【医師監修】<タイプ別>乳児湿疹の原因と正しい対処法

乳児湿疹が出る赤ちゃんは少なくありません。ただ、乳児湿疹にもさまざまなタイプがあり、保湿対策が効く乾燥性もあればアレルギーが原因のものもあります。タイプ別の対処法のほか、顔や首、背中、全身など湿疹が出やすい箇所についても解説します。「原因は?」「いつまで?」「薬は?」など、ママが知りたい情報をお伝えします。







この記事の取材先ドクター

向洋こどもクリニック 梶梅 輝之先生

子どもの病気の診療や予防はもちろんのこと、心身の健全な発達を支援し、ご家族の皆様と子どもの成長をともに喜び合えるクリニックにして行きたいと考えています。
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乳児湿疹ができる原因は赤ちゃんによって違う

乳児湿疹はどうしてできるのか、原因を知りたいと思っているママも多いでしょう。原因が分かれば対処法も見えてきますよね。
赤ちゃんの湿疹=乳児湿疹
実は、乳児湿疹の原因は○○です、と断言することはできません。そもそも乳児湿疹とは、新生児から乳児期にかけて出る湿疹をまとめて呼んでいるもので、正式な病名ではありません。赤ちゃんの湿疹はお医者さんでも原因が分からないものが多く、この時期に出る皮膚トラブルはすべて乳児湿疹と呼んでいるのが現状です。アトピー性皮膚炎のせいで湿疹が出ることも少なくありませんが、しばらく様子を観察しなければ診断を確定することはできません。
新生児に乳児湿疹ができやすい理由
赤ちゃんの乳児湿疹はよく見られます。新生児に乳児湿疹ができやすい理由として以下のものがあります。
汗と皮脂の量が多い
生まれたばかりの赤ちゃんは代謝が活発。新陳代謝が良いと、汗や皮脂の分泌も多くなります。ただ、毛穴はまだ小さいため、汗や皮脂が詰まってニキビや湿疹に繋がります。
角質層のバリア機能が未完成
大人の肌は角質層がしっかり整っているので、適度な潤いを保つ機能、外部からの有害物質の侵入を防ぐ機能が働いています。ただ、赤ちゃんの角質層は未完成で厚みも足りないため、ダメージを受けやすい状態です。温度差やオムツの湿気、ハウスダストアレルギーや汗など、ちょっとした刺激も湿疹の原因になります。
乳児湿疹が出やすいのはいつからいつまで?
早いケースでは、生後2週間から乳児湿疹が見られるようになります。ちょうど病院から退院して1週間ほど経った頃ですよね。ようやくオムツ替えに慣れた頃にぶつぶつを発見し、びっくりするかも知れません。決してまれなことではないので、慌てずに対処しましょう。乳児湿疹がいつまで続くのかも気になるところですが、乳児湿疹の原因にもよるので一概には言えません。新生児ニキビのように生後1ヶ月前後で自然に治癒するものもあれば、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー性湿疹のように数年間症状が出続けるものもあります。
症状から乳児湿疹のタイプを見極めよう

乳児湿疹にもさまざまなタイプがあります。症状からタイプを見極めるときのポイントを紹介します。
新生児ニキビは顔に出る
生まれて間もない新生児の顔に赤いぶつぶつができたら、新生児ニキビの疑いがあります。大人の思春期ニキビと同じような湿疹が、おでこやほっぺに出て、顔全体に広がることもあります。重症化すると顔全体がびっくりするほど真っ赤になることもありますが、不衛生にしていなければ1ヶ月から2ヶ月ほどで自然に治癒します。生まれたばかりの赤ちゃんは汗と皮脂が過剰分泌されている状態なので、すぐに毛穴が詰まってしまうのです。毛穴が塞がれつつある状態で外部から刺激を受け、炎症が起こるケースもあります。ぶつぶつが出ている間に赤ちゃんが擦ったり引っ掻いたりすると悪化し、治りが遅くなります。
乳児脂漏性湿疹のケースも多い
乳児湿疹で一番多いのは、新生児ニキビか乳児性脂漏性湿疹です。新生児ニキビは生後1週間から1ヶ月以内に出るのが特徴的ですが、乳児性脂漏性湿疹は生後4ヶ月を迎える時期になっても出現します。顔や頭がギトギトして、黄色いカサブタ、フケのようなものが目立ちます。赤ちゃんが激しいかゆみを感じることはあまりありません。新生児ニキビと同じように悪化すると炎症を起こし、腫れてしまうことがあります。
あせもは首と背中のぶつぶつが特徴
気温が高い時期、赤ちゃんの首や背中、お尻にぶつぶつを見つけたら、あせもの可能性があります。蒸れやすいところに湿疹ができるのが特徴です。かゆいので赤ちゃんが引っ掻いてしまい、患部が傷ついてこじらせやすいのが厄介です。爪で引っ掻いて黄色ブドウ球菌に感染し、とびひになって膿が出るケースもあります。
繰り返す乳児湿疹はアトピー性皮膚炎かも
激しいかゆみを伴う赤い湿疹が繰り返しできるようなら、アトピー性皮膚炎を患っている可能性があります。湿疹は顔や頭、耳たぶを中心に出るのが特徴的です。乳児脂漏性皮膚炎と症状が似ていますが、アトピー性皮膚炎だと必ずぶり返します。原因はいまだに分かっていませんが、ハウスダストやダニ、動物の毛の影響で症状が出ることが多いようです。食物アレルギーやストレスで出ることもあります。
食物アレルギーが原因の乳児湿疹
食物アレルギーによる乳児湿疹は、アレルゲンを食べたことがきっかけで症状が出ます。赤ちゃんの場合、食べてすぐに湿疹や嘔吐、咳などの症状が出ます。原因となる食べ物を口にして2時間以内に症状が出る食物アレルギーは即時型に分類されますが、0歳から1歳までが一番発症しやすいことが分かっています。激しいアレルギー反応で全身が真っ赤になることもあります。
タイプ別乳児湿疹の対処法・治療法

乳児湿疹の原因をすぐに特定するのは難しく、症状や経過をよく観察する必要があります。医師でも即断はできません。症状がひどい場合は小児科、小児皮膚科で治療してもらうのが一番ですが、軽い症状なら家庭でも対処することができます。
新生児ニキビ・乳児脂漏性湿疹は皮脂ケアが効果的
乳児湿疹の中でも飛び抜けて多い新生児ニキビや乳児脂漏性湿疹の場合、赤ちゃんの肌を衛生的に保つの基本的な対処法になります。毎日お風呂に入れてあげて、ベビーソープで汗と皮脂汚れをしっかり落としてあげましょう。ゴシゴシ洗いはせず、たっぷり泡立てた泡で包み込むように洗うのがポイントです。皮膚の弱い赤ちゃんにとってシャワーは刺激が強いので、しばらくはお湯を含ませたガーゼで丁寧に泡を洗い流してあげて下さい。

乳児脂漏性湿疹でカサブタがついている時は、お風呂に入れる前にオイルかワセリンで患部をふやかしておきます。日中、夜に湿疹を引っ掻いてしまうようなら、ミトンでカバーする対策も有効です。ミトンを使わない場合、爪は丸く切りそろえ、赤ちゃん用のやすりで整えてあげると患部が傷つきにくくなります。

あせもの赤ちゃんへのケアは?
あせもの原因は汗なので、こまめに清潔な肌着に着替えさせてあげる対策が有効です。着膨れして汗をかき過ぎているケース、布団をかけ過ぎて寝汗を大量にかいているケースも多いので、寒い時期でも過剰に温めるのは禁物です。赤ちゃんは平熱が高いので、大人よりも汗をかきやすい状態です。皮膚が蒸れていると表皮ブドウ球菌が増殖しやすくなるので、毎日の入浴も欠かせません。
あせもの市販薬は効く?
新生児ニキビや乳児性脂漏性湿疹とは異なり、あせもの湿疹はかゆみがあるのが特徴です。赤ちゃんがかきむしってしまってしまうようなら、かゆみを抑える作用のあるの市販薬も試してみてもよいでしょう。
病院ではステロイドが処方されることも
重症化した場合、病院ではリンデロンなどのステロイドを処方されることがあります。5日から1週間ぐらいの短期間塗る分には、深刻な副作用が出る可能性はないと言われています。
アトピー性皮膚炎は治療しても治らない?
乳児湿疹の原因がアトピー性皮膚炎なら、不定期的に症状が出るかも知れません。アレルゲンがすぐに判明するとは限らないため、原因物質が分かるまではとにかく周りを清潔に保ち、刺激を避けましょう。衣類のタグがきっかけで皮膚が反応する可能性もあります。いつどんなタイミングで湿疹がどこに出たのか、メモを取っておくとアレルゲンの特定にも役立ちます。
アトピー性皮膚炎は治る?治らない?
成人のアトピー性皮膚炎は難治性ですが、赤ちゃんの頃になる乳児アトピー性皮膚炎は2歳頃までに自然に治るケースがほとんどです。アトピー性皮膚炎の原因はアレルギーだと思われがちですが、実は皮膚の脆弱性(遺伝的要因が大きい)が原因で、アレルギーは2次的に発症するものです。したがって軽症のものは成長して皮膚が強くなれば自然に改善します。ステロイドの副作用が気になるかも知れませんが、適切な強さの薬剤を一定期間使う分には、深刻な副作用が出ることはほとんどないと言われています。外用薬や保湿剤などを上手に使うことで、2次的に発症するアレルギーをある程度予防することができます。
食べ物が原因の乳児湿疹の対処法
パパやママがアレルギー体質でも、食物 アレルギーを発症していないならば、離乳食は通常通りでかまいません。心配だからといって、離乳食を遅らせることが、食物アレルギーの発症リスクにつながります。つまり、皮膚からアレルゲンが侵入する前に口から入れてしまうのが最大の予防なのです。しかし、離乳食の開始が早すぎるのは良くありません。母乳育児を行っている場合、一昔前はアレルゲンになりやすいものはママも食べるのを控える方が良いといわれていましたが、現在では控える必要がないという意見が主流です。ただし、稀に母乳に移行したわずかな成分にも反応することがありますので、気になる方は小児科医やアレルギー専門医に相談してみて下さい。
1歳を過ぎたらあえて食べさせる方法も
赤ちゃんの消化器官は未発達なのでアレルゲンは避けなくてはいけませんが、1歳を過ぎれば機能もしっかりしてきます。アレルゲンが分かっている場合、慣れさせるためにあえて食べさせるよう指示する医師が増えています。もちろん、極度のアレルギー体質なら慎重に判断しなければなりませんが、軽いアレルギーぐらいなら「食べて治しましょう」と提案されることも。体調が良い時に少しずつ与えると、次第に湿疹が出なくなるケースがあります。
乳児湿疹に乾燥は大敵!しっかり保湿を
乳児湿疹にもさまざまなタイプがあるので、タイプに応じて適切に対処する必要があります。ただ、どの乳児湿疹でも、清潔にして保湿するという基本対策は共通しています。生後3ヶ月以降の赤ちゃんの肌は乾きやすいので、お風呂上がりは必ず保湿剤でケアして下さい。
まとめ

赤ちゃんの乳児湿疹のタイプの多さに驚かれたのではないでしょうか。新生児ニキビ、乳児脂漏性湿疹、あせも、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーによる湿疹など、代表的なものだけでも5種類もあります。どのタイプかによって注意しなければいけない点も変わってくるので、自己判断せずいったん小児科や皮膚科を受診してタイプを特定してもらいましょう。

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