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『明日のきみ。昨日のわたし。』

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ゴッドファーザー

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2018/06/15 21:25:04

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要一郎。



愛菜?どうした?調子悪いのか?





ううん、悪くない。




むしろ、調子はいいよ。



『そうか、良かった、今日、肌寒いし、雨だから、心配してたんだよ』




ありがと。
今から、会える?



『え?今?今は、出先なんだよ、赤羽。
もう少しかかるんどけど…。大丈夫?』





うん。ちょっと会いたい。
信濃町に…。居てもいい?





『うん、いいよ。なるべく早く行くよ。
あったかくして来いよ、エアコンしかないんだ、あの部屋』




うん。分かった。上着、来ていく。







正午、息子は大学に行った。

私は、ストレートアイロンで髪を伸ばし、出来る限りのお化粧をし、ガーターベルトを付ける。




最小限のアクセサリーを付けて、久しぶりにヒールの靴を履く。ゆるい。
足が痩せて、靴がみんなゆるくなってしまった。
歩きにくいけど、仕方ない。



全身が映る鏡の前に立つと、鎖骨、貧相なデコルテ、
何も魅力がない。




自虐的な気持ち。

こんな身体でも、要一郎は抱いてくれるかな。


まだ、夫が天国に旅立って、40日しか経っていない。



神様はなんて言うだろうか。



電車は、容赦なく、信濃町の駅に着く。


黒い傘をさしてうつむいて歩く。


やっぱり地面が無い。


空中を歩いてるみたい。



信濃町のアパートの部屋は、冷え切っていた。



ガスの詮を開き、やかんでお湯を沸かす。


カップとインスタントコーヒーはあるはず。


エアコンのスイッチを「暖房」にして、


最初だけ、強風で温める。



指先と、脚先が温まったら弱にしよう。




お布団を敷いて、ブランケットを膝にかけ、




テレビをつけると、




ゴッドファーザー。





城がDVDを持っていて、いっしょに観た。



吹き替えだと、まったく雰囲気が出ない。


Amazon Primeにして、字幕で観よう。




夕方、雨模様だから部屋が薄暗くなった。


カーテンを閉めて、要一郎を待つ。









『愛菜、ごめん、ごめん、なかなか終わらなくて。


寒くないか?



カフェラテ、ココア、どっちがいい?』







右手にラテ、左手にココアを持った要一郎に、








私は正面から抱きついた。



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