異常な食欲が止まらない…難病「プラダーウィリー症候群」の特徴

世間ではあまり知られていない、子どもの頃に見られる「プラダーウィリー症候群」という珍しい病気があります。


食欲が旺盛になり、満腹を感じづらく食べずにいられない衝動に襲われることもあり、肥満の症状が現れるのも特徴の一つです。


今回は、「プラダーウィリー症候群」の特徴、診断や治療法など医師に解説していただきました。






プラダーウィリー症候群とは 

肥満の子供


1950年代にスイスの医学者であるプラダ―とウィリーが発表した病気です。


プラダ―ウィリー症候群は、 1万人〜1万5千人に1人というやや珍しい病気で、日本では 難病指定されています。 




プラダーウィリー症候群の原因 

プラダーウィリー症候群は、遺伝子の異常による病気です。


通常の遺伝子


夫婦


人間の遺伝子(体の設計図にあたる暗号)は、父親からもらったものと母親からもらったものの2つがあります。


2つの遺伝子はほぼ同じですが、ところどころ違っていて、それが一人一人の違いを作り出します。


通常は一つの遺伝子、例えば父親からもらった遺伝子が間違っていても、代わりに母親からもらった遺伝子が正常であれば、互いに補い合って正常に暗号の役割を果たすことができます。


遺伝子の異常(第15番染色体)


遺伝子


プラダ―ウィリー症候群の原因となる第15番染色体のあるエリアは、不思議な性質を持っており、父親から受け継いだ遺伝子か、母親から受け継いだ遺伝子のどちらかしか働かず、もう片方には作動できないように鍵がかかっています。


遺伝子の異常は、 脳の食欲やホルモン分泌を支配している視床下部に異常をきたし、様々な症状を引き起こすと考えられています。


父親の生活態度が悪かったからとか、母親が何かしたからなる病気だということではありません。突然変異による病気と考えられています。


■ 父親の遺伝子の異常→プラダ―ウィリー症候群

父親からもらった遺伝子にたまたま欠けや突然変異が起こると、母親からもらった遺伝子は正常であっても、プラダ―ウィリー症候群を発症することになります。


■ 母親の遺伝子の異常→アンジェルマン症候群

母親からもらった遺伝子が異常で、父親からもらった遺伝子に鍵がかかっていると、アンジェルマン症候群という別の病気を発症します。




プラダーウィリー症候群の症状/特徴

赤ちゃん


胎児や新生児のころから、以下の症状が見られます。


筋力


筋力が低く、元気がなく、ミルクをうまく飲めず疲れやすいため体重が増えにくく、鼻から胃腸に管を入れて栄養を注入する治療が必要な場合もあります。


運動能力


首が座る、おすわり、ハイハイ、一人歩きなどの運動発達が遅れます。



筋肉の力はだんだんついてきますが、骨がもろく、骨折を起こしやすいと言われます。



歯が弱く、唾液も少ないため虫歯になりやすいとされています。


性器


生まれた時から性器が小さく、第二次性徴も遅れ、停留精巣などの奇形も起こりやすくなります。


知能・性格


知的な発達も遅れ、かんしゃく持ち・粗暴・所有欲が強い・自傷行為など問題行動も見られることがあります。


外見


骨格が特徴的で、似たような顔つきになります。手足は短く身長は低めです。




プラダーウィリー症候群が併発しやすい病気 

子供が苦しむ


肥満に伴う疾患


3歳ごろから食欲が増え、隠れ食いなどもするようになります。


・動脈硬化

・糖尿病

・高脂血症

・睡眠時無呼吸

など


怪我


痛みにやや鈍感なため、怪我をいじって悪化させたりすることがあります。


肺炎


痰を出しにくく肺炎などを起こしやすい傾向があります。




プラダーウィリー症候群の診断

MRI


遺伝子診断が必要ですが、同じプラダ―ウィリー症候群の遺伝子異常にも様々なタイプがあり、一般的な検査では診断がつきにくいこともあります。




プラダーウィリー症候群の治療

リハビリ


不足しているホルモンを補ったり、食事・運動療法によって肥満を防ぎます。


こういった管理によって寿命は健常人とあまり変わらなくなっており、知的・精神障害を克服してどう社会生活をしていくかが課題になっています。




最後に医師から一言

医師と子供


プラダーウィリー症候群の多くは、子どもの頃に診断されています。知識があると患者さんに接する場面があれば役に立つかもしれません。


(監修:Doctors Me 医師) 



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Doctors Me 09/05

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