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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 09:52:43

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「あはは。見て見て。リズちゃんたら、お兄ちゃんとお姉ちゃんの顔ばっかり見てる。」

「おい、リズ。俺がママだぞ。」

「やっやめてよ!!」

…我が家の食卓は…リズのおかげでいつもよりさらに華やかで。

みんなが笑顔だった。


部屋で知花から別居話しを持ちかけられて。

百歩譲って、俺が二階に部屋を移す。と『家庭内別居』を申し出たが…

知花は断固として『あたしが父さんのマンションに行く』と言い張った。


咲華が帰ったばかりだ。

孫を欲しがってた知花が、リズから離れるこたーない。

…俺が高原さんのマンションに行く事にした。

晩飯の前に、その事を二階にいる高原さんと義母さんに話しに行った。

どうか…二人にはこのまま桐生院に戻って欲しい、と。

二人はすでに話を知っていたのか…特に驚く様子もなく。

『すまないが、知花に時間をやってくれ』

と高原さんに言われた。

…時間…な。


みんなには特に何も話さず出て行く事にした。

高原さんのマンションは、昔アズと瞳と三人で暮らしていた事もある。

空いてる部屋を使ってもいいと言われて、自分の荷物を簡単にまとめると、俺は一人でマンションに向かおうとしたが…

「今夜は俺も一旦帰る。」

高原さんが、車に乗り込んで来た。


「……」

「大丈夫か?」

マンションについて、高原さんが酒を出してくれた。

それをチビチビと飲みながら…俺は無言だった。

今日だぜ…?

今日…

いつもみたいに、仕事から帰ったら風呂に入って晩飯食って…

昨日帰って来た咲華とリズと…仕方ないが海も交えて。

寝るまでの時間を、笑って過ごすはずだった。

それが…

「……大丈夫じゃないっす…」

俺がビートランドの引き継ぎの件を話さなかったから?

…バカ言うな。

くだらねーな…

くだらねーよ…


「…知花と初めて会ったのは、ビートランドの会長室でだった。」

高原さんが、話し始めた。

「ウィッグと似合わないメガネ。どこかボンヤリもしてるような子で…そうそうたるメンバーを従えて歌ってると知った時は、バンドにそぐわない実力ならメンバーごと千里に…なんて思ったもんだ。」

「……」

「あの頃すでに…知花は自分を抑えてたんだな。」

「…抑えてた?」

「あんなに実力のあるシンガーなのに、歌ってる時以外は常に自信がなさそうだった。」

「……」

それは…

昔、聖子にも朝霧にも陸にも言われた事だ。

知花がいつも自信を失くすのは、俺の事が絡んだ時。

だけど二度目の結婚をして…ずっと平和にやって来たのに…

なぜ…


「もし…知花が千里の思ってる知花と違ったら、おまえは知花を嫌いになるか?」

「まさか。」

高原さんの問いかけに、鼻で笑ってしまった。

そんな事、あるわけがない。

「忠実におまえの意見を聞き入れるのが知花だ。って思ってないか?」

「…え?」

「桐生院家では、ずっとおまえは絶対だったんだろう?」

「……」

「知花の意見を聞いて、それを優先したり取り入れてやった事はあるか?」

…急にそんな事を言われて、俺は戸惑った。

戸惑ったけど…

「…俺がそういう性格だっていうのは、あいつも知ってるはずですけど。」

俺が高原さんの目を見て答えると。

「……ま、いい機会だと思って、お互いの存在価値を確かめてみる事だな…」

高原さんは目を細めてそう言った。

…存在価値?

俺にとって、知花は欠かせない存在だ。


…だが…

あいつには…?

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