期間限定の愛人 完結編

服役囚を待つ女の、はかないひと時のラブアフェア…。 貴方は 期限付きの私の愛人…。

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逃げる男 1⃣

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2013/07/17 09:04:59

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この日、マキとの電話は それだけでは終わらなかった。


彼は 突然、意外な事を 言い出したのである。


「 あ…、それからさ 実は俺、アメブロ 辞めようと思ってるんだよ。」


「 えっ…? 急に どうして? 」


強烈なダメ出しの後、たたみかけるようなマキの宣言に、ルリはさらに激しく動揺した。


「 マキさんのブログ 盛況じゃないの。
沢山 読者が付いてるし、楽しそうにやってたじゃない?」


「 まあ…読んでる人も、コメント付けてくれる人も、いつも同じだ 。
要するに アメブロに 飽きたってことだな。」


後で思い返せば、いかにもマキらしい 考え方だが、この時のルリには 納得が行かない。


せっかく仲良くなり、毎回コメントまで付けてくれる読者が居るのに、なぜ彼は そう簡単に辞めると言えるのか?


ルリには、マキの 冷淡な思考が どうしても理解出来ない。


「 それでさ、俺 mixiに ブログ移転しようと思っているんだよ。
あそこは コミュニティが盛んで 充実してる。
なんだか 楽しそうなんだよね。
実は、もう登録してあるんだ。」


「 ミクシィ…?」


…もちろんルリも知っている。


mixiは、メンバーの招待状が無ければ、登録はおろか 閲覧も不可能な 機密性の高いサイトである。
(現在のmixiは一般登録可能になっているが、2009年当時は招待制であった)


例えば ブログ公開レベルを、一般 許可メンバー 個人と 段階的に設定可能で、私的交流に重点を置いた、いわば 限りなく出会い系に近いSNSである。


現に、「 出会いは mixiのコミュニティでした…。」と言う不倫話を、アメブロで告白している人は たくさん居る。


要するにマキは、そんな機密性の高いサイトで、ルリにバレないように、新しい出会いを求めるというワケか?


「 ふーん、つまり 招待状を 誰かに貰ったって事ね。マキさん、それ 私にはくれないのね?」


ルリは、恥も外聞もなく そう口走っていた。


すると マキは、


「 ルリさん…は アメブロで お忙しいでしょう?(笑)
俺は 貴女はみたいに スゲー小説を書くわけじゃないから、楽しければ それでいいんだよ。
それに俺は、招待してくれた人のメンバーになってるから、いきなりルリを誘うと、その人に 貴女との仲を 疑われるかもしれないだろう?
mixiでは、友達の友達は皆トモダチ…みたいなシステムになってるんだよ。
今回は ご勘弁願いたいね。(笑)」


と、いともアッサリ拒否した。


マキの言葉には、ルリの実録ブログに対する 強烈な皮肉が 込められている。


よくもまあ 好き勝手に俺の事を書いてくれたもんだ…と 言う、口には出さないマキの本音が、聞こえて来るようである。


しかし、彼の意地悪なセリフは、ルリの心に 開き直りの闘志を、逆に湧かせる。


こういう状況になっても、「もう貴方のことは書かない。あんな曝露記事を書いてごめんなさい…。」と、ルリは どうしても言えないのだ!


「 …そう? マキさん 辞めるのね。それじゃ私はもっと書きやすくなるわね。だって貴方はもう 、アメブロは読まないんでしょうから!」


つい 切り口上に ものを言ってしまうルリに、マキは バカにしたように 笑いながら 返した。


「 アハハ…そう怒るなよ。ブログは辞めるけどIDだけは残して、貴女のブログは 続けて読ませて頂きますよ。
だって、アメンバーですからね!
俺はこれでも、ルリさんの 隠れファンなんですから~(笑)」


こうして、その日 マキの 電話は切られた。


この夜から、ルリは さらにマキへの 不毛な執着に苦しめられていた。


( マキは既に、私への興味を失いかけている。 いや、興味どころか こうして 迷惑なブログを書く私から、逃げたいのではないか?
私は 嫉妬深い。そして 自由奔放なマキを、束縛しようとするイヤな女だ。 もしかしたら、mixiの招待状をマキに送ったのは、N美ではないか?)
 

”マキさま~♪ N美と一緒にmixiやりません?
2人で楽しくラブラブメッセ交換いたしませう~о(ж>▽<)y ☆”


そんなN美の、吐き気がするようなアホ文章と顔文字が目に浮かぶ。


全く理解不能な、気まぐれ男マキの言動によって、ルリの ネガティブ妄想は果てしなく広がって行く。


( いいわ…。マキが そのつもりなら、私にも やり方がある。私のブログは、彼にはもうどうせ読む価値も無いんだろうから…!)


そして、あらぬ妄想に疲れ果てたルリは、ついに ある事を 決断するのである。


次話へ続く

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