【医師監修】小児救急に行く前に! 覚えておきたい親のための豆知識

子どもの病気やケガは、ある日突然起こってしまうもの。心配のあまりパニックになってしまうこともありますよね。そんな時のために、即受診する必要のある症状や救急医療について知っておくと便利です。今回は、子供の救急対応についてご紹介します。







この記事の監修ドクター

東京衛生病院 保田典子先生

小児科専門医、医学博士。筑波大学卒業、国立国際医療研究センター等で研修、東京女子医科大学で博士号取得後現職。子育て中のママ目線で親御さんが安心できる診療・ご説明を心がけています。なかなか短い診療時間では聞きにくい小児科医の知識や想いをブログやセミナーで発信しています。日本小児科学会、日本小児循環器学会、日本周産期新生児学会、女医+(じょいぷらす)所属。

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小児救急の役割と活用方法

小児救急とはどのような役割をするものなのでしょうか。まずは、小児救急の役割や目的について説明します。
小児救急の役割と目的とは?
普段、気になる症状があった際には、診察や診断、検査、治療を行うために診療受付時間内に病院にかかりますよね。一方で、速やかに判断や処置が必要となる疾患がある患者さんの場合、緊急で医療機関にかかることになります。これを「救急」「救急外来」と言います。

つまり、小児救急とは子どもが突然体調不良や怪我をした際に、子供の命を守るために緊急で適切な判断や応急処置を行う役割をしているということになります。

子どもがある程度の年齢になっていれば、身体の不調を自分で訴えられますが、赤ちゃんなどまだ言葉が話せない時期の子供の場合には、親がすぐに異変に気付けるようにしておく必要があります。

ある日突然起こりうる病気やケガは、様々。日頃から子供の様子を観察して、何かあったらすぐに対応の判断ができるようにしておきましょう。

近所の小児救急の医療機関を把握しよう
子どもの身体に突然の事が起きても、その時にかかりつけ医などが開いているとは限りません。そのため、家の近くにある小児救急の医療機関をあらかじめ把握しておく必要があります。医療機関の調べ方については、後項でも説明します。

小児救急にかかるべき?乳幼児の7つの症状別対処法

熱や嘔吐など、子どもに多い体調不良。このまま安静に寝かせておいて良いのか、それとも今すぐに病院へ行くべきか迷うこともありますよね。まずは、子供が体調不良の時の対処方法について説明します。

発熱した場合
子供は大人と比べて平熱そのものが高いので、37℃程度までは平熱として見なして様子を見るようにしましょう。

37.5℃を上回る発熱があった場合でも、普段通りに遊んでいたりすやすや眠れる状態であれば、必ずしも緊急で診てもらう必要はありません。診療時間中に受診し、しばらく様子を見てみましょう。もし気になる症状があれば、受診をおすすめします。

発熱したのが生後3ヶ月未満の乳児であったり、発熱が41℃以上だったり機嫌が悪くぐったりしている時には、すぐに病院へ行きましょう。また、下痢や嘔吐を繰り返して止まらない、顔色が悪い、痙攣している、呼吸がおかしいなどの異変がある場合にも速やかに受診する必要があります。

家で様子を見る際には、氷まくらなどを使って頭や首、両脇や股の付け根などを冷やします。氷枕はタオルを巻くなど、低温やけどには注意しましょう。

嘔吐した場合
子どもが嘔吐したときには、まず慌てないことです。子どもの様子を観察し、吐いたタイミングや回数、吐いた時の様子などを認識しておきます。そのほかにも腹痛や頭痛、熱、お腹の張りがないかどうかや、機嫌や食欲、排便の様子も見ておきましょう。

嘔吐があっても機嫌が良く食欲もある場合や、嘔吐が止まって水分が飲める、下痢や発熱もなく全身の状態が良い場合にはしばらく様子を見てみましょう。

嘔吐を繰り返す、吐いたものに血液や胆汁が見られる、ひきつけを起こす、強い頭痛や腹痛を伴う、発熱がある、激しく泣く、尿が長時間出ない、血便があるなどの症状が見られたら、すぐに受診が必要です。
呼吸が安定しない場合
喘鳴が聞こえる場合には、音や首の様子を見てみます。首は、付け根が息をするたびにへこんだりするかどうかを観察しておきます。同時に、熱や咳の有無や息遣い、汗、食欲なども見ておきましょう。

喘鳴が聞こえていても、すやすや眠れている場合には診療時間中に受診する程度で良いでしょう。せきがある場合でも、機嫌が良く食欲があるならしばらく様子を見てみます。

ただし、喘鳴が強い、喘鳴や咳がひどくて横になって眠れない、発熱もともない苦しそうなどといった時にはすぐに受診が必要です。また、顔色や唇の色が青い時や息苦しそうな時、早くて浅い呼吸が続く時もすぐに病院へ行きましょう。

家では、水分補給をしっかりと行い、室内の湿度を高くしておきます。水分を少量ずつこまめに飲ませるようにすると、痰が出やすくなります。背中をさすったりトントンと軽くたたいたりしてあげるとより効果的です。

腹痛がある場合
子供が腹痛を訴えた場合には、痛がり方や腹痛が起きた時間、痛みがある部分などを見ます。発熱や吐き気、下痢、お腹の張りなどの症状がないかどうかも見ておきましょう。

腹痛があってもすぐに軽い痛みにおさまったり、排便で痛みが解消されたりした場合には様子見で問題ありません。しかし、お腹をかがめるほど痛がっていたりぐったりしているほか、血便がある、下痢や嘔吐を伴うなどの様子が見られたらすぐに受診しましょう。お腹を触ると痛がる時もすぐに病院へ。

下痢をした場合
下痢をした際には、まずにおいや状態、1日の回数などいつもと違う点がないかどうかをよく観察しておきます。便をしたオムツや便の一部をビニール袋に入れて取っておいたものを受診の際に持参すると、診断がしやすくなります。

下痢の回数が1日5回以内であったり、尿の頻度が普段から変わらない、熱がない、機嫌が良い、などといった場合には、しばらく様子を見ても良いでしょう。

ただし、1日6回以上の下痢がある、脱水症状が見られる、高熱や嘔吐、腹痛を伴う、血便がある、尿の量が少ないといった場合には、すぐに受診しましょう。

痙攣を起こした場合
子供が痙攣していたら誰でもびっくりしてしまうもの。しかし、くれぐれも慌てて抱き上げたりゆすったりしないようにしましょう。まずは冷静になって、痙攣に気付いた時間や痙攣が続いた時間、熱の有無、目つき、手足の動きなどを把握しておきます。

痙攣が数分以内で1回のみだった場合や、目を開けている状態で周囲の呼びかけに反応する場合には、しばらく様子を見ましょう。とはいえ、痙攣はいつ止まるか予測はできないもの、心配であれば病院へ行きましょう。

ただし、痙攣が10分以上続く、痙攣を繰り返す、激しい嘔吐や高熱を伴う、意識が15分以上戻らない、手足に麻痺が残る、痙攣が起こった後にいつもと様子がおかしい時などには、速やかに病院へ行きましょう。

発疹・湿疹が出た場合
発疹が出た場合には、発疹の状態を見てみます。発疹の色や形、広がり方のほかにも、かゆみや痛みを伴うものなのかなども観察しておきましょう。

発疹以外に特に目立った症状がない場合には、しばらく様子を見てみましょう。発疹がどんどん広がる、強いかゆみがある、発熱や喘鳴をともなうといった状態が見られたら、すぐに受診しましょう。

怪我・事故時の小児救急の対応と流れ

気をつけていても起きてしまうことのある、怪我や事故。これも、様子見で良いのかすぐに受診するべきか迷うところですね。次は、怪我や事故が起きた際の対処方法について説明します。

頭を打った場合
頭を打ってしまった場合、打った後にぼんやりしていなかったかどうかなど様子を見ておいてください。また、吐き気や嘔吐の有無や呼吸の状態、瞳の状態、目や手足の動きも観察しておきます。

打った後に機嫌も良く食欲もある場合や、意識や身体の動きに異常がない場合、会話が普通にできている場合にはしばらく様子を見ます。

何度も嘔吐する、呼吸が荒い、いびきをかく、ぼーっとしている、光をまぶしがる、手足の動きが悪い、痙攣がある、頭全体を強く痛がる、視界に異常があるなどの場合にはすぐに受診が必要です。

火傷をした場合
やけどは範囲と深さによって症状を見ます。患部が広い、そして深いほど危険な状態となり、子供の場合はやけどの範囲が身体の表面積の10%以上になると重症ということになります。やけどの深さに関しては、第1度〜第3度に分類されます。

赤いだけで水ぶくれができていない場合、やけどの範囲が狭い場合には、しばらく様子を見ても構いません。しかし、大人のてのひらよりも広い範囲でやけどしている場合や、皮膚が焦げたり白くなるほどの状態の場合にはすぐに受診しましょう。

誤飲・誤食をした場合
もしも誤飲・誤食をしてしまった場合には、まずは冷静になって何を飲み込んだかを状況を見ながら考えてみましょう。また、飲み込んだ後の子供の様子も観察しておきます。

かじったりなめたりしたものがクレヨンや石鹸、紙、ビニール、鉛筆の芯、お線香、インク、絵の具、墨汁、化粧水であった場合にはしばらく様子を見ていても構いません。煙草をかじってしまっても、2センチ以下であれば緊急性はないと考えられます。

しかし、煙草を2センチ以上食べてしまったり、煙草を捨てたジュース缶などの残り汁を飲んでしまった場合には速やかに受診しましょう。また、漂白剤や殺虫剤、灯油、ボタン電池、医薬品などを誤飲・誤食した場合もすぐに病院へ。飲み込んだ途端に咳が出て呼吸の様子がおかしかったり、嘔吐が止まらない、顔色が悪いなどといった場合も緊急を要します。

出血した場合
血が出てしまった場合には、まず出血の原因を確認します。止血までの時間や出血の様子なども見ておきましょう。すぐに血が止まったり、傷の状態が浅く軽い場合はしばらく様子を見ても構いませんが、細かいガラスや破片などによるケガは受診しておきましょう。15分以上止血しない、傷が深く大きい、拍動性に出血する、鼻血が30分以上続く、ガラスの破片や汚れが取れない場合にはすぐに受診しましょう。

乳幼児の様子がおかしい時は病院に相談すべき?

顔色が悪い、泣き方がいつもと違う、などといつもと様子がおかしい時も、何かの病気の兆候ではないかと心配になるはず。いつもと様子が違う場合の対応方法は、次の通りです。

泣き方がおかしい場合
泣き方以外に特に変わりがない場合には、しばらく様子を見てみましょう。泣き方が弱々しく目がうつろな状態や10分〜30分おきに激しく泣くなどの場合には、緊急受診しましょう。

顔色が悪い場合
顔色がいつもより青白いと感じた場合、元気があって機嫌が良い場合はしばらく様子を見てみましょう。寒がったりしているようなら、部屋を暖かくしたり毛布をかけてあげたりなど環境を整えてあげます。ただし、生後3カ月未満の場合には、すぐに受診してください。

元気がなくぐったりしている機嫌が悪い、呼吸困難や動悸、低体温などの症状が見られた場合にも、速やかに病院へ行きましょう。

顔色がいつもより赤いと感じた場合、高熱やこむら返りなどを起こしていたり、唇の腫れていたり呼吸が苦しそうな様子が見られたら、緊急での受診が必要です。激しく泣いていたりたくさん動いている場合には、涼しい環境の中で様子を見てみましょう。

目や耳、口の中の様子がおかしい場合
目に異物が入ってしまった場合には、速やかに水洗いをして速やかに眼科へ行きましょう。まつげなどは入っていても心配ありません。直射日光が当たって目の様子がおかしくなった場合にも、すぐの受診が必要です。目やにや痛み、かゆみ、充血、まぶたの腫れに関しては緊急性はありませんが、受診はしてください。

耳だれとともに発熱があったり耳の聞こえが悪い場合には、急ぐ必要はありませんが耳鼻科の受診をしましょう。

口の中の様子がおかしい場合、他の全身状態が落ちついていれば様子を見て構いません。水分も取れない、ぐったりしているなどありましたら受診しましょう。
アレルギー症状が起こった場合
部分的でなく全身にアレルギー反応が出た場合には命に関わることもあるので、速やかな対応が必要となります。症状そのものは皮膚のかゆみやじんましんから意識障害まで様々ですが、急激に出てくることが特徴です。

小児救急の外来時に心がけたいこと

緊急で病院にかからなければならない時、思いがけないことに気が動転して冷静でいられなくなってしまうことも多いもの。しかし、受診をスムーズに行うために次のような事は心がけておきたいところです。

必要な物をそろえる
病院に外来でかかる際には、健康保険証、母子健康手帳、診察費用、交通費が必要になります。なるべくすぐに揃えられるようにしておきましょう。

子供の状態をきちんと伝える
救急車を呼ぶ場合などは特に、気が動転してきちんと受け答えできない事も少なくありません。しかし、必要な事は明確に伝えないと受診がスムーズに行われません。

落ち着いて子供の症状を伝え、持病がある場合には病名とかかりつけ医を伝えることも忘れないようにしましょう。

救急車の必要性は?
たとえば、緊急性のない症状の場合や自分で病院に行けるような場合は、なるべく救急車の利用は避けて自分で病院へ行くのが望ましいです。

救急車を呼ぶ前には、緊急性があるのか、本当に必要なのかどうかを考えてみましょう。

夜間・休日に診療を要する緊急時は?

緊急で診てもらいたい時に、病院が開いていないという事も少なくありません。夜間や休日に緊急で受診が必要となった場合、次のシステムを利用してみましょう。

救急医療情報をネットで見る
救急医療情報や近くの医療機関をネットで調べたい時は、各都道府県の自治体が公開する医療情報をまとめたページを集めた「広域災害・救急医療情報システム検索」を利用しましょう。住んでいる都道府県を選択し、医療機関を検索すると近所の医療機関を探すことができます。

救急医療情報を電話で聞く
小児科医師や看護師から、子供の症状に応じた適切な対処の方法を知りたい時、受診する前にアドバイスを受けたい時は、「#8000」をダイヤルすることで住んでいる都道府県の窓口に自動転送され、直接相談をすることができます。なお、受付時間は自治体によって異なります。

まとめ
子供に突然異変が起こったら、親としては心配のあまり慌ててしまうのもおかしくありません。だからこそ、子供の様子がおかしい時にどうしたら良いかをあらかじめ把握してことで、緊急事態でも落ち着いて対処することができるようにしておきたいですね。

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