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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 17:17:24

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「…まだ心から認めていただけないのは分かってます。」

「……」

「私は危険な仕事をしていますし、そのトップに立つ人間です。いつ咲華さんに悲しい思いをさせるか分からないと言っても過言ではありません。」

「…酔って結婚した後、すぐ解消する気はなかったのか?」

「リズがいたので、ためらってしまいました。最善の措置を取ろうと考えた所…私達が家族になるのが一番だと…その時はリズ優先で考えていましたが…」

「……」

「思いがけず、彼女に強く惹かれました。自分でも驚くほど、あっと言う間に…でした。」

自分でも驚くほど…か。

それを言われて俺は、知花と出会った頃を思い返した。

あのマンションを手に入れたかった俺は、どうしても誰かと結婚したかった。

そして…家を出たかった知花と出会った。

偽装結婚。

お互いのプライベートには関与しない。


だが…

偽装結婚へ向けて、話を合わせている間に。

まるで本当の恋人同士のような感覚になり始めた。

マンションを手に入れてからは…俺の知花への気持ちは増し続けた。

…キッカケなんて…


「…大事な娘さんを悲しませないよう、私は必ず無事に現場から戻ります。」

ふいに、海が強い声で言った。

その声に、ゆっくりと…本当にゆっくりと、海を見る。

なぜ…今まで気付かなかったんだろう。

随分昔、知花からだったか…噂でだったか。

そんな話を聞いたような気もするが。

すっかり記憶の奥に追いやられていた。

…俺には関係のない話だと思っていたし。


「……」

「……」

しばらく無言で見つめ合う形になってしまった。

海は…陸の双子の姉の息子だ。

陸も姉も、クォーター。

茶色い髪に、目の色もどことなく日本人離れ。

だが海は…そんなに茶色くない髪の毛と…

目元は陸に…つまり母親似だろうが、目は黒い。

そして、どことなく…見慣れた誰かに鼻筋や口元が…

「…声…ですか?」

俺がマジマジと見ていたからか、海が少し苦笑いをして言った。

「…何も言ってないが?」

「目が探ってました。」

「…これだから二階堂は…」

「すみません。」

そうやって、少し話しが逸れた所で…

「玄関、鍵空いてるわよ?勝手に入って来ちゃった。」

咲華がリズを抱えて入って来た。

「え…どうして?」

咲華が来ることを知らなかったのか、海は俺と咲華を交互に見た。

…俺は知らないぞ。

「華月が電話くれたから来ちゃった。」

咲華は嬉しそうにそう言うと。

「あっ、せっかく華月が作ったって言ってたのに食べてない。」

テーブルの上を見て頬を膨らませた。

「…あいつが余計な事を言うから…」

俺が前髪をかきあげて溜息をつくと。

「本当に余計な事だった?」

咲華は笑いながら、リズを海に手渡した。

「あーん!!」

「ああ、ダメだ。食い物見たから…」

「えー?さっき食べたばかりよ?」

「ああーん!!」

「リズ、あれはリズのじゃない。しー、しー…」

「ふふっ。分かるかなあ~?」

海と咲華が泣いてるリズをあやす。

その光景を、何とも言えない気持ちで眺めた。

結婚して一ヶ月なのに…旅立つ前、最後に志麻と一緒にいた咲華より、今の咲華はとても自然で…

本当に…幸せなんだろうな…と感じた。

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コメント1

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  1. マリアンさん(50歳)ID:6612205・10/09

    リズちゃんの食いしん坊エピソードが可愛いすぎるーーーー!

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