園子温「30代が金をかけるべきは“ネタになる体験”」

『愛のむきだし』(2008年)、『ヒミズ』(2012年)など多くの話題作を監督。自ら立ち上げたシオンプロダクションのオリジナル第1作として『ひそひそ星』を今年5月に公開した映画監督の園子温さん。

映画というと、たくさんのスタッフを動員することももちろん、巨額のお金を扱う仕事だ。そんな映画制作のトップに立ち、第一線を走る彼の金銭感覚とはいかなるものか? 実は「服や車などには興味がなく、基本的には体験にしかお金を使わない」と語る。

●日本人の若者はもっと海外へ目を向けるべき

「今の若い人たちは、財産を残すとか考えないで、もっとお金を使ったらいいんじゃないかって思います。だって、30代くらいって、一番体も動いて恋愛も楽しめて、そんな最も活性化されている時期に、『貯めろ、貯めろ』ってばっかり言ってたら人生が全然楽しくないじゃないですか」

さらに映画の仕事で世界を飛び回る園さんは、海外と日本の若者を比べて気になっていることがあるという。

「最近、日本の若い人で『海外旅行をしたことない』っていう人がすごく多いような気がするんです。仕事で海外に行くと、特に中国とか韓国とかアジアの国では若いうちに多くの人が留学を経験していて、英語もしゃべれることが多い。留学とまではいかなくても、日本人ももっと早いうちに海外旅行を体験するといいと思うんですよね。海外を体験する、世界を知るっていうことは、バイトをしたり、節約をしたりしてお金を捻出してでもやるべきことだと。やっぱり、ここぞということにはお金を惜しまないようにしないと、生きていても面白くないでしょ」

●痛い失敗も、後々いい経験に変わる
「20~30代で財産を残すとかあんまりそういうことは考えなくていい。もっとお金を使うべきだと思うんだけどね」

特に20~30代の体験は「何にも代えがたい財産になる」と園さん。

「例えば、30代になって人に話せるトピックが何もないです…とか恥ずかしいでしょ。今のうちに人に話せる自慢話みたいなのをどんどん作っておくべきだと思うんだよね。海外に行くのが難しかったら、自転車で日本一周するとか。お金をそこまでかけなくてもできることはいくらでもある。そういう体験があるだけで、人の見る目は変わるし。女の子に興味を持ってもらうためだけに、日本一周するのだっていい。とにかくやってみないと」

そんな園さんの体験重視な生き方は、これまで繰り返してきた失敗から得られたものだという。

「その時は失敗したなと思うことでも、それによって培った経験が後になってすごく役に立つことってあるんですよね。僕の場合は、一度失敗しても諦めない。それどころか失敗したからこそもう一度挑戦しちゃうタイプ。それが僕のやり方なんで。だから若いうちは失敗を怖がらないで、どんどん挑戦してみればいいと思うんです」

●作りたいのはお金儲けじゃない映画。そのための新しい挑戦

今、お金を使ってみたいことは? との質問には「ハーバード大学が開発した若返りの薬(笑)」とのお答え。そんな尽きることない好奇心で、園さんが挑んだ新たなチャレンジが、自らのプロダクションでの映画制作。

「自分の会社で作りたい映画を作る。映画を志す人がみんな絶対にやりたいと思っている夢ですよ。今回の『ひそひそ星』も公開されなくてもいいから作りたかった作品で、作った後は、タイムカプセルに入れて地中深くに埋めちゃおうと思ってたくらい。映画会社が見向きもしないけど、絶対に作りたい、そんなお金儲けじゃない映画を作っていきたいんです」

石橋夏江(verb)=取材・文
花村謙太朗(URBAN NIGHT PICTURE Inc.)=撮影
(R25編集部)

※当記事は2016年12月01日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。
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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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R25 12/02

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