【医師監修】小児の歯科矯正は早い方が良い? 矯正治療の方法・相場は?

子どもの歯並びが悪いと感じた時、歯医者さんで矯正した方が良いのか悩むママも多いはず。治療に長い期間がかかったり、多額の費用がかかるイメージがある歯科矯正ですが、始めるならば早い方が良いのか気になりますよね。今回は、子供の歯科矯正のメリットや方法、費用などについてご紹介します。







この記事の監修ドクター

長澤彩先生

デンタルオフィス新宿勤務。当院では諸外国の患者様、そのお子様も多く来院されています。小児の矯正、またマウスピース矯正も行ってますのでご相談ください。女医+(じょいぷらす)所属。
http://www.magicaldental.com/
子どもの歯科矯正って必要?

まず、歯科矯正が必要と考えられるのはどのようなケースなのか気になるところ。また、治療を受けるならば早い方が良いのでしょうか。まずは、治療が必要とされる歯並びの例や子供の歯科矯正のメリットについて説明します。
歯科矯正が必要となるパターンって?
悪い歯並びといっても、ケースは様々。それでは、具体的にどのようなケースがあるのでしょうか。

まずは、上の前歯が強く前に突き出てしまっていたり、上顎全体が前方に出てきてしまっている状態。いわゆる、出っ歯のケースです。このケースは、口が常に開いている状態になりやすいのが特徴。そのため、口内が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。さらに、状態によっては食べ物を適切に噛むことが難しくなるため、成長を妨げてしまう恐れも考えられます。また、出っ歯は外見にも影響を及ぼしやすく、精神的な負担を抱えてしまうことも少なくありません。

出っ歯に対し、受け口も歯科矯正が必要とされます。これは、下顎全体が前に出てしまっていることなどから下の歯が上の歯の前に出てしまい、かみ合わせが反対になっている状態で、反対咬合(はんたいこうごう)と呼ばれるケースです。受け口だと、奥歯が虫歯になりやすくなるほか、発音が上手にできなくなるという難点があります。

そのほかには、奥歯を閉じた状態にしているにも関わらず、前歯や横側の歯の上下に隙間ができてしまい、きちんとかみ合わせることができないケースもあります。これは開咬(かいこう)と呼ばれる状態です。舌を前に出す癖で起こることも多いため癖の除去も併行して行います。この状態では、かみ合わせがずれてしまっているため、前歯で物を噛み切ることはできません。また、物をかむときに使う筋肉である咀嚼筋(そしゃくきん)に通常よりも負担がかかりやすく、顎関節症を引き起こすリスクも考えられます。

歯科矯正によるメリットは?
それでは、歯科矯正をすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、虫歯や歯周病になりにくくなること。歯並びが悪い状態では歯が磨きづらく、どうしても磨き残しが出てきてしまいます。そのため、さまざまなトラブルの原因になってしまうのです。

また、歯並びを改善することは滑舌を改善することにもつながります。歯並びが悪い状態は、特にサ行やタ行がうまく発音できないなどといった事があるのです。そのほかにも、顎と肩の筋肉バランスを整えたり、外見上のコンプレックスが解消されたりといったメリットもあります。

歯科矯正は早い時期にした方が良い?
歯科矯正には様々なメリットがありますが、受けるタイミングは早い時期の方が良いのでしょうか。

子どもの歯科矯正の目的は、歯並びを整えることのほかに顎の発育を整えるという目的もあります。顎の発育がきちんとされないと、咀嚼だけではなく滑舌や顔の形まで悪くなってしまうのです。

子どもの場合、成人とは違って成長発育をしている段階です。そのため、この時期に歯科矯正治療を開始した方が良いと考えられます。子どもの場合には上下の顎の骨のバランスを整えやすく麻酔や手術なしで矯正が可能ですが、成人してからでは手術が必要になってしまう場合があるのです。永久歯に生え替わる6~10才頃矯正を開始することが多いですが、年齢が低いほど骨が柔らかく痛みも少ないといわれています。

そのほかにも、歯科矯正治療を始めることは、定期的に口の中の管理をすることになります。そのため、子供の時期から虫歯や歯周病などの歯科疾患の予防ができるというメリットもあります。

子どもの歯科矯正の方法は?

歯科矯正治療とひとくくりに言っても、方法は様々。次は、歯科矯正の治療方法の種類をご紹介します。

ブラケット矯正
ブラケット矯正とは、歯1本1本につけたブラケット(装置)をワイヤーでつなげる方法で、プラスチック/セラミックブラケット、リンガルブラケット、メタルブラケットといったタイプがあります。

プラスチック/セラミックブラケットとは、ブラケット部分がプラスチック製またはセラミック製のタイプ。プラスチック製の場合は価格が抑えられ、セラミック製は外見的に目立ちにくいというメリットがあります。

リンガルブラケットとは、歯の裏側に矯正装置をつける方法です。表側からは見えづらいので、周囲から気付かれずに矯正治療を行うことができるのがメリットです。一方で、矯正を始めたばかりの頃には舌が装置にあたる違和感が気になったり、発音がしにくくなるというデメリットもあります。

メタルブラケットとは、金属性のブラケットを歯の表側に接着するタイプです。ブラケットが金属製であることから見栄えが良くないのが欠点ですが、丈夫さには優れているため多くの症状に対応することができるほか、比較的安価であるために治療費を抑えることができるメリットがあります。

また、アメリカで開発された技術として、デーモンシステムと呼ばれる方法もあります。これはブラケットとワイヤー部分にこだわり、摩擦抵抗を極限まで小さくして歯により負担をかけずに矯正できる技術です。矯正にもっとも適した力を歯に加えるため、矯正による痛みや刺激も軽く、治療期間も短くすみます。

取り外しができる装置による矯正
ブラケット矯正は歯に装置を接着するため、自分で取り外すことはできませんが、歯科矯正にはマウスピース矯正という取り外しができる矯正装置を使う方法もあります。マウスピース矯正ではブラケットやワイヤーを使用せず、マウスピース型の装置を使います。そのため、食事中など自分の都合に合わせて自由に取り外すことができるのです。

用いるマウスピースには、わずか0.5ミリほどの薄さで透明な素材のインビザラインと、定期的に少しずつ形を変えたものに変化させながら矯正を図るクリアアライナーの種類があります。

いずれも、対応できる症状が限定されてくるほか、自由に取り外せる反面で理想とされる1日10時間着用といった指定された装着時間を守らなかったりした場合に思い通りに治療が進まないことがあります。
必要となるメンテナンス
歯科矯正で気になるのは、矯正期間中に必要となるメンテナンス。

まず、矯正装置をつけている間は、こまめに歯みがきを行っていてもどうしても歯と装置の間にみがき残しが発生しやすくなります。そのため、普段よりも念入りにブラッシングをするように心がける必要があります。汚れに気付きやすくするためには、染め出し液を活用してみるのも良いでしょう。

また、常に装置が歯に接着している状態から、口内では頬の内側に傷がついたり歯が動かされる際に痛みを感じることもあります。口内が傷ついた場合には、必要に応じて塗り薬を使用しましょう。歯の移動による痛みの対処方法は残念ながらありません。個人差はありますが、歯の痛みは自然に解消するケースがほとんどなので、慣れるのを待ちましょう。

矯正治療にかかる費用って?

歯科矯正といえば、高額なイメージがありますよね。それでは、実際にどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。次は、歯科矯正にかかる治療費について説明します。

健康保険は適用しない
まず、歯科矯正は基本的に健康保険は適用されません。そのため、費用は全て自己負担となります。

ただし。顎の骨の大きさや形のバランスが崩れてしまうことで引き起こる顎変形症などの疾患が認められた場合には保険適用されることがあります。

相場は年齢によって異なる
それでは、歯科矯正の治療にかかる金額は具体的にどれぐらいなのでしょうか。

相場は、乳歯のみの状態の場合は、3万円〜20万円、乳歯と永久歯が混合している状態の場合は、15万円〜60万円、全て永久歯に生え揃っている場合では、50万円〜130万円ほどとなっています。やはり、矯正治療にかかる費用は時期によって大きく変わってくることが分かります。矯正を始めるタイミングが遅くなれば、それだけ費用も高額になってくるのですね。

また、矯正費用は時期のほかにも症状や矯正の方法によっても大幅に変動します。医院できちんと相談の上で決めていきましょう。

ローンの利用も可能
歯科矯正を行うには、まとまったお金が必要になることが分かりました。早い時期に行うのが望ましいとされていても、経済的な負担からなかなか決断できないという人も多いですよね。

実は、歯科矯正ではローンを利用することもできるのです。ローンの種類はクレジットやデンタルローンなど様々なものがあり、審査を行わなくても利用できる場合もあります。ただし、総額は分割回数によって金利が変わってきたりするため、そのあたりをよく比較検討した上で決めていくことは心がけておきたいところです。

場合によっては医療控除の対象に
歯科矯正も、ケースによっては医療控除が適用され、所得税の一部が戻ってくる可能性があります。

たとえば、かみ合わせが悪いために機能的な問題があり、矯正が必要であると医師から判断されたケースなど。また、矯正治療にかかった費用の総額と通院のための交通費の合計が年間で10万円を超えた場合にも、医療控除の対象となります。申告する時に備えて領収書などは捨てずに管理しておきましょう。

矯正治療において心がけたいことは?

矯正治療を始めるにあたり、注意しておきたいことはどんなことでしょうか。次は、矯正治療を始める・行うにあたって心がけておきたい事についてご紹介します。

医院はきちんと選んで
矯正治療を始めるには、まず適切な医院を選ぶことが大切。検査をする前の段階で、診療システムや抜歯の可能性、期間、費用などといった部分を分かる範囲内で大まかに説明してくれるかどうかや治療前にレントゲンや歯の模型などの必要な資料を整えた上で検査や分析、診断を行い、治療方針について丁寧に説明してくれるかどうかで見極めていきましょう。また、治療をするかどうかを迷っているなどの場合に、無理に勧めたりしないかどうかもポイントです。病院のホームページに矯正の治療前後の写真を症例ごとに掲載しているかも選ぶポイントになります。

また、子どもの歯科矯正では、できれば小児歯科や矯正歯科の専門医または認定医であることが望ましいと考えられます。しかし、現実には専門医の数は限られているため、最終的にどの歯科医院で矯正治療を受けるかについてはやはり治療相談を受けてから、慎重に判断することが必要となってきます。

歯の手入れの補助
矯正装置が歯に付いた状態は、特に装置の周辺は汚れやすく磨きにくくなります。歯間ブラシやワンタフトブラシを使って、ていねいに磨いていくことが重要になってきます。子どもによる手入れだけでは不安な場合には、歯磨き後の状態をチェックしてあげたりなど、歯のお手入れの補助をしてあげましょう。

矯正装置の衛生を保つ
取り外しができる矯正装置を使用している場合には、矯正装置の手入れも重要。定期的に洗浄し、清潔を保ちましょう。

不安・不満の解消に努める
矯正治療の間は、見た目のコンプレックスや痛みなど、子供にとってストレスになる要素がたくさんあります。途中で嫌になってしまうことのないように、親として不安や不満をきちんと聞いて受け止めてあげるようにしましょう。

まとめ
歯列矯正が必要な場合、子供自身の負担面や費用面を考えてもやはり成長段階の子供の時期に治療をしておく方が良いようです。治療の際には、医院に相談しながら、どのような方法が子供にとって良いのかなどを考えて決めることが大切です。また、治療中には親としてのサポートも欠かさずに。

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