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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/09 00:12:05

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「………え?」

その時あたしは、真顔のなっちゃんに首を傾げて。

「…え?」

何度も…『え?』って繰り返した。

だって…

「知花が、千里と距離を置きたいそうだ。」

なっちゃんが冗談言ってる。

「冗談じゃないぞ?」

「…なんで分かったの?」

「笑ってるから。」

「えっ、あたし笑ってた?」

「ああ。」

なっちゃんはあたしの頬をギュッとして。

「ニヤニヤしてる。」

『めっ』とでも言いたそうな顔をした。

「…ニヤニヤなんてしてないよ~………でも…信じられなくて笑ったかも。」

なっちゃんの手を取って、そのまま両手で包む。

「…距離を置きたいなんて…どうしてかな…」

「…泣きながら、人から思われてるような自分じゃないって言ってた。」

「……」

そんなの…

そんなの言ったら、あたしだってそうなのに。

あたしなんて…

みんなに秘密だらけ。

消したい過去だってある。

だけど、今が大事だから…

「ずっと自分を隠して生きてきた…とも。」

「……」

それを聞いて、あたしは胸が痛んだ。

知花…


全てが今となっては…だけど。

貴司さんは、あたしに『死産だった』って言った。

そして、出て行けって言われたあたしは…桐生院を出た。

どうしてあたし、あの時…素直に受け入れちゃったんだろう。

出て行けって言われても、ここに居れば…


貴司さんもお義母さんも、あたしにはハッキリ話さなかったけど。

二人とも、なっちゃんには話してた。

たぶん…自分の罪を誰かに話しておきたかったのだと思う。

二人は、あたしをとても愛して大事にしてくれたけど…

罪悪感もたくさんで、真実は話してくれなかった。

そして、あたしは…それをなっちゃんに。

あたしを傷付けるから言わないっていうのは無しで、ちゃんと話して欲しいって伝えた。

あたしの知らない貴司さんとお義母さんの事。


なっちゃんがあたしを受け入れてくれて、二人の時間はたくさんあった。

時間をかけてゆっくり…あたしの記憶が戻るのを把握しながら。

なっちゃんは…たぶん全部じゃないけど…

色んな事、話してくれた。


知花がインターナショナルスクールの寮生になる羽目になった経緯や。

次第に…二面性を持つようになってしまった事。

寮生として学校で過ごしていた頃の知花と、桐生院での知花は違う。

ウィッグをつける事で、仮面をつける事も覚えてしまった知花。

…もしかして、今も…

仮面をつけたままだと言うの?


「…知花、千里さんと話し合うって…?」

なっちゃんの胸に寄り添って言うと。

「どうかな…知花自体、色んな事で揺れてるみたいだから。」

なっちゃんは、あたしの頭を撫でながら答えた。

「色んな事?」

その言葉に引っ掛かって、なっちゃんを見上げると。

「…ここから先は、俺と娘の秘密。もう少しハッキリしたら話す。」

なっちゃんは、自慢そうに唇の前に指を立てて言った。


…ずるいー!!

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