【医師監修】子供が痛がる耳下腺炎の原因・症状・治療法まとめ

耳下腺炎は子供がなりやすく、おたふくもこの耳下腺炎の1種です。頬が腫れて痛み、熱が出る症状が特徴です。「原因、治療法は?」、「保育園はお休み?」、「病院は何科?」、「抗生物質や予防接種は有効?」など、気になる情報をお伝えします。







この記事の監修ドクター

わだ小児科クリニック 和田直樹先生

これまで30年余りの病院小児科での経験をいかして お子様の健康と病気全般を扱うクリニックにしてまいりたいと思っています。また背の低い子供の診療も積極的に取り組んでいきたいと思っています。
わかりやすい説明をモットーに子供たちの頼れるかかりつけ医をめざしています。日々お母さんたちが抱いている疑問や悩みについても気軽にご相談ください。
http://www.wadaclinic.com/
おたふく風邪とは違う? 子供に多い耳下腺炎とは

耳下腺炎は子供がかかりやすい病気で、流行性と反復性の2種類があります。
流行性と反復性の2種類がある耳下腺炎ってどんな病気?
耳鼻腺炎は耳の下にある耳鼻腺が炎症を起こしてしまう病気で、大きく流行性耳下腺炎と反復性耳下腺炎の2種類に分けられます。この2つは原因が異なるので、まずはどのタイプの耳鼻腺炎が見極めることが大切です。
子供がかかりやすい、耳下腺炎以外の耳の下が腫れる病気は?
耳の下のリンパ節が腫れた時、リンパ節炎か風疹の可能性もあります。

・リンパ節炎

リンパ節炎になると、耳の下が痛くなります。原因によって上頸部リンパ節炎、耳後部リンパ節炎、耳下腺リンパ節炎のいずれかに分類されますが、見た目だけでは判断できません。耳下腺炎とリンパ節炎を症状だけで見分けるのも簡単ではありませんが、耳下腺炎なら耳たぶの下あたり、リンパ節炎だと首の近くが腫れることが多いです。

・風疹

風疹になった時も耳の後ろから首まで、リンパ節が痛くなったり腫れる症状が出ることがあります。風疹なら顔と全身に発疹が出るので、比較的見分けやすいと言えます。
子供の耳下腺炎はうつる?

耳下腺炎にも何種類かありますが、一番多いのは流行性耳下腺炎、いわゆるおたふく風邪です。
子供の流行性耳下腺炎の原因と症状
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスに感染することで発症します。感染後2~3週間の潜伏期間を経て発症し、発熱や耳下腺、顎下腺の腫れ、唾液の量の減少といった症状が現れます。腫れているほっぺを押すと痛がります。唾を飲むだけでも痛みが生じるので、食べ物が飲み込みにくくなります。
流行性耳下腺炎の感染と保育園の登園について
流行性耳下腺炎はウイルスが原因で発症する感染症なので、保育園は休ませなければなりません。学校保健安全法でも、全身の状態が良くなるまで出席停止と定められています。大流行するのを防ぐために、必ずお休みさせて下さい。感染力が強いので直接接触しなくても飛沫感染で広がります。最短でも5日間は休ませることになるでしょう。
反復性耳下腺炎の感染について
同じ耳下腺炎でも、反復性耳下腺炎はうつりません。反復性耳下腺炎の原因は疲はっきりとはわかっていませんが、ウイルスではないので、感染症ではありません。本人がきつくなければ、保育園を休まなくても構いませんが、初期は反復性耳下腺炎と流行性耳下腺炎の見分けがつきにくいので受診は必要です。

病院では流行性耳下腺炎と反復性耳下腺炎の鑑別のために抗体価検査を行います。これは、ウイルス感染によって体内にできるムンプスIgM抗体やムンプスIgG抗体を調べる検査で、採血して検査します。これらの抗体が大きく増えていればムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎ではないかと判断されます。

再発を繰り返す原因は不明
なぜ反復性耳下腺炎になるのか、原因ははっきり分かっていません。アレルギーやウイルス感染などさまざまな可能性が言われています。2回目以降の発症では、片側の耳下腺だけ腫れる確率が高く、熱が出ないことも珍しくありません。中学生頃までには繰り返さないようになっていますが、ごく稀に成人になっても症状が出ることがあります。
子供の耳下腺炎の治し方・治療法

子供が発熱し、耳の下が痛いと訴えている時、見守る大人も辛いですよね。すぐに適切なケアを行うためにも、治療法について把握しておきましょう。
耳下腺炎の治療は何科?
子供の耳の下が腫れ、痛みを訴えている時は、何科に行けば良いのでしょうか。原因が分からない時は総合診療科に行けば、適切な診療科に回して貰えるのでご安心下さい。基本的には普段通っている小児科、耳鼻咽頭科か内科でOKです。
耳下腺炎の痛みに効く薬
残念ながら、耳下腺炎の特効薬はありません。従って、症状に応じて薬を処方されるだけです。抗生物質が処方されますが、病気そのものを治す目的ではなく、耳下腺、顎下腺の腫れをこれ以上こじらせないために使います。熱や痛みに対しては、アセトアミノフェンが処方されます。自宅ではできるだけ安静にできるよう、環境を整えてあげて下さい。
抗生物質は飲み切らないと大変なことに
耳下腺炎で受診した子供には、高確率で抗生物質が処方されます。抗生物質は副作用の問題などで「できるだけ飲みたくない」と、勝手に飲む量を減らしてしまう患者や、途中で飲むのをやめてしまう患者も少なくありません。けれど抗生物質は、処方された分、全部飲み切るのが重要です。中途半端に服用してしまうと、ウイルスや細菌が死滅しきらずかえって症状が悪化してしまう可能性があります。飲み切らずに耐性菌を増やしてしまうパターンも珍しくないので、きちんと飲ませてあげて下さい。
予防接種の耳下腺炎への効果
流行性耳下腺炎は予防接種で予防が可能です。流行性耳下腺炎は特効薬がなく、発症したら症状を薬で和らげることしかできません。後遺症が残る合併症もあるので予防接種はぜひ受けるようにしましょう。予防接種は2回受けるのが理想です。1歳で1回、その2~6年後に2回目を受けるのがおすすめです。
・予防接種の副作用について
流行性耳下腺炎の予防接種を打ったあと、どのような副作用が起きる可能性があるのでしょうか。軽いものだと、打ってから24時間以内に注射した場所が痛くなります。10日以上経過してから微熱が出たり、頬が腫れたりすることもあります。副作用で特に怖いのは、無菌性髄膜炎です。0.03%~0.06%と極めて低い確率ながら、無菌性髄膜炎を発症する可能性があります。無菌性髄膜炎の症状としては発熱や頭痛、嘔吐などがありますが、無症状の場合も多くあります。
再発を防ぐために家庭でできる対策
耳下腺炎は、死亡リスクや後遺症リスクは高くありませんが、頬が腫れ発熱している子供は辛い思いをします。感染力が強いのでうつされてしまったのは仕方ありませんが、再発して反復性耳下腺炎になるのは避けたいですよね。再発予防には、普段の食事も工夫しましょう。とにかく口の中が不衛生にならないよう気をつけて下さい。また、食べ物は普段から固いもの、しょっぱいものは控えた方が良い、という医師もいます。すっぱいものは賛否両論で、「避けるべき」と言う節もありますが、「唾液がよく出るからおすすめ」と真逆の意見もあります。
まとめ

子供がなりやすい耳下腺炎はいくつかの種類に分類されますが、いわゆるおたふく風邪は流行性耳下腺炎に分類されます。おたふくはウイルスが原因で発症する感染症ですが、大体1回発症すれば再発しません。症状がぶり返すと、反復性耳下腺炎と診断されます。いずれにしても特効薬はないので、抗生物質などでこじらせるのを防ぐしかありません。ごく稀に合併症を引き起こし、難聴などの後遺症が残ることもあります。ムンプスウイルスによる後遺症、ムンプス難聴は1000人に1人ほどの割合で認められると考えられており、幼少期に聴力を失う原因のひとつとなっています。合併症を引き起こすムンプスウイルスから子供を守るためにも、1歳になったら予防接種を受けさせるようにしましょう。

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