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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 22:56:17

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「ねえ、なっちゃん。」

しばらく無言で空を眺めたり、目を閉じたりしてると。

不意に母さんが、あたしを飛び越した風に言った。

「幸せ自慢大会しない?」

「…幸せ自慢大会?」

父さんと二人して、母さんを見る。

「そ。あたしとなっちゃんが幸せ自慢するから、知花はそれを聞いて、どっちの幸せが勝ちか判定して?」

「判定って…」

母さんの言ってる事がおかしくて、あたしは眉間にしわを寄せて父さんを見る。

父さんは小さく笑って『いいから』って小さく言った。


「じゃ、あたしからいくね?あたしの最初の幸せはねー…7歳の時、ヒロが学校で一番の成績を取った時。」

「…ヒロ?」

あたしが問いかけると。

「あたしの幼馴染。」

母さんは笑顔で言った。

…幼馴染…

母さんにそういう存在がいたなんて、初めて聞いた。

あたしは父さんに顔を向けて。

「…知ってる人?」

問いかけた。

「ああ。何度か会った事がある。」

「そうなんだ…ちょっと意外な登場人物だったから、驚いちゃった。」

あたしは…母さんは『孤児だった』としか聞いた事がなくて。

だから、父さんと出会う前の事なんて…何も知らない。

「幼馴染って言うか、まあ家族みたいなもんかなあ。一緒に育ったからね。」

…珍しいな…

母さんがこんな事話してくれるなんて。


「俺の最初の幸せは、母親を真似て歌って、それを誉められたことだったかな。」

父さんは仰向けになったまま、前髪をかきあげて言った。

「…父さんのお母さんは、どんな人だったの?」

その話も…貴重な気がした。

父さんが…高原の愛人の息子だって話は、有名だった。

業界のゴシップ誌で出回ってた事もあって、誰もが知ってたはず。

そして、その事をいともあっさりと…父さんは、自伝に書いて出版した。

だけどその自伝は、簡単な生い立ちと…

Deep Redが活動休止してからの事。

つまり、ビートランドを設立してからの事が書いてある。


「美人だったぜ?ホテルのバーで歌ってたんだ。」

「うわあ…じゃあ、シンガーになったのはお母さんの血のおかげね?」

「ははっ…でも16まではロックなんて聴いた事もなかったんだぜ?」

あたしは…両親の幼い頃の話を聞いて。

何だか、夢を見てるような気分になった。

まだあたしは小さな子供で。

両親に挟まれて…二人の昔話を聞く。


「んー…次はね、あたしの歌をヒロが誉めてくれた時かな。」

「その『ヒロ』くんは何歳なの?」

「あたしと同じ歳よ?」

「そうなんだ…ヒロくんのおかげでシンガー目指したの?」

「ヒロに誉められるより先に、もう夢は持ってたの。だけど、ヒロが誉めてくれたから決断出来たっていうのもあるかなあ。」

母さんは…シンガー目指してた頃に、父さんと出会ってる。

そのキッカケをくれた『ヒロ』くん…

知らない人だけど、感謝したいと思った。


「俺はー…次は何かな。ナオトに出会った事かな。」

「ナオトさんとはいつ出会ったの?」

「15の時に母が亡くなって、高原に引き取られた。それから星高に入って…16の時だな。音楽屋でピアノ弾いてたナオトに一目惚れ。」

父さんの言った『一目惚れ』に母さんが反応して。

「一目惚れなんて聞いてなーい!!」

ガバッと起き上がって、そう言った。

「あはは。母さん、妬かない妬かない。」

「妬くー!!」

「仕方ないだろ?その時さくらとは出会ってないんだから。」

「ぶー…」

母さんの可愛いブーイングを聞きながら、あたしは父さんの話の続きを聞く事にした。

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