期間限定の愛人 完結編

服役囚を待つ女の、はかないひと時のラブアフェア…。 貴方は 期限付きの私の愛人…。

  • 記事数 240
  • 読者 151
  • 昨日のアクセス数 396

最終章 まほろばの光 1⃣

しおりをはさむ

2013/07/24 09:48:29

  • 2
  • 0

マキとの別れから 二週間程過ぎた頃、ルリの自伝的小説を綴る アメーバブログは、もうすでに 第4部まで進み、思い出すのが 極めて難しい 「家庭崩壊」の部分まで 来ていた。



愛人と別れ、仕事以外の時間 もはや 考えることも 無くなったルリにとって、コツコツと少しずつ書き綴るブログは、唯一の楽しみになってしまった。



シマが帰るまで、まだ あと一年近くある。


だが マキと別れた後、不思議と 心も身体も渇きは感じない。



自叙伝を書く…という、楽しみと出会ったことで、ルリは 心身ともに ようやく 普通の中年女の、平穏な日々を取り戻したのである。



シマとのジェットコースターの様に波乱に富んだ話より、さらに以前の離婚の経緯は、ルリの中では すでに 遠く忘れかけた記憶の彼方である。



けれども ルリは、その微かな記憶の引き出しから 古い写真を取り出して 一枚ずつ整理するように、毎日少しずつ 自叙伝を書きつづけた。



この頃、例のkaorinで潜入した mixiは、放置状態である。



もう一人のマキ、クレイジーからのメールも、最後の逢瀬の2、3日前に、ルリが 立て続けにメールをシカトして以来、 パッタリと 来なくなっていた。



( 他の女を 見つけたか…?
それとも、マキが 最後に言った 「浮気なんて、出来る状態じゃない。」と言う彼の言い訳は、 本当だったのか…?)



ルリは、2週間ぶりに mixiのマイページにアクセスし、クレイジーの過去の「あしあと」をクリックした。



しかし…!?
驚いたことに、マキのページはすでに消されていたのである…。



” このIDは すでに削除されたか、退会されています。”



何度 クリックしてみても、出て来るのは その表示だけだ。



マキは、いつの間にかmixiまでも 辞めてしまっていたのだ。



( やはり、あの別れの理由は 真実だったのだろうか…?)



あれほど ネットコミュニケーションに意欲的で、スタイリッシュなブログを書いていたマキが、すべてを辞めてしまうとは 考えられない。



確かに様々な悩みを抱えてしまうと、ブログを書く気力も無くなるのだろうが、マキのように 本音をなかなか言わないタイプは、特に落ち込んでいるのかもしれない。



別れた男に、一切連絡などしない主義のルリには、マキが現在どうしているのか、知るすべもない…。



それはマキも同じことで、あれから 習慣だった定時の電話も、もちろん無い。



ルリは、クールで いつもカッコよく輝いていた 男前のマキの姿を思い出していた。



( ウソなら 良かったのに…。)



ルリにとって、マキは 小憎らしい 女ったらしの遊び人だからこそ、魅力的な男だった。



もし彼が、 純粋で誠実なフツーの男だったら、ルリは あれほどまで マキにのめり込まなかっただろう。



だから、マキの 真面目で 貞淑な姿など、想像したくない。



ラブホテルで始まり、そしてまたラブホテルで終わった、マキとの短く刹那的な官能の日々は、シマを失い 寂しく落ち込んでいたルリの心と身体を、確かにみずみずしく蘇らせてくれたのだ。



けれどもマキには 、もう決して ルリの前に 現れて欲しくない。



遊び慣れた色男マキには、過去の女に情けなど、絶対にかけて欲しくない…と、ルリは願っていた。



( あのレベルの男には、今の私ごとき女では、二度とお目にかかれない…。
ふふふ…、思えば楽しい時間だった…。)

  

ルリは、セクシーなマキの横顔を思い出しながら、寂しく独り笑いをする。



そして、ふと脳裏に浮かんだ ポルノグラフィティの印象的な曲を、小さく口ずさんだ。



♪…まほろばの光を見て  焦がれる悲しき性(サガ)よ…
爆ぜては元の他人へと 恋にならない恋がいま 夜の静寂(しじま)に消ゆ…♪



都会のラブホ街で繰り広げられる 男女の刹那的な一夜限りの恋を、皮肉な歌詞と軽快なメロディーラインで退廃的に描いた、ルリの好きなポルノナンバーでも異色の曲である。



別れて他人になってしまえば、すべては 過去のはかない記憶だけである。



( これで、唯一残されていた マキとのヒミツの接点は、全部 失ってしまった。
もう私は、彼をそっと陰から観察することも、出来なくなったのだ…。)



ルリは、ほぉーっと 一つ 切ないため息をつくと、PCのアプリケーションを ゆっくりと閉じた。




最終話へ続く

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

関連するブログ記事

  1. 2009年 11月年末を目前に控えて、ルリは シマのいな...

  2. マキが 巨大サイトmixiに移ってから程なく、ルリが 彼と...

  1. 疑心暗鬼ほど、情けないものは無い。マキの 何気ない...

  2. マキちゃん。マキちゃんのブログまた読んでくる...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

12/10 編集部Pick up!!

  1. 姑に子の服装チェックされ息詰る
  2. 浮気疑惑と夫の発言で虚しくなる
  3. 節約する家庭にベーコンは無い

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3