部位別のヘルペスの症状とは

ヘルペスとは、ヘルペスウイルスに罹患することによって起こる、湿疹や水ぶくれなどを主症状とする病気です。口元にできる「口唇ヘルペス」や性器などにできる「性器ヘルペス」が知られていますが、この「性器ヘルペス」は、他の部位にできるヘルペスよりも強い症状が出る場合があります。ここでは、ヘルペスの症状や治療法、性器ヘルペスとその他の性感染症との違いなどについてお伝えします。


ヘルペスの症状

ヘルペスは皮膚や粘膜に湿疹や水ぶくれができる病気ですが、できる部位によって症状が大きく異なります。また、いずれも原因となるヘルペスウイルスが神経節に潜伏するため、免疫力の低下などをきっかけに再発する可能性が高いです。
口唇ヘルペスなど上半身のヘルペス口唇ヘルペスの主な症状は、口元にできる湿疹や水ぶくれです。口唇ヘルペスなどの上半身のヘルペスは、顔にある三叉神経節に潜伏したヘルペスウイルスが増殖することにより症状が起こります。はじめは違和感やかゆみなど、前駆症状と呼ばれる症状が現れ、徐々に赤みが出て数日以内に湿疹や水ぶくれができます。できた水ぶくれは10日から2週間程度で治まります。
性器ヘルペス性器ヘルペスは、腰にある仙骨神経節に潜伏したヘルペスウイルスが増殖することによって起こります。性器ヘルペスの症状は、初感染の場合と再発の場合とで異なる事が多いです。
性器ヘルペスに感染し、初めて症状が出た際は、再発のときの症状やその他のヘルペスの症状と比べ、非常に強い症状が出ることが多いです。陰部に湿疹や水ぶくれができるのはその他のヘルペスと同様ですが、突然違和感やかゆみが強い痛みに変わります。痛みの度合いはかなり強く、歩行や排尿が困難になってしまう場合もあります。また、それだけにとどまらず、高熱が出たり、鼠径部のリンパが腫れたりすることもあります。このように重症化してしまうと、入院の措置が取られる場合もあります。
再発の場合は、口唇ヘルペスなどの上半身のヘルペスと同じような症状で済む場合がほとんどです。高熱が出たりすることもなく、日常生活に大きな支障が出ることも少ないでしょう。


性器ヘルペスと間違えやすい病気

性器のかゆみなどを引き起こす病気は、性器ヘルペスの他にもたくさんあります。性器ヘルペスと混同しやすい病気についても知っておきましょう。
性器カンジダ症性器カンジダ症は、酒かすのような粘性のおりものや陰部のかゆみを主症状とする病気です。原因となるカンジダ菌は皮膚や粘膜によくいる常在菌の一つで、日頃は体に悪影響を与えるようなことはありませんが、疲労やストレスなどで免疫力が低下した状態に陥ると、性器カンジダ症のような炎症を引き起こす場合があります。
特に、抗生剤を服用した場合に、常在菌のうち細菌のみ殺菌され、バランスを崩しカンジダが増えるため、性器カンジダ症が発症しやすいといわれています。
トリコモナス膣炎トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫という寄生虫が原因となる病気です。トリコモナス原虫は通常、粘膜の表面に寄生し、膣内にあるグリコーゲンなどの糖分をエサにして増殖します。
トリコモナス膣炎になると膣内に炎症が起き、強いかゆみが発生します。また、トリコモナス原虫が増殖することによって常在菌のバランスが崩れるため、おりものによる自浄作用が正常に働かなくなります。その結果、おりものから悪臭がしたり、おりものが黄色みを帯びたりするなどの症状が出ることも多いです。
コンジローマコンジローマは、「HPV(ヒトパピローマウイルス)」による性感染症です。発疹ができる点はヘルペスと同じですが、湿疹や水ぶくれとは異なり、鶏のトサカのようなイボができます。かゆみをともなうこともありますが、ヘルペスのように歩行が困難になるほどの痛みが出ることはありません。放置するとイボが大きくなったり、数が増えて範囲が広がってしまう場合もあります。


ヘルペスの検査方法

ヘルペスの診断は視診と検査で行います。視診では、ヘルペスの病変の様子を実際に目で見て確認します。検査では、水ぶくれができている箇所から細胞を採取して調べたり、血液検査の数値を確認したりして、ヘルペスに感染しているかどうかを判断します。口唇ヘルペスの場合は皮膚科、性器ヘルペスの場合は、性感染症内科、婦人科や泌尿器科で検査を行うことが可能です。


ヘルペスの治療法

口唇ヘルペスの治療法口唇ヘルペスの治療は、初感染・再発どちらの場合も外用薬と内服薬を使用して治療を行います。外用薬も内服薬も、抗ヘルペスウイルス剤を使用する場合が多いです。症状が軽度の場合は外用薬のみで治療できるケースもあります。中程度の症状の場合は、外用薬と内服薬を組み合わせての治療となります。
性器ヘルペスの治療法性器ヘルペスの場合は、初感染・再発のどちらの場合でも症状が軽い場合、内服薬または内服薬と外用薬で治療するケースがほとんどですが、痛みが強く歩行や排尿に大きな影響が出ている場合は入院の措置をとり、点滴で抗ヘルペスウイルス剤を投与する必要がある場合もあります。
(この記事の監修: あおぞらクリニック 新橋院院長 / 内田千秋 先生)
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