ブログランキング8

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2938
  • 読者 702
  • 昨日のアクセス数 31546

テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/11 07:58:06

  • 86
  • 0

「あら。起きたばっかり?」

「……ああ。」

お姉ちゃんとりっちゃんとで父さんの所に行くと、父さんは超寝起きの顔。

おかげで、りっちゃんが『誰?』みたいな顔してる。

父さんて、朝が苦手って言う割には…いつも意外とちゃんとしてるんだよね…

だから、こんな姿は…あたしもちょっと目を細めちゃう。


「もう10時よ?昨日遅かったの?」

お姉ちゃんがカーテンを開けながら言うと。

「あー…5時まで事務所で曲書いてたからな…」

父さんはソファーに座って、背もたれに頭を乗せて言った。

「え。5時って…それじゃ、そんなに寝てないじゃない。」

「どうせ今日は夕方からだ。」

「でも睡眠不足は喉に良くないよ。」

あたしは、りっちゃんを抱っこしたまま…お姉ちゃんと父さんのやりとりを聞いてた。

なんだか、すっかり仲良しな二人。

こう言っちゃ悪いけど…

父さんと母さんの別居で、お姉ちゃんと父さんの距離が縮まった。

…プラスもあるって事ね…。


「りっちゃん、今日はよれよれだけど、これも『じー』よ。」

あたしがそう言いながら、りっちゃんを父さんの膝に座らせると。

「よれよれとは失礼な…」

父さんは上を向いたまま小声で言って…

「今日も可愛いな。リズ。」

ゆっくりと…りっちゃんを撫でながら、頭を起こした。


「食べて少し休んだら?何か食べれそう?」

お姉ちゃん、一気に主婦らしくなったなあ…

海君と二人で帰って来た時は、ほんっと驚いたけど…

志麻さんと二人でいる時より…しっくり来てた。

…不思議な感じだったけど、お姉ちゃんが無理してる風でもなくて…嬉しかった。

海君も、いつもあたしや泉の面倒見てる時みたいじゃなくて…

すごく幸せそうに笑ってて、嬉しかった。


…まだいいって思ってたけどー…

あたしも、結婚したくなっちゃったな…。


「ねえ父さん。」

それは、お姉ちゃんが作ったスープと、あたしが買って来た…って言ったけど、本当は母さんが焼いたパンを父さんが無表情で食べてる時だった。

「何だ。」

「昔…母さんと別れた後、一人旅に出たんだってね?」

「えっ、何それ。」

あたしが驚くと。

「……」

父さんは目を細めてお姉ちゃんを見た。

「あたしがアメリカに行く前、おじいちゃまに聞いたの。」

「…くそジジイめ…」

「あれって、どこに行ってたの?」

「わー、あたしも聞きたーい。」

「……」


それから父さんは…

北に行こうとしたのに、気が付いたら西に向かってた。と話し始めた。

着の身着のまま出かけて。

ヒッチハイクなんかもして。

琵琶湖を三時間眺めてたら、近所の人が心配して声をかけて来たとか。

原爆ドームの前では、自分の無力さをより痛感したとか。

西公園で昼寝してたら、近くでカップルがいちゃつき始めたけど、『俺は石』と言い聞かせて気配を消してたとか。

乗せてくれたトラックの運転手さんが『西郷隆盛像を見に行こう!!』と連れて行ってくれて、興味はなかったけど随分と語られて思いがけず歴史に触れられたとか。

最終的にどこまで行こうかなんて考えてなかったけど、落ちてた雑誌で読んだ琉球ガラスを見たくなって沖縄に行った…と。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

10/18 編集部Pick up!!

  1. 3年も不倫続ける姉を説得したい
  2. 妊娠報告に「バカなの」と義両親
  3. 共稼ぎなのに夫が家事をしない

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3