性感染症の一種である淋病の原因や症状、治療について

性感染症の「淋病(りんびょう)」は、世界中で感染が確認されている病気で、日本でも80年代から現代に至るまで患者数が減少と増加をくりかえしています。ここでは、淋病の症状や治療などについて見てみましょう。


淋病とは

性感染症の一種で、正式には「淋病感染症」と呼ばれています。主に、性行為により発症しますが、1回の性行為による感染率はおよそ30%といわれています。性感染症の中では、性器クラミジアという性病に次いで感染者数が多いといわれています。
原因となっている菌自体の生命力は、日光や乾燥で死滅してしまうほど弱いのが特徴です。淋病は男性、女性ともに発症するリスクがあり、感染するとさまざまな症状を引き起こします。


淋病の症状

淋病による症状では、男女に限らず発症するものと、男性と女性で違うタイプの症状が出ることもあります。
男女共通の症状淋菌性咽頭(いんとう)感染男女共に近年増えており、淋病患者の10〜30%が咽頭による感染が確認されています。口を使った性行為により、のどに淋菌が入り込み炎症を起こしますが、自覚症状がないことが多いです。そのため、発見されにくく性器の治療完了後に再発する原因になりやすいとされています。
播種性(はしゅせい)淋菌感染症突然、全身に症状を引き起こす感染症で、発熱や関節痛などの症状を引き起こします。髄膜炎や心膜炎といった合併症を発症することもあります。
淋菌性結膜炎母子感染により赤ちゃんに発症するケースが多いとされています。だいたいは、感染してから12〜48時間で、一般的には片目に症状が現れます。主な症状としては眼が腫れるなどですが、重篤になると失明する危険性もあります。
淋菌直腸感染肛門に淋菌が入りこみ直腸に感染することで、痛みや出血、かゆみなどの症状を引き起こします。
男性の症状男性淋菌性尿道炎感染した翌日から一週間ほど経過してから、排尿時に痛みがでたり、膿のような分泌物が出たりします。
淋菌性精巣上体炎尿道炎が悪化すると、淋菌による感染が精巣にまで広がります。発熱や炎症、歩行が難しくなるほどの痛みを発症することもあります。淋菌性精巣上体炎は治療が終わった後も、無精子症になってしまうことがありますので、尿道炎の時点から早期の治療が求められます。
※無精子症の症状や治療法については『精子が見当たらない「無精子症」とは』の記事にて詳しく解説しています。
女性の症状子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)おりものが増える、生理でもないのに出血がある(不正出血)、子宮口付近で粘着性のある分泌物が出るなどの症状がありますが、自覚症状がないケースが多いといわれています。妊娠中の女性が発症すると、おなかにいる赤ちゃんに感染してしまい、結膜炎を発症する危険性があります。
骨盤内炎症性疾患子宮頸管から骨盤まで感染が広がり、発熱や腹部の痛み、炎症などの症状を引き起こします。悪化すると不妊症、子宮外妊娠、さらに、肝臓周辺にまで炎症が進行することで「肝周囲炎」になることがあります。


淋病の原因

淋病は、淋菌の感染により発症しますが、その原因は、キスを含む性行為がほとんどの原因とされています。性行為というと性器と性器がくっつく場合の感染をイメージしやすいですが、口や肛門からの感染もみられます。
淋病の予防のためには、コンドームの使用を徹底しましょう。ただし、高い予防率があるというだけで完全とはいえませんので、軽い気持ちでの性行為は避けましょう。とくに、不特定多数の人と性交渉をする風俗関係においては、感染者数が一般女性よりも2割も多いとされているため注意が必要です。


淋病の検査

男性の場合は、尿または、尿道の分泌液で検査し、女性の場合は、膣の中にある分泌液を調べる方法が一般的です。検査の方法は、主に下記の3種類があります。
検鏡法淋病の検査として、もっとも早い方法といわれています。とくに、男性の尿道炎の発見にはすぐれています。一方で、女性の子宮頸管においては、発見が難しいとされています。
核酸増幅法(PCR法、SDA法)PCR法は、菌の中にあるDNAの一部をコピーして増殖させることによって、検出度を高くする方法です。検出度は高いですが、のどの検査などでは、判定が厳しいものもあります。一方で、SDA法はのどの淋菌検査では、PCR法よりも高い検出度があります。
培養法培養法は、PCR法に比べると、保険がきかないことや、時間がかかるため、一般的にみると検査で使われることはあまりありません。しかし、PCR法で区別できない菌を調べることが可能なので、近年では、重要性が高くなってきました。方法としては、患者から摂取した菌を、培養して調べます。淋菌を培養させるためには、最適な二酸化炭素量や温度が必要なため、時間がかかる方法だとされています。


淋病の治療

淋病の治療は、経口抗菌薬や抗生物質などの注射、点滴での投与が一般的です。症状によって、回数や期間などが細かく異なるため、医師の指示に従いましょう。また、淋病に感染した場合は、パートナーの治療も必要になってきます。とくに、女性の場合では、感染したまま妊娠すると、胎児に感染する母子感染のおそれもあり、早めの検査や治療をおすすめします。
(この記事の監修: おおり医院 院長 / 大利昌久 先生)
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