肝機能とは?肝臓の役割

日常生活で肝臓のことを思い出すのは、アルコールを飲み過ぎたときくらいでしょうか。肝臓は不調や痛みを感じにくいため、「沈黙の臓器」とも呼ばれる器官です。臓器の中で最も大きく、3分の2を切除してしまったとしても、半年後には元にもどるという驚異の回復力を持ち合わせています。
アルコールの解毒だけに注意が向けられがちですが、肝臓の役割はそれだけではないのです。肝臓の主要な働きについて見ていきましょう。


胆汁をつくり、消化を助ける

肝臓では、日に700〜1000ccほど胆汁が生成されます。胆汁とは、脂肪の消化や吸収を助ける黄緑色の液体です。胆汁には「胆汁酸」といわれる酸が含まれていて、この酸が脂肪を乳化させ、身体への消化・吸収を助けているのです。
胆汁が十分でないと消化・吸収の量が落ち、十分な栄養素を体にとりこむことができなくなってしまいます。また、胆汁不足による消化不良が便を硬くし、便秘の原因となることもあります。


栄養素を加工・貯蔵する

食べ物から摂りいれた栄養素はそのまま体内に吸収することができません。ほかの物質に変えることで初めて可能になるのですが、その役割を肝臓が担っています。体内の化学工場ともいわれる肝臓は、入ってきた栄養素を化学変化させ、体に吸収できるような物質に変えます。まるで本当の工場のように、時期がくるまでは栄養素を肝臓内に貯蔵し、時期が来たら原料を加工して体へ送り出すという働きをしているのです。
たとえば、炭水化物に含まれるブドウ糖は、小腸から吸収された後肝臓に送られ、一度グリコーゲンという物質に変化し貯蔵されます。そして、栄養が不足したときなどに体の要求に応じて再度ブドウ糖にもどし、エネルギーの元として活用されるのです。また、肝臓は身体を動かすエネルギー元を貯蔵するだけでなく、アミノ酸を合成してタンパク質を作り、肉や骨、血液といった体を構成する組織も支えています。


毒を中和する

アルコールなどの解毒作用は、世間で最もよく知られている肝臓の機能でしょう。アルコールだけでなく、体内でタンパク質をつくりだす際に生成される毒性のアンモニアや有害物質なども、無害な物質に変えることができます。
しかし、解毒作用にも限界があるため、薬の呑みすぎやアルコールの多量摂取は肝臓を壊す原因となります。肝臓の不調は自覚症状が出にくいため、症状が現れたときはすでに手遅れという場合もあります。定期的な健康診断を行うなど、日頃からの注意が必要です。
以上が肝臓の主な働きですが、これが役割の全てではありません。先にも述べたように、肝臓は約500以上の仕事をこなしている非常に重要な器官です。くれぐれも、アルコールの飲み過ぎなどで酷使しないようにしましょう。

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