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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/12 14:59:51

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知花ちゃんと話してて、自分の事も振り返る事が出来た。

陸の夢のために…って思ったけど、違う。

あたし自身のための決断だった。

環とずっと、命を懸けて仕事をするために。


本当はもっと一緒にいたい。

だけどそれは、居ようと思えばできる事。

あたしに何かが足りなかっただけ。

環への大きな想いを口にできなかったけど…

それも…今となれば、言える相手が見つかった。


「知花ちゃんは、何が怖いの?」

「……」

知花ちゃんは涙を拭きながら…ゆっくりとあたしから離れて。

「…あたし、本当はすごくズケズケと物を言う性格なのに…」

「うん。」

それから彼女は…

インターナショナルスクールと、この自宅で二面性を持ってしまった事。

16で結婚した時は、旦那さんにはズケズケと言えていたのに…

次第に、自分が我慢をすれば丸く収まる。と思う事で、言いたい事を飲み込み始めた事。

旦那さんへの気持ちが大き過ぎて…これからメディアに出る事も本当はためらった事。

離れていられるかどうか…って考えてるうちに、自分の事を何も話してくれない旦那さんへの不満が募って、『彼といない自分』がどうなるのか…試したくなった…

もっともっと…それ以上。

たくさんの事を話してくれた。


「…ごめんなさい…こんな事、織さんに話すなんて…」

「誰にも話せなかったんでしょ?辛かったわね。」

「つまらない事ですよね…」

「何言ってるの?大変な事よ?」

「……」

「確かに…何の理由も聞かされないままで別居が始まった旦那さんは、ちょっとかわいそうだけど…」

あたしは小さく笑って。

「でも、大事な事はもちろんだけど、もっとこう…日常の小さな事?歩いてて見付けた何かの話とか、自分と一緒にいない時間に知り得た何かを話して欲しいって思うわよね。」

言い切った。

「…織さんも…そう思いますか?」

「思う思う。でも男の人って、きっとそういうの…面倒なのよ。だから、こっちからあれこれ聞かなきゃって。」

「…鬱陶しがられるかなあ…って…」

「えーっ?そこは習慣付けるの。あたしもそうする。あたし達って仕事の話しかしないから…あーっ、ほんと…もっと普通の会話しなきゃ。」

あたしがそう言って首を横に振ると、知花ちゃんは少し笑って。

「…とても大変なお仕事をされて…あ。」

言ってる途中で、目を大きく開けて。

「帰って来た。」

立ち上がった。

「え?」

「庭で声がしたから…」

「……」

さすがー…さくらさんの娘。

あたしには何も聞こえなかった。

環には聞こえるんだろうけど…あたしは訓練しても、そこまで良くならなかった。


「おかえり、咲華。」

長い廊下の先に見える玄関を見ると、知花ちゃんがそう言って咲華さんに抱き着いて。

その後ろで笑顔になってる環と海がいた。

あたしは環を腕組みをして眺めた。


…環。

あなた、あたしと知花ちゃんに…

何かしたでしょ。

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