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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 09:09:37

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「うおっ…な…なんだ?」

仕事から帰って裏口のドアを開けてすぐに、知花がそこにいて驚いた。

「…おかえりなさい。」

「ああ…ただいま。どうした?」

「…話があるの。」

「……」

ぶっちゃけ…最近少しトゲのあった知花が…

昨日今日と、さらに冷たい気がして。

そんな中での『話がある』は…少し嫌な予感がした。

もしかして、昨夜部屋で眠らなかった事か?

それとも、咲華が帰ってすぐ、結婚の報告にダメ出しした事か?

しかしアレは当然だ。

酔っ払って結婚したんだぞ?

いくら今愛し合ってるとは言え、その課程に文句つけるぐらい普通にある。


正直、リズを構いたくて少し早めに帰ったが…

知花が真顔なもんだから、おとなしく部屋に入った。

大部屋は賑やかなんだろうか。

たぶん華音も華月も、今日は早く帰ったはずだ。

なんたって…リズが可愛くて仕方ない。


「…千里、あたし…」

部屋に入ってすぐ、知花が俺を振り返って言った。

「あたし…しばらく、父さんと母さんのマンションに行く。」

「……」

「……」

「……あ?」

知花の言った事が、すぐには脳に伝わらなくて。

俺は、首を傾げて知花を見たまま、もう一度。

「あ?」

繰り返した。

「…少し…離れたいの…」

「……離れたい…」

「……」

「…離れたいって、何と。」

「…何って…あなたと…距離を置きたいの…」

「……」

今…知花はなんつつった?

距離を置きたい…

俺と、距離を置きたい…つったか?

…俺と。

「…あれか?前に…別れたいって言ったらどうするかっつって聞いてきた…あれか?」

頭の中が混乱してて、支離滅裂だ。

知花が…俺と距離を…

「…少し…離れて考えたいの。」

「何を。」

知花の腕を掴む。

「何を考えたい。離れなきゃ考えられないのか?」

「い…痛い。」

「答えろ。何があって距離を置きたい?どうして俺から離れたい?」

「千里…離して…痛い…」

「答えろ。」

「は…なしてったら!!」

「……」

知花に腕を振りほどかれて、ハッとした。

俺は今…力いっぱい…

「…悪い…痛かったか?」

知花の腕に触れようとしたが、知花は両手で自分を抱きしめるようにして…一歩退いた。

「……」

「あたし達って…何?」

「…は?」

「あたしと千里って…何?」

「何って…夫婦だろ?」

何言ってんだ。

おまえ、何言ってんだよ。

「…ビートランドの会長を引き継いで欲しいって話…されたでしょ?」

「…それが何だ。」

「どうしてあたしに話さないの?」

「…それが距離を置きたい理由か?」

「あたしが聞いてるの。」

「……」

知花が…俺を見据えるような目で、低い声で言った。

…なんなんだよ…

おまえ…

「あたしに話したって、何も決まらないって思ったの?」

「…そんなんじゃねーよ。」

「じゃあどうして?悩んでる事、あたしには打ち明けられないの?」

「……」

俺が大きく溜息をつくと、知花は目を細めて。

「あたしは、千里のご飯の支度をして、一緒にお風呂に入って一緒に寝てればいいって事?」

吐き捨てるように言った。

「…何なんだよ。おまえらしくない。何かあったのか?」

「全然答えになってない。」

「……」

「あたしらしくないって何?これが本当のあたしだったら…千里は…あたしの事…」

「……」

「あたしの事…」

知花が目いっぱいに涙を溜めて、うつむいた。

これが本当の知花だったら?

…そんなの…


あるわけねーだろ。

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