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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 15:28:04

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「いただきます。」

二人で向かい合って座って、手を合わせた。

「洗濯してる?」

サラダを食べながら問いかけると。

「三日ぐらい溜めたらクリーニングにでも出す。」

父さんは何でもないように、サラッと言った。

「えーっ、もったいないよ。洗濯ぐらい自分でしたら?」

「……」

あきらかに面倒くさそうな顔。

そうよね。

したくないんだよね。

「…今までずっと母さんがやってた事、経験してみるのもいいんじゃない?」

怒るかなあ…って思ったけど、ちょっと言ってみた。

だって…最悪の事態に向かう別居じゃないにしても…別居だもん。

「いいチャンスだと思って、父さんも色々出来るようになったら?」

「……」

父さんは無言でフォークを置くと。

「俺が何もしないから、別居したいって知花が言ったのか?」

すごく不機嫌そうに言った。

「そうじゃないよ…そうじゃないけど、母さんは今までずっと、仕事をしながら家の事も子育ても父さんの世話も全部して来たんだよ?少しぐらい母さんの大変さに寄り添ってみようって思ったっていいんじゃないの?」

「…俺の世話…な。」

父さんは足を組んで鼻で笑って…

「手の掛かる亭主だったって事か。そりゃ知花は大変だったな。」

ムカッ!!

あたしはすごく目を細めて父さんを見据えて。

「…そうね。母さん大変だっただろうな。男は何もしないのが当たり前って古い頭じゃ、自分の時間もなかなか取れなかっただろうしね。」

早口でそう言うと、目の前の料理だけは全部口に押し込んで。

「ほしほーははっ!!」

自分の食器をシンクに運んで、バッグを持ってズカズカと歩いて玄関を出た。

でも、あっ。と思ってもう一度玄関に入ると、靴箱の上に置いてあったメモ帳を手に洗濯機の前に行って操作方法を書いて。

「いい大人が洗濯機も使えないなんて、カッコ悪いっ。」

父さんの目の前にメモを置いてマンションを出た。


あー!!もう!!

「…って…あたしバカ…」

マンションの外で、立ち止まって見上げた。

さっきまで…父さんと並んで立ってたベランダ。

励ましたかったけど…あたしじゃダメなんだよ。

だって、あたしは父さんに似てる。

だから、本当は分かってるのに素直になれない父さんの気持ちも…分かる。

もどかしいな…

少ししょんぼりしながら歩き始めると。

「…あ…」

前方から…

「海君。」

海君が、歩いて来てた。

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