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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 14:34:37

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「おはよ。」

「……ああ。」

ドアを開けた父さんは、まだ少し眠そうな顔。

「入っていい?」

「…おまえ、ここまでどうやって?」

「おじいちゃまが暗証番号教えてくれたの。」

「……」

「ついでに、スペアキーも持ってる。」

あたしがポケットからキーを出して見せると。

「…それなら勝手に入れば良かったのに。」

父さんはそう言って部屋の奥に歩いて行った。

…機嫌悪そうだ~。

そりゃそうか…

大好きな母さんから、別居を申し出られちゃ…


父さんと母さんが別居なんて…すごくショックなんだけど。

聖はすごく普通で。

「親父一人で色々できんのかな。時間出来たら見に行って笑ってやろ。」

なんて…のんきに言ってた。

あたしはそんな風には笑えないんだけど…


別居一日目の昨日は、事務所でも全然父さんを見掛けなくて…

お兄ちゃんに聞いてみると『ルームで歌作ってるらしい』って。

…まあ…仕事に来れてるならいいのかな…って。

だけど帰って、晩御飯の時に父さんがいないのはおかしな感じだった。

すると、おじいちゃまが。

「千里と二人きりで会えるいい機会だ。」

って、みんなにスペアキーをくれた。

…母さんが、お風呂に入ってる時に…ね。

それであたしは早速、来てみた。

やっぱり…気になるし。


「朝御飯食べた?」

「…いや、食ってない。」

「そうかなーと思って、買って来ちゃった。一緒に食べよ?」

あたしはトートバッグからカンカンで買って来たパンを出した。

あたしのお気に入りは練乳パンなんだけど、父さんは甘いの好きじゃないから、くるみパンとかクロワッサンを買って来た。

「キッチン借りるね。」

スクランブルエッグとサラダを作って、コーヒーを入れてテーブルに置くと、父さんはベランダに出て外を眺めてた。

「父さん…」

背中に声をかけると、父さんは振り返らないままで。

「…みんな元気か。」

小さな声で言った。

「……」

あたしは父さんの隣に並ぶと。

「うん…元気だけど…変な感じ。」

手すりに手を置いて、指をもてあそびながら言った。

しばらく黙ってそうしてると。

「…コーヒーが冷めるな。」

父さんが、あたしの頭をポンポンとして言った。

「サラダも作ったのよ?」

父さんの腕に手を回して言うと。

「…全部食えるかな。」

父さんが小さく笑った。

それだけの事なのに、すごく嬉しくなった。

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