1歳未満の乳児にもタミフル解禁 3種類の抗インフルエンザ薬を医師が解説

2016年11月末 厚生労働省の部会はインフルエンザ治療薬「タミフル」について1歳未満の乳児の使用を了承し、医療保険が適用されることとなりました。

タミフルといえば、服用後にベランダから転落するなど、因果関係が疑われる異常行動が2件続いたことで、2007年より10代の患者への服用が原則禁止されています(参考記事)。

今回は
・主な抗インフルエンザ薬の種類について(タミフル、リレンザ、イナビル)
・1歳未満の乳児にタミフル解禁となった背景
・1歳未満の乳児にタミフルを投与する場合に注意すべき点
などを医師に解説していただきました。

抗インフルエンザ薬1:タミフル

タミフルの効果


ノイラミニダーゼの阻害効果があります。

タミフル服用が適しているタイプ


現状1歳未満に唯一使える薬です。また、ハイリスクな人の予防にも有効です。

タミフルの副作用


頻度は低いものの以下のような副作用が起こる場合もあります。
■消化器症状
おう吐や吐き気、下痢や腹痛などを引き起こすこともあります。

■肝障害
肝機能に問題が出たという報告があります。

■皮膚症状
発疹や発赤などがあらわれる場合があります。

■幻覚や異常行動
因果関係が調査されているところですが、この報告から10代の患者さんには原則用いません。

抗インフルエンザ薬2:吸入薬リレンザ

リレンザの効果


タミフルと同じく、ノイラミニダーゼの阻害をします。

リレンザが適しているタイプ


自分での吸入が可能であること、またリレンザは粉末に乳タンパクが含まれることから、牛乳や乳製品にアレルギーがない人に有効です。

リレンザの副作用


頻度は低いものの以下のような副作用が起こる場合もあります。
■ぜんそく発作
もともとぜんそくをお持ちの方に発作を誘発する可能性があるといわれています。

■皮膚症状
発疹や発赤などがあらわれる場合があります。

■アレルギー発作
牛乳や乳製品にアレルギーのある人が誤って使用した場合に引き起こります。

抗インフルエンザ薬3:吸入薬イナビル

イナビルの効果


タミフル、リレンザと同じく、ノイラミニダーゼの阻害効果があります。

イナビルが適しているタイプ


1回の吸入で済むので薬を飲み忘れる可能性のある方や、吸入の手技に自信のない方も病院や薬局で1度使用すれば済むので安心です。吸入なので小さな子供は使えません。

イナビルの副作用


頻度は低いものの以下のような副作用が起こる場合もあります。
■消化器症状
下痢や悪心などを起こす場合もあります。

■肝障害
肝機能に問題が生じたといった報告があります。

1歳未満の乳児にもタミフル解禁となった2つの背景

主に以下2つの背景があると考えられます。

1:タミフル以外のお薬は静脈ルートの確保が必要であったり、自分で吸入することが必要であったりして乳児には使いにくい面がある

2:日本では乳児に対する国内の臨床試験は行われていないものの、米国や欧州では行われ、すでに乳児に使用されている



1歳未満の乳児にタミフルを投与する場合に注意すべき点
乳児の、特に月齢の低いころは母体からの抗体が機能していたり、一般に外出などによる感染の機会があまり多くないのでインフルエンザにかかりにくいこと、また、乳児は免疫力そのものが強くないといわれております。

タミフルの投与はそのメリット・デメリット、症状の重さなどを考慮したうえで、主治医と両親が十分に話し合い、納得したうえで投与することが大切と考えられます。

投与後にお子さんに副作用が現れた場合の対応

家庭で行う応急処置


投与後に普段と異なる症状が現れたら、すぐに服用をやめさせ、病院を受診します。お子さんから目を離さないようにしてください。

医療機関で行う処置


どのような副作用が現れたかによって異なりますが、呼吸の補助や、アレルギーを抑える働きのあるお薬の使用などが考えられます。



最後に医師から一言
インフルエンザは、本来、お薬を使わなくても自然経過で治ることの多いものです。

お薬の使用、特に小さなお子さんのお薬の使用に関してはよく主治医と相談の上、使用の有無を決めるようにしていきましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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