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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/10 10:53:48

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ドアが開いて…千里が見えた瞬間。

息が詰まりそうになった。

一ヶ月会わなかった。

連絡も取らなかった。

あたしの…大事な人。


よそよそしく『こんばんは』なんて…挨拶して顔を上げると。

千里は…あたしを抱きしめた。


「…ちさ」

「知花。」

「……」

「知花…」

「……」

強く抱きしめられて…泣きそうになった。

きっと…怒ってるって思ってたのに…


…いい香りがする…

髪の毛も…少し濡れてるし…

お風呂上りなのかな…

しばらくそうしてると…

「…あ…悪い。」

突然、千里があたしから離れた。

「…え?」

「…こういうのがいけないんだよな?俺の好き勝手に…」

「……」

「…入れ。」

「…お邪魔します…」


心地良かったのに…突然その温もりが離れて寂しくなった。

そして、その後に千里の言った事が…寂しかった。

こういうのがいけないんだよな。

…ううん…違うの…

違うのよ…


リビングに通されて、ソファーに座るように言われて…

あたしが座ってるのに、千里がキッチンで何かしてる。

…居心地悪い…


「あの…」

あたしが立ち上がろうとすると。

「すぐ行く。」

千里は下を向いたまま言った。

「……」

ゆっくり座って…少しだけ部屋を見渡す。

…きれいにしてる…


「紅茶。」

不意に目の前にカップを置かれて、あたしは驚いて千里を見た。

「…あ…ありがとう…」

「ティーバッグだけどな。」

「…十分よ…」

「……」

千里は少し悩んでたみたいだけど…あたしの向かい側に座った。

いつも隣だったから…何だかこの距離が辛い…

…でも。

千里は…気を使ってくれてるんだよね?

あたしが理由を何も言わないままだったから…


「…元気なのか?」

その声に、顔を上げて千里を見る。

…相変わらず…カッコいい。

ううん…

ますます、カッコ良くなったように思えちゃう。

どうしよう…

あたし、これ以上好きになったら…

「…知花?」

「あ…うん…元気…」

「……」

「……」

「…いただきます…」

沈黙が怖くて。

あたしは、紅茶を口にした。

…千里に紅茶を入れてもらえるなんて…


「…で、今日は?」

あたしがカップを置くのを見て、千里が言った。

「…話を…しなきゃと思って…」

「……」

「あたし…」

「待て。」

「…え?」

「はー……」

「……」

千里は前のめりになって、大きく溜息をつくと。

「…隣に、行っていいか?」

遠慮がちに…下を向いたまま言った。

「…う…うん…」

千里はゆっくりと立ち上がって、あたしの隣へ。

「…肩に…手をかけても?」

「…うん…」

「……抱き寄せても…?」

「……どうして…聞くの?」

千里らしくなくて、問いかけると。

「…嫌だったんだろ?」

千里は…寂しそうな顔で言った。

「ま…まさか。嫌なんかじゃ…」

「……」

千里はあたしの肩に手を乗せたまま。

だけどその手は…すごくぎこちなくて…

「…聞いて。」

あたしは千里の目を見て、言った。

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