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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/11 20:31:44

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「オレンジジュースを。」

「かしこまりました。」

私は…頭がオーダーされた言葉を聞いて、さりげなく眼鏡を外した。


私がこの『プラチナ』で働き始めたのは、32年前。

34歳の時だった。


幼い頃から二階堂に尽力したく、必死で訓練に励み、十代後半からアメリカで現場に出始めた私には…致命的な欠点があった。

それは…

本来、見えるはずのない物が見えてしまう力。

そう。

私は、霊感が強かった。


それが二階堂の者として働くには…大いに邪魔だった。

その事で悩んでいた私に…先代は、この『プラチナ』のバーテンダーとしての任務を与えられた。

銃を打ったり、誰かを追ったりする事だけが現場じゃない。

ここも、また…現場だ、と。


私のここでの任務は、表立った場所でやりとり出来ない情報交換をしに来る輩の監視や…

何かに備えて使えそうな人材を見極める事。

現場に出る事よりも簡単そうではあるが…人間観察は意外と労力が要る。

日に何人もの色々な物を視る事になると…体力も集中力も相当必要だ。

時には追跡任務も遂行。

自らの手で捕獲はしなくとも…一般人に危険が及ばぬよう、限られた世界ではあっても、常に平和を守り続ける。


ここは二階堂御用達ではあるが、重要人物からの紹介とあれば、常連になれる。

ただし、私が認めない人物は入店出来ない。

表の監視カメラで、それを見極めて…NG人物は少し離れた店の客引きに引き取らせる。


「お待たせいたしました。」

オレンジジュースを頭の前に差し出す。

「ありがとう。」

「……」

視線をゆっくりと…まずは…早乙女氏に。

現在アメリカでトップに立たれておられる頭のご子息の、実の父親。

私がお目にかかるのは…初めてだ。

オレンジジュースは、霊視依頼。

頭は恐らく、神氏だけを依頼されたと思うが…

早乙女氏は、ただの私の好奇心で。

何となく、視界の隅っこで頭が『なぜ早乙女君を視る?』といった様子で私を見つめてらっしゃるように思えたが…

ここは私のお店ですので。

視させていただきます。

早乙女千寿氏。

二階堂に関わりのある人物。

いつか、ご来店いただければ…と思っていただけに。

私の胸は若干高鳴りましたからね。

頭、どうか邪魔な念は送らないで下さい。

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