児中のママも脱水症には用心して下さい。







この記事の取材先ドクター

向洋こどもクリニック 梶梅 輝之先生

子どもの病気の診療や予防はもちろんのこと、心身の健全な発達を支援し、ご家族の皆様と子どもの成長をともに喜び合えるクリニックにして行きたいと考えています。
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乳幼児、子供が脱水症状を起こしやすい原因

乳幼児、子供は大人より体温の調整機能が未発達のため、脱水症状が起きやすいです。赤ちゃんや子供本人は脱水症状の自覚がないため、周囲の大人が注意して見てあげることが大切です。
子供は大人より水分を失いやすい
赤ちゃんや子供は、大人より脱水症に気をつけなくてはなりません。人間の身体は汗をかく以外にも、呼吸や皮膚から自然に水分が失われています。知らないうちに失われる水分のことを不感蒸泄と呼びますが、この量が子供は大人より多いのです。汗をかいている時はもちろん、ただじっとしているだけでも水分は失われてます。こまめに水分を補ってあげましょう。
乳幼児に脱水症状が起きやすいのは腎臓の問題もある
乳幼児、子供が大人より脱水症状になりやすいのは、腎臓の問題も関係しています。腎臓には、体液が必要以上に失われないよう、水分や電解質を再吸収する働きがあります。ただし、子供の腎機能は未発達なので、大人のように体液の喪失を上手に防ぐことができません。小さい子供は腎臓でうまく再吸収の働きが行われず、ちょっとしたきっかけですぐに電解質と水分不足に陥ってしまいます。
喉が渇いた、と言えないことで脱水に気づかれにくい
赤ちゃんは大人に「喉が渇いた」と言葉で伝えることができません。もちろん自分で水を飲むこともできないので、お世話をしている大人がこまめに水分を補給してあげないと、脱水症状に陥りやすくなってしまいます。ある程度大きくなった子供も、遊びに夢中になっていると喉が渇いていることを忘れ、脱水症状を起こしてしまうことがあります。
脱水症状勃発率に影響する水分出入り比率
少し難しい話になりますが、乳幼児、子供の脱水症状の原因には、水分が出たり入ったりする比率も関係しています。1日に7分の1の細胞外液が入れ替わる成人に比べ、小児の出入り比率は2分の1です。普段より食べる量が少ない時、水分補給の量が足りない時、すぐに脱水症になるのはこの比率が影響しています。下痢や嘔吐で大量の水分が失われた時も、細胞外液が瞬く間に足りなくなり、脱水症を発症します。もともと子供は細胞外液が多く、体液は細胞外液から失われる傾向があるので、脱水症発症率が高いとも指摘されています。
母乳育児中のママも脱水症状の注意
赤ちゃんが生まれたばかりのママは、お世話で忙しくて自分の水分を補給するのをうっかり忘れてしまうこともあるはずです。「喉は渇いているけどゆっくり休憩する暇がない!」なんてケースもよくありますよね。ただ、何か作業しながらでも構いませんので、水分補給は必ず行って下さい。ママが脱水症になってしまっては赤ちゃんも危険に晒されてしまいます。乳幼児、子供に負けないぐらい、母乳育児中のママは水分不足に陥りがちです。母乳の80%以上は水分なので、1日に600mlから1リットル近くは水分が出て行っている計算になります。普段より意識して多めに水分を補給し、ママの健康を守りましょう。
乳幼児の脱水症状の見分け方

不調を感じても自分でうまく伝えられない小さい乳幼児は、パパ・ママが脱水症状を見分ける必要があります。乳幼児の症状を見分ける時、どこに注意すれば良いのでしょうか。
軽い脱水症状を起こしているときの乳幼児、子供の症状
同じ脱水症状でも重症度により症状が違います。軽度の段階で見られる症状としては、おしっこの量の減少があります。オムツをしばらく替えていないのにあまり濡れていないなら、おしっこの量が減っている可能性があります。

また、軽度の段階では唇の乾燥も見られます。汗もほとんどかいていないようなら、軽度の脱水症状を起こしている可能性があります。

手足が冷たい!中度以上の脱水症状
毎日赤ちゃんのオムツを替えているママは、正確に記録していなくても大体のペースを把握していますよね。「そう言えば半日以上おしっこが出ていない」なんて時は、中度以上の脱水症状を起こしている可能性があります。乳幼児の唇は普段艶々と潤っているものですが、この段階になると、唇もかなり乾燥しているはずです。落ち着きがない時、泣いているのに涙が流れていない時、手足が冷たくなっている時も要注意です。
乳幼児の嘔吐、下痢は入院レベルの脱水症状
嘔吐、下痢は脱水症状でも重度の症状になります。脱水症状はひどいと臓器障害を起こすこともあり、入院となることも珍しくありません。軽い脱水症状は家庭でもケアできますが、中度から重症レベルに進行している場合は、医療機関を受診して下さい。
子供の発熱は熱中症?乳幼児は高熱も
子供が発熱しているようなら、脱水症状ではなく熱中症の可能性があります。脱水症状が起きると、身体は冷えるので熱はあまり出ません。例外として、高熱が出ている最中に汗を大量にかき、脱水症を引き起こすことはありますが、脱水症の症状として発熱することはあまりありません。

脱水症が進行すると熱中症になりますが、それまで冷えていた身体が再び熱くなるのが特徴的です。乳幼児は高熱が出ることもあります。いずれにしても、水分不足状態で高熱が出ると多臓器不全を発症する可能性があり、また、意識障害を起こし死亡することもあるので、どちらの症状も軽く見ることはできません。

乳幼児の脱水症状、対処法は

子供の脱水症状のサインに気づいたら、すぐに正しい対処を行う必要があります。軽度と重症のケースでは対応方法が違うので、どれぐらい進行しているのか、冷静に見極めることも大切です。
乳幼児、子供に軽い脱水症状の兆候が見られたら、急いで水分を補給してあげましょう。ただの水よりも赤ちゃん用の経口補水液の方が効果的です。脱水症状を起こしている時は水分だけではなく、電解質も失われるので、水分と電解質を一緒に補える経口補水液が理想的な飲み物です。自宅にない場合や近くの薬局でも見当たらない場合、手作りも可能です。1,000mlの湯冷ましに大さじ4~5杯の砂糖、小さじ2分の1の食塩を加え、しっかり混ぜれば完成です。飲みにくそうな時は、レモンなどの果汁を加えてあげて下さい。
嘔吐、下痢が激しい乳幼児の水分補給方法
赤ちゃんが嘔吐、下痢を起こしてしまっている時は、水分を与えてもゴクゴク飲むことができません。初めは小さじ1杯の水や経口補水液で口の中を湿らせ、少しずつ量を増やして下さい。赤ちゃんの様子を見ながら、5分から10分置きに水分を与えます。乳幼児なら、体重1kgあたり100ml前後の水分が、1日の摂取目安になります。5kgの赤ちゃんなら、ちょっとずつ500mlの水分を飲ませてあげて下さい。
中度以上の脱水症や熱中症の対処法
もし子供が中度以上の脱水症や、熱中症を起こしているようなら、迷わずに即受診して下さい。症状が進行すると水を飲ませるぐらいでは対処できません。医療機関で点滴を打ち、電解質を補正する治療を行います。下痢にも整腸剤、下痢止めなどを処方して脱水症状を食い止めるので、医師に任せましょう。
脱水症状で子供に後遺症が残る可能性は?
子供の脱水症状は進行が早いので、本当にパパ・ママの注意が必要です。まだ小さい赤ちゃんは寝ている間に症状が進行することもあります。夏はもちろん、冬の暖房も警戒しましょう。

脱水症が進行し熱中症を発症してしまうと、脳や臓器に後遺症が残る可能性があります。赤ちゃんの体温が高いのに冷やさずに放置した場合は、中枢神経障害が残ることもあります。中枢神経障害が起こると、大人になっても話す時にろれつが回らずコミュニケーションに問題が生じたり、食べ物をうまく飲み込めなくなるなどの重い症状を引き起こします。

まとめ

乳幼児、子供の脱水症状について解説しましったが、いかがでしたでしょうか。脱水症という言葉は知っていても、具体的な原因や見分け方、対処法について詳しく知っている方はあまり多くないようです。脱水症状は、早い段階で気づき、対処してあげることが重要です。

大事な我が子を危険から守るためにも、年間を通して脱水症状は起きていないかは意識するようにしましょう。

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