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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2018/05/18 18:05:47

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桐生院家のために、誓君とは別れた方がいい。

そう思ったはずなのに…

あたしは、病院に行った事を誰にも言えずにいた。

少しでも若い内に別れて…誓君には、違う女性と結婚して…子供をもってもらった方がいいに決まってる…

今…あたしの事を家族だって言ってくれてるみんなも…

…あたしが子供を産めないと知ったら…離婚には賛成するはず…


教室の帰り。

あたしは寄り道をしたいから。と言って、一人で表通りを歩いていた。

「…はあ…」

出したくなくても、溜息が出てしまう。

…妊娠は諦めざるを得ない。

視野も心も狭いあたしには、『離婚』という結論しか持てなくて。

それなら…それに向けて、一日も早く決断をしなくちゃいけないって…思うのに…

ここでもまた、あたしは自分でもじれったいぐらい…動く事を怖がっていた。


「……」

足が止まる。

ふと視線を上げた通りの向こうに、お義兄さんとお義姉さんと…ノン君がいたからだ。

「……」

その光景は、家でも見てるはずなのに…

外で見ると、より一層…憧れが増した。

…親子。

あたしは…誓君とは夫婦だし家族だけど…

子供を産んで『親子』って形を作り出す事が出来ない。


キュッと唇を噛みしめる。

家族にすら嫉妬してしまう自分。

こんなあたし…あの家にいる資格もない…


「お嬢さん、お茶でもどうですか。」

すごくしかめっ面をしてる所に、声を掛けられてハッとする。

声のした左側を向くと、首を傾げて優しく微笑む高原さんがいた。

「あ…」

今の…見られた…!!

そう思うと恥ずかしいやら気まずいやら惨めやら…ぐちゃぐちゃになった色んな感情があたしを襲って来て。

「し…失礼します…!!」

あたしはその場から逃げ出そうと…

「待った。」

…逃げられなかった。

「裏通りにパフェの美味しい店があるらしい。付き合ってくれるかな?」

「……」

「よし。行こう。」

「え…っ。」

行くって言ってないのに!!

高原さんはあたしの手首をやんわりと掴んだまま、歩き始めた。


「じじい一人じゃ行きにくいから、ちょうど良かった。」

「……」

目の前に、フルーツパフェ。

あたしはうつむいたまま…膝に置いた自分の手を見つめる。

高原さん…あたしの嫌な顔見たはずなのに…

…なんで…

優しくするの…?


「…乃梨子。」

「…は…い…」

呼ばれたけど…顔が上げられない。

下を向いたまま返事をする。

…何か言われるのかな…

家族の幸せな光景に…嫌な顔してたあたし。

そんな所見たら…説教の一つぐらいしたくなっちゃうよね…

高原さんは…

お義姉さんの…本当の父親…だし。

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コメント2

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  1. マコトさん(30歳)ID:6695868・2日前

    なっちゃんが説教なんてするはずなし!!

  2. マリアンさん(50歳)ID:6695824・2日前

    なっちゃんマジック発動!

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