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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/10 13:06:46

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「…待て。」

俺は額に手を当てて、自分を落ち着かせようとした。

知花は立ったまま泣いている。

…メディアに出る。

それはー…

いつから考えてた?

いや…

その話は、今必要なのか?

今は、俺達の事を…

…俺達の事だが…SHE'S-HE'Sも切り離しては考えられねーって事か…

だとすると…


「…メディアに出るから、俺と離れたいって事か…?」

「ちが…っ…違う…っ…」

知花は上手く言葉が出ないほど泣きじゃくっている。

…何で…泣いてる?

俺にはそれさえ分からない。


昔…知花は俺と離れたくないから渡米しないと言った。

だが、結局は渡米した。

…俺と別れて。

離れたら不安だ。

信じられない。

だけどそれだと音楽に集中できないから…別れて欲しい…と。

今回もそうなのか?

そういう理由で、俺と離れたのか?


つくづく自分の小ささに嫌気がさした。

あの時と今じゃ違うんだ。

知花にハッキリ言えって問いただせばいいだけなのに。

…それでも、俺は怖い。

知花を傷付けるのが。

そして…知花に嫌われるのが。


「……」

俺はゆっくり立ち上がって、知花の手を取る。

「…ごめん…」

そう言いながら、ゆっくりと…本当にゆっくりと、知花の肩を抱き寄せて…頭を撫でた。

「…なっな…なんで…あ…謝っ…まる…の…」

腕の中の知花は、呼吸が上手くできないほど…泣いてる。

このままじゃ過呼吸になるな…

「…今夜はよそう。こんな状態で、これ以上喋らせたくない。」

知花の背中に、ゆっくり手を這わす。

「でっ…で…でも…」

「いいから…ゆっくり息しろ…ゆっくり…」

できるだけ優しく…知花の耳元でささやく。

「…ち…ちさ…」

「喋るな…いいから…」

「~…っ…」

「しー……」

「……」

…こんなに…追い詰めてたのか…

そう思うと胸が痛んだ。


毎日の他愛のない事…

以前は話してた気もする。

風呂に入りながら…子供達の事を聞いて、その流れで。

だがそれが無くなってからは…

いや…何か…キッカケがあった気がする。

俺が話さなくなったのは…

いつからだ?

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