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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/13 10:14:36

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「…うん…実は…千里の様子が…」

「千里さん?」

母さんは眉をひそめて何か考え事を始めて。

だけど次の瞬間…

「ライヴ前だし、里中君のスパルタにやられてるからじゃない?」

少し意地悪そうな笑顔になって、そう言った。

「…千里がスパルタにやられちゃうかなあ?」

言い返すイメージの方が強いけど…

「まあ…環境が変わったから、そういう症状があっても不思議じゃないかもしれないけど、大丈夫だよ。きっと。」

「…でも…アズさんといつからの付き合いだったかって考えると…真っ白になるって言うの。」

「……へえ。」

「何だか…心配…」

あたしと母さんが廊下で話してると。

「何そこでコソコソ話してんだよ。」

大部屋から、聖が顔を覗かせて言った。

「あ、はいはーい。」

母さんは元気良く返事をして。

「千里さんの事は心配かもしれないけど…大丈夫。きっと彼なら…色んな事、乗り越えてくれるよ。」

母さんはそう言って、あたしの背中をポンポンと叩いた。

「…うん…」

あたしは…あたしの出来る事をしよう。

時間があれば、ごはんを作って…

千里がしてほしい事で、あたしが出来る事なら…

無理をしないって決めて、頑張ろう。

二人でダメになるわけにはいかない。

そして…

もっと、千里を知らなきゃ…。


母さんに引かれて大部屋に入ると、一斉に『おかえりー』と声をかけられた。

「…ただいま。」

あたしは鞄を置いて手を洗うと、みんながそれぞれ何かをしてるのを見渡して…

…そう言えば、今日のスーパーで会った『小田切』さんて、いい子だったなあ…って思い出した。

「華音。」

お茶を入れて、華音の隣に座る。

「あ?」

「彼女いないの?」

「…なんで。」

あ。

声のトーンが変わった。

「ん?今日ねー、すごく感じのいい女の人に会ったの。華音と同じくらいの年の人かなって。」

「へー。どこで。」

「事務所の近くのスーパー。」

あたしが華音と話してると。

「母さん『トミヨシ』に行ったの?」

華月が…お茶を持って、あたしの隣に来た。

「え?ええ…」

「えー、何しに?いつも小々森さんの所でしか買わないのに。」

「…ちょっと、お昼に欲しい物があって…」

少し、しどろもどろになってしまって。

「誰もお風呂入ってないの?あたし入って来ようかな。」

お茶を持ったまま、立ち上がった。

知られたくないわけじゃないけど…

まだ、ゆっくり…

ゆっくり、進みたい。


シンクの前でお茶をすすりながら、ヒヤヒヤした気持ちを鎮めてると…

『…サンキュ』

『どーいたしまして』

華音と華月が、小声でそう言ってるのが聞こえた。

「……」

つまり…

華音は、話を逸らしたかった…と。

…なんだ。

彼女いるならいるって、言えばいいじゃないー!!

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