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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 16:33:43

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『少しぐらい母さんの大変さに寄り添ってみようって思ったっていいんじゃないの?』

華月の言葉を思い出して、溜息をついた。

知花は…そんなに大変だったのか?

いつも楽しそうに家の事をして、みんなで笑って飯を食って、俺と風呂に入って…

…風呂は…一人で入りたかったのかもしれねーな…

俺に合わせて、無理してたのか…


目の前に並んだままの、スクランブルエッグやサラダ。

…食欲も失せた。

「……」

テーブルに置かれたメモを手にする。

そこには洗濯機の使い方が書いてあった。

…誰がするか。


座ったまま、ボンヤリと時間をやり過ごしてると。

ピンポーン

…誰か来た。

だが、立ち上がるのが面倒でそのままにしてると…しばらくして、また。

ピンポーン

「……」

これは…玄関だ。

俺は溜息と一緒に立ち上がると、玄関に向かった。

華月が出て行ったままで鍵は開いている。

「誰だ。」

ドア越しにそう言うと。

『二階堂海です。』

…より気分が重くなる気がした。

だが、玄関払いするのも大人げない。

こいつは…咲華の夫だ。


ゆっくりとドアを開けると。

「おはようございます。」

海は軽く頭を下げた後。

「少しお時間いただいてよろしいでしょうか。」

俺の目を見て言った。

「……」

無言でドアを大きく開ける。

「ありがとうございます。」

海は…俺の後にいるはずなのに、気配を感じなくて一度振り返ってしまった。

これが二階堂のトップ…って事か。


「お食事中でしたか?」

リビングに入りかけた所で、海が言った。

テーブルにはまだ、華月が用意した朝食が並んでいるからな…

「…いい。座れ。」

何もできない俺でも、さすがにコーヒーぐらいは入れられる。

キッチンに立ってコーヒーを入れている間、海はソファーの前に立ったままだった。

「何してる。座れ。」

「それでは、失礼します。」

コーヒーを目の前に置いてやっと、海はソファーに座った。

「実は明日の朝こちらを発たなくてはなりません。」

俺が座ってすぐ、海がそう言って…

見るつもりはなかったが、顔を上げると目が合った。

「…明日?」

「はい。」

「……」

まだ…咲華とも大して話してない。

俺は明らかに落胆したのだと思う。

そんなつもりはなくても。

自然と視線が足元にまで下がってしまった。

「咲華さんとリズは、しばらく日本に残ります。」

「…あ?」

その言葉に視線を上げると。

「私は少し長くかかりそうな現場に出向くので、少なくともそれが終わるまでは。」

海は表情一つ変えず、そう言った。


…酔っ払って結婚した。

そして、それからまだ一ヶ月だと言うのに…

何なんだ?

この、咲華の事は知り尽くしている風な…


それが少し面白くなかった。

娘の事を一番に分かっているのは、自分でいたかったのかもしれない。

…知花の事さえ、分かってないのにな…

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