貧血の種類(3)巨赤芽球性貧血

貧血の原因は、単なる鉄分不足だけではありません。ここでは、病気によって起こる貧血のひとつである巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)について解説します。


巨赤芽球性貧血とは

骨髄の中には、赤血球になる前の赤ちゃん細胞「赤芽球」が存在します。通常は、この細胞が分裂を繰り返しながら、正常な赤血球がつくられていきます。この時スムーズに分裂するために、ビタミンB12と葉酸が深く関係しています。
しかし、ビタミンB12や葉酸が不足していると、細胞分裂がうまくいきません。赤血球になる前に大きくなってしまい、「無効造血」となって壊れてしまいます。それは赤血球だけでなく白血球や血小板も同じです。肥大化し無効造血となってしまい、血球が少なくなることから貧血が起きるのです。


巨赤芽球性貧血の主な症状

一般的な貧血の症状である動悸、息切れ、疲労感などに加えて、舌の表面がツルツルになることや、痛みを生じる舌の炎症、味覚の低下、食欲不振などがあらわれます。
また、ビタミンB12が不足することによって、手足のしびれ、知覚障害、歩行障害などが起こることもあります。ときには興奮しやすくなることや、意識が混濁する精神的な症状があらわれるケースもあります。


巨赤芽球性貧血の主な原因

血液の成長に必要なビタミンB12と葉酸は体内でつくられないため、食事からの摂取が大切です。通常、ビタミンB12は肝臓にストックされており、必要に応じて使用されます。しかし、胃の手術や胃炎が進んでいる方の場合、胃が委縮することで必要な栄養素を吸収できなくなってしまいます。胃を切除した方は、術後5年ほどで巨赤芽球性貧血の症状が起こりやすいといわれているため、定期的な検査をおすすめします。
一方の葉酸は、体内で蓄える量が少ないため、コンスタントに摂っていないと不足になりがちな栄養素です。葉酸は主に緑黄色野菜に多く含まれていますが、熱に弱く、アルコールによって吸収を妨げてしまいますので、摂取方法を工夫したいものです。また、妊娠、アルコール中毒などの状態にあると、ビタミンを大量に消費してしまいます。できるだけバランスのよい食事をベースに、ビタミンB12と葉酸を積極的に摂っていきましょう。

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