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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/08 22:28:13

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「知花。」

「え?」

「ちょっと広縁においで。」

「…じゃあ、紅茶入れるね。」

「ああ。」


父さんに誘われて…あたしは一度キッチンで紅茶を入れて、チョコレートやクッキーも一緒にトレイに乗せて…広縁へ。

ここは、景色が良くて。

何か…少し心の内を話すには、最適な場所。

って…

父さん、何か気付いてるんだね…。


昨日は…咲華が帰って来て。

一ヶ月前一人で旅立ったけど、昨日三人で帰って来て。

なもんだから…すごく揉めて。

だけど。

結局は…夕べは大宴会で。

あんなに反対してた千里も華音も…

今朝は、リズちゃんの可愛らしさにメロメロになってた。


「咲華、幸せそうだ。」

あたしが腰を下ろしてすぐ、中の間でリズちゃんと横になってる咲華を見て、父さんが言った。

「…ね。本当。」

海さんは朝方まで起きてたにも関わらず、今朝はきちんと起きてみんなと朝食をとって。

みんなが仕事に行って、少しして…

「私も一度二階堂に戻ります。」

リズちゃんに釘付けになってる、あたしと母さんに言った。

「…そうなの…?」

あまりにも、あたしと母さんがガッカリな顔をしたのか。

「…あ、咲華とリズは置いて行きますので、どうか…宜しくお願いします。」

海さんはすごく…遠慮がちにそう言ってくれた。

…悪かったなあ…


咲華は緊張が解けて、やっと…時差ボケが来たみたいで。

海さんが出かけてからは、リズちゃんと寝てばかり。

母さんは、沙都ちゃんと曽根君と出かけようかな~なんて言いながらも、父さんをほっとけなくて。

そうすると、それに気付いた父さんが。

「さくら、沙都と仁志を事務所に連れて行って、新しくなった部屋を見せてやってくれ。」

そう言って、三人を送り出した。

仁志…

あ、曽根君か。


今、うちにいるのは…父さんとあたしと、咲華とリズちゃんだけ。

休みをもらえた聖は華月と出掛けて。

千里も、一時間ぐらい前にようやく…出掛けたくなさそうな顔をして、仕事に出た。


「知花。」

「え?」

「…ちょっと、寝転ぶか。」

「えっ?」

突然、父さんが座布団を何枚か持って来て。

「ほら。横になって話そう。」

あたしの隣に、ごろんと横になった。

「……」

「さ、ほら。」

トレイを挟んで、あたしと父さんは座布団を敷布団みたいにして…寝転んだ。


庭の下の方にある木から、セミの鳴き声が聞こえる。

今年は少ないなあって思ってたけど、あたしの耳がそこに向いてなかっただけなのかな。

…なんて…

大して気にもなっていない事、考えてしまう。

だって…

父さんと、こんな所で寝転ぶなんて。

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