インフルエンザの症状(8)肺炎の症状と対処法

インフルエンザが直接、肺炎を引き起こすことはほとんどなく、その多くが二次感染によるものです。二次感染の仕方と、肺炎の予防ならびに対処法を紹介します。


インフルエンザが肺炎を起こしやすい理由

インフルエンザの主な症状は、高熱や筋肉痛、だるさ、咳などであり、重症化したときに肺炎を引き起こすことがあります。
インフルエンザウイルスに感染して、のどや気管などが炎症すると気道の防御機能が低下して細菌に感染しやすい状態になります。そこに常駐している「肺炎球菌」や「インフルエンザ菌」が肺炎を引き起こすのです。このインフルエンザ菌はインフルエンザウイルスとは異なり、健康なときにも鼻やのどに存在しています。最初にインフルエンザ患者から見つかったことから、こう呼ばれています。


インフルエンザとは

インフルエンザは「インフルエンザウイルス」が原因による感染症です。
その潜伏期間は2日前後がもっとも多く、長くても1週間以内には体調に異変が現れます。


ウイルス性肺炎の原因と症状、治療法

肺炎にはさまざまな分類方法があります。病原微生物による分類の場合は、「細菌性肺炎」「ウイルス性肺炎」「非定型型肺炎」の3つに分けられます。ここでは、その中のウイルス性肺炎について詳しく解説します。
ウイルス性肺炎の原因と症状ウイルス性肺炎は、その名の通りウイルスが原因となって炎症を起こしている肺炎です。もっとも多いのがインフルエンザウイルスで、その他には、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルス、SARSなどによっても引き起こされます。
症状は一般的な風邪の症状に続いて、激しい咳、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐などが現れます。ウイルス性肺炎は細菌の感染と合併しているケースが多く、比較的子供がかかりやすいことも特徴的です。生後5か月〜1歳を過ぎた乳幼児の肺炎は、その多くがウイルス性肺炎によるものと言ってもいいほどです。
集団感染などで子供がかかりやすいインフルエンザ。単独でも症状が重く、ただでさえつらい状況に肺炎まで併発させてしまったら大変です。インフルエンザが流行する時期は肺炎の併発も増えてしまいます。特に小さいお子さんや高齢の方がいらっしゃるご家庭はこじらせないように注意したり、事前のインフルエンザワクチン接種などで予防を心がけましょう。
ウイルス性肺炎の治療法ウイルス性肺炎は、原因となる抗ウイルス剤で治療する必要があります。インフルエンザウイルスが原因であれば、ウイルスを閉じ込めて繁殖を抑制するタミフル(オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)、イナビル、ラピアクタがあります。インフルエンザA型に限ってアプローチする、アマンタジンという薬剤もあります。
しかし、インフルエンザ以外のウイルスから発生した肺炎には、効果的な薬はありません。そのため残念ながらそのような場合は苦しい咳や高熱を緩和させるための対症療法や、うがいや手洗い、マスク、抗生物質の投与など二次感染を防ぐための方法で対応するしかありません。
下痢や嘔吐が続いたり、高熱がある時は、脱水症状を引き起こす可能性もあります。水分補給をしっかり行って、消化によく栄養価の高い食事をとり、安静に過ごしましょう。


インフルエンザで肺炎を合併しやすい人

大人と違って、まだ免疫力が弱い赤ちゃんや子供は、細菌やウイルスに感染しやすいので注意が必要。風邪をこじらせることも多く、肺炎になるリスクも高めです。いざという時のために、その症状や治療法について知っておきましょう。
赤ちゃん・子供がかかりやすい肺炎とは肺炎の原因は年齢によっても異なり、新生児の時にはB群連鎖球菌や大腸菌などが原因になり、1〜2歳になると、肺炎球菌やインフルエンザ菌、ウイルスによるものなどが多く見られます。
集団行動が活発になってくる2〜6歳では、肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて、マイコプラズマやクラミジアなどの感染も考えられます。学校へ行くようになると、マイコプラズマやクラミジアが主な原因とされ、原因となる細菌によって抗菌薬を投与する必要があります。
子供の肺炎の主な症状は、咳、発熱、多呼吸などです。
子供の場合は、風邪によってのどの粘膜にダメージを受けてしまうことで、常在菌の肺炎球菌やインフルエンザ菌などに感染しやすくなり、細菌性肺炎を起こしてしまうケースがあります。また、アデノウイルスやパラインフルエンザウイルス、麻しんウイルスなどウイルス性の肺炎に6か月以下の乳幼児がかかると、症状が急激に悪化しやすく、激しい咳や場合によっては呼吸困難やチアノーゼなどが現れることもあります。
マイコプラズマ肺炎は集団感染をする可能性が高いため、幼稚園や学校でマイコプラズマにかかった子供がいる場合は十分な注意が必要です。マイコプラズマ肺炎はレントゲンで細菌性肺炎と区別がつきにくいうえに、一般的な抗生物質も効かないため症状が長引いてしまった、というケースもあるのです。
治療方法や入院について赤ちゃんや子供は、まだ肺の機能が発達していないため肺炎になりやすいと言えます。熱や激しい咳が4日以上続いている時は、風邪だと思い込まずに肺炎を疑って病院や専門のクリニックへ早めの受診を心がけてください。
細菌性肺炎の場合、早期に抗生物質による治療を行うことで、すみやかに回復します。ウイルス性肺炎にも、細菌による二次感染を防ぐため、抗生物質が使われることがあります。
マイコプラズマ肺炎の場合は、一般的に使われるペニシリン系やセフェム系の抗生物質では、効果がないため、マクロライド系、テトラサイクリン系といった種類の抗生物質が使用されます。
抗生物質で治療が可能な細菌性肺炎や、比較的症状が軽いマイコプラズマ肺炎では、入院することは稀ですが、ウイルス性肺炎の場合は、状態によって入院となることがあります。
また、2歳以下の赤ちゃんの場合も、入院治療となることが多くあります。
通常、こじれていない風邪の場合、発熱しても3日ほどで解熱します。熱が4日以上続く場合は肺炎を起こしている可能性が考えられます。子供の熱が4日以上続くときは、その旨をドクターに告げ、肺炎になっていないかを調べてもらいましょう。


肺炎の予防と対処法

インフルエンザが原因の肺炎予防は、いわゆる風邪の予防に似ています。ウイルスは、くしゃみや咳といった飛沫感染と、電車のつり革やドアノブなどを触ることによる接触感染によって体内に入り込んできます。手洗いうがいと、不織布タイプのマスクを着用するなどして予防することが大切です。
また、インフルエンザの予防接種も有用です。懐疑的な意見もありますが、感染予防に役立つだけでなく、万が一、ウイルスに感染した場合でも重症化を防ぐことができます。


肺炎になりやすい方

これらの疾患や症状をお持ちの方は、肺炎を合併しやすいため注意が必要です。
・慢性呼吸器疾患(COPD:慢性閉塞性肺疾患、など)
・糖尿病
・慢性心不全
・肝硬変などの慢性肝疾患
・脾臓摘出などによる脾機能不全
・免疫不全
※疾患(しっかん)とはいわゆる病気のことです。


肺炎を合併したら

インフルエンザは本来10日前後で症状が落ち着いてきます。症状が出て5〜7日が経過しても、熱が下がらない場合や、咳などの症状が悪化してきたら、肺炎の合併を疑ったほうがよいかもしれません。早めにドクターへ相談しましょう。

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