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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/08 12:09:52

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深夜に解散して、ベッドに入ったが…

神経が高ぶってるのか、すぐに目覚めてしまう。

それでも何度か眠ろうと努力したが…

四時過ぎにはそれを諦めて、一人大部屋に座った。


『とーしゃーん。しゃく、こっかあとびゅよ?』

『待て。そんな危ない事するな。』

『ろんがしたみたいにしゆのー。』

『華音と同じにしなくていい。』

『とびたいー。』

『じゃあ待て。父さんの手の中に飛べ。』

『うん!!しゃく、とうしゃんのとこ、とびゅー!!』

『よし、来い。』

『えーい!!』

『うおっ…おまえ、重くなったな…』

『かーしゃーん!!つぎは、かあしゃんとこ、とびゅよー!!』

『え…えっ?母さん、受け止められるかな…』

『かあしゃんのあとは、じーだよー!!』

『おっ…おお。じーのとこ、いいぞ?』

『んっとね、じーのあとはぁ、おおばーちゃ!!』

『大ばーはやめとけ。さくらちゃんにしろ。』

『しゃくりゃちゃん、ろんがいゆから、いちあんしゃいごー!!』


「……」

俺は懲りもせず…また子供達の小さな頃の映像を見始めた。


咲華は…大人の顔色を見る子供だった。

華音が義母さんにベッタリで、その分俺と知花が寂しく思ってるんじゃないかと、子供ながらに気を利かせてくれてたように思う。

華音が義母さんにだけにベッタリだったのに反して…

咲華はまんべんなく、誰の所にも行って笑顔を見せた。

…華月は俺に似てクールだったから、誰の所にも行かない子供だった。

来る者は拒まないタイプだったが…。


咲華からのメールの後、華音が沙都のマネージャーになった曽根酒店の息子とメールのやりとりをしていた。

週末に沙都と共に帰国するから、うちに泊めてくれ、と。

俺は咄嗟にそれを了承した。

…咲華が帰って来る。

その時…大勢の奴らに咲華を出迎えて欲しいと思った。

何なら、その日オフのメンバーは全員来て欲しいぐらいだ。

咲華の小さな頃を知ってるSHE'S-HE'Sの面々には特に…

あの咲華も、こんなに大きくなったんだぞ…って…


「…ふっ…」

俺は…本当に親バカだな。

一ヶ月前には、咲華を忘れる。なんて言うほど腹を立ててたのに。

「……」

俺は時計に目をやって、スマホを手にする。

咲華に…メールの返信もしてなかった。

この時間…咲華は何をしてるのか。


『待ってる』

一言、そう書いて送ると。

間もなくして…

『もう起きてるの?』

返信があった。

「……」

しばらくそれを眺めた。

咲華からの返信に、本当は飛びあがりたい気分だった。


『目が覚めた』

『年寄りは朝が早いって言うものね』

『誰の事だ?』

『今、F's聴いてた』

『どの歌だ』

『Never Gonna Be Alone』

「……」

ふっ…

離れた地で…娘が俺の歌を聴いてくれている。

それも咲華が、だ。

咲華は音楽の道に進んでいないだけに…歌についてどう思ってるかなんて話す事もない。

スマホにでも入れてくれてたのか?

聴ける状況にしてくれていた事が嬉しい。

今まで誕生日や父の日にもらったどのプレゼントよりも、嬉しい気がした。


『名曲だな』

『自画自賛?』

『そうとも言う』

『あたし、彼の事吹っ切れたよ』

「……」

テンポよくメールをしていると、思いがけない返事が来た。


…吹っ切れた…か。

正直、俺なら一ヶ月そこらで吹っ切れる気はしない。

だが、咲華は吹っ切れたと言う。

それは…この旅が正解だったと認めるべきだ。

…俺は最後まで反対したが…結果咲華には良かったって事か…。

俺も父親として、まだまだだな。


『おまえになら、すぐにいい男が現れる』

ただの慰めの言葉しか思い浮かばなかったが、本音でもある。

咲華になら…本当にすぐに、いい男が見つかるはずだ。

志麻のように…いや、志麻以上に。

そして、もっと早くに咲華をかっさらいに来てくれる奴…が、俺はいい。


『週末にね』

その咲華からの返事で…俺はメールを終えた。

思えば、咲華とメールなんて…した事があったか?

俺はメールが面倒で、すぐに電話をする。

咲華は、普段あまり誰とも連絡を取らないから、と携帯を部屋に投げっ放しにしてたりする。


「……寝るか。」

俺はもう一度部屋に戻って、知花の隣に潜り込むと…


「千里、起きて。」

「…まだ寝る…」

「何言ってるの。華月と約束したでしょ?」

「…まだいい…」

「…冗談でしょ?もう、早く起きてってば。」

「…キスしてくれたら起きる…」

「も…もう…」

「…おふくろ、してやれよ。」

「…華音もいるのか…」

「だから…早く起きてってば…」

「…だから…キスしてくれたら起きる…」

「…俺、仕事行くわ。」

「…いってらっしゃい。」

「親父、あんま母さんに面倒かけんなよ。」

「…黙れ…おまえは仕事行け…」

「はいはい。」

「千里。約束でしょ?」

「…耳元で…優しく言ってくれ…」

「…もうっ…」

…華音を従えてまで、俺を起こしに来た知花を。

イライラさせるほど…寝坊した。

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