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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/08 14:43:05

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今日も腕が鳴る修理品がてんこもり。

こんな日に知花ちゃんがいないのは残念だ…なんて思いながら、難易度Gぐらいのアンプを分解してると…

「里中さん…あの…あの…」

スタッフが、こぞって通路を指差した。

「ん?」

通路を見ると、神がそこにいて。

俺と目が合うと、右手の人差し指をクイックイッと。

…来いって?

俺?

自分を指差すと、神はコクコクと頷いた。


「さっ里中さん、神さんと仲良しなんですか?」

一気にスタッフが色めき立つ。

「いや、仲良しっつーか…まあ、話しぐらいはするけど。」

「えっ、いいな~!!神さんと仲良しなんて!!」

だから。

仲良しとは言ってないって。

「て言うか、知花ちゃんの旦那さんだぞ?彼女の方がすごいし。」

作業用のエプロンを外しながら言うと。

「それはとっくに分かってます。神さんの奥さんって事を抜きにしても、あれだけのボーカリストですし。」

「そのうえ、機械いじりも天才的ですもん。」

「そそ。だから知花さんに話しかけるのもド緊張。」

「この部屋で一緒に作業してるなんて、いつも夢みたいって思ってます。」

スタッフ達は、神の視線を気にしながら…そんな事を言った。

「はは……じゃ、ちょっと出て来る。」

「行ってらっしゃーい!!」

「……」

元気良く送り出されて、部屋を出ると。

「…わりいな。仕事中。」

神が、申し訳なさそうに言った。

…あれ?

元気ないな。

この前見掛けた時はスキップでもしそうな勢いで、つい笑ってしまったのに。


「一昨日、知花来てたよな。」

「え?ああ。」

「あいつの様子…どうだった?」

「…知花ちゃんの様子?」

「ああ。」

「どうって…普通に作業してたけど…」

「そうか…」

神は深い溜息をつくと。

「……あいつに…」

すごくゆっくり…初めて聞くほどゆっくり…

「あいつに……」

「……」

「…あいつ……」

「早く続き言えよ。じれったい。」

つい、イラッとして言ってしまうと。

神はあからさまにムッとして。

「悪かったな。」

前屈みになってた身体を起こして、前髪をかきあげた。


「何だよ。言いにくい事か?」

話は聞こえないものの、こっちをチラチラ見てるスタッフの目が気になった俺は、神を一階のミーティングルームに誘った。


「…知花の『友人』として、おまえから意見が欲しい。」

どういうわけか、神が俺にコーヒーを買ってくれた。

ありがたいが、違和感しかない。


「…友人…」

知花ちゃんの友人。

それは…ちょっと複雑な気がした。

友人…

うーん…

仕事仲間だけど…友人かと言われると…

俺はぶっちゃけ、恋心に変わりそうな気持ちを必死で抑えてるぐらいだからな…


あまり友人って立場には…憧れがない。

それが、永遠にそばにいられる立ち位置だとしても、だ。

…て事は。

俺、あわよくば…って思ってる事になるあ。

ははっ。


一人で自己分析して笑いそうになってると。

「知花に、『別れたいって言ったらどうする』って聞かれた。」

「……」

「……」

「……はあ?」

神の告白に、俺は顎が外れそうになるほど驚いた。

わ…別れたい?

知花ちゃんが、神と?

「い…いやいやいやいや、それはないだろ。」

俺が右手をブンブン振って言うと。

「なぜ言い切れる?」

神は目を細めた。

「だってさ…知花ちゃん、マジでおまえの事大好きだよ。」

「……」

「好き過ぎて辛いなんて言うんだぜ?まったく…大きな子供もいるのにさ、そんなに長く愛されてるなんて、俺は神が羨ましいね。」

あ。

つい…羨ましいと言ってしまった。

が…

「…知花がそんな事を?」

神は…『好き過ぎて辛い』の方に感激してた。

…ホッ。

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