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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/07 23:17:25

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「よ。」

「昨日はごめんね…急に休んじゃって。」

「誰にでも体調不良な日ぐらいあるさ。」

昨日、知花は急に休みを取った。

で…ついでのように…

今日は急遽、全員でオフを入れる事にした。

「…みんな良かったの?」

「ああ。例の件、ちょっと煮詰めたら個々に考える時間が欲しいってさ。」

「……」

「もうみんな、腹括ってるクセに。往生際悪いよな。」


全員オフだが…俺は知花を呼び出した。

サクちゃんの事、早い内にフォローしておこうと思って。

超がつくほど久しぶりのダリア。

誠司さんは店に出る事はなくなったけど…ここは今も思い出がいっぱいの場所だ。


「…サクちゃんの事、聞いたよ。」

知花が紅茶を一口飲んだ所で…切り出した。

「……」

「知花が言えなかった気持ち、分かるけどさ…何でも言ってくれよ。聖子にでも瞳さんにでも。あの二人に言いにくければ、俺だってまこだって、センも陸も…選り取り見取りだぜ?」

「……ごめんね…話せなくて…」

知花は小さく謝ると、うつむいて溜息をついた。

「…何だか…咲華見てると…自分と重ねちゃって…」

「……」

「あの子、一ヶ月誰とも連絡取らないって言い張って旅立ったの。今…どんな気持ちでいるんだろうって、あたしならって考えると…苦しくて…」

知花らしい…と言えば、そうなのか。

娘の気持ちにリンクして、苦しくなる…か。

まあ、知花の場合は…今もって言うか…

ずっと、そんな気持ちを引きずってるからなのか。


三ヶ月前…

知花は、いまだに神さんの事を好き過ぎて辛い事を俺に打ち明けた。

それと同時に…SHE'S-HE'Sの今後についても。

前者については知花らしいなー…なんて、ちょっと笑える俺もいたが、本人は吐きそうなほど悩んでたようで…

掘り下げて話してくうちに、神さんに対して無理をしてるのが普通になってる…と。

まあ…夫婦って他人が家族になるわけだから、ある程度そういう部分はあるとは思うが…

知花が無理をしてるとは思わなかった。

そこは…意外だったし、改善の余地があるなら…努力してみるのもありなんじゃ?と思った。

とにかく、神さんともっと話してみたらどうか…と。

ありきたりな事しか言えなかったが…

恐らく知花はその後も変わってなかったと思う。


で…

SHE'S-HE'Sの今後については…

俺も知花と同じ事を思ってただけに…危機感も覚えた。

一応、みんなとも話をして…

スケジュール調整もしつつ考えていこうって事にはなったが…

ここに来て、知花の体調不良。

神さんとこじれてるのかと思えば…サクちゃんの婚約解消。

…俺も胸が痛い。


「サクちゃんの事を想うと、本当…俺らみんな胸が痛いけどさ。」

「……」

「神さん、すげー心配してたぞ?」

「…え?」

神さんの名前が出た途端、知花が顔を上げた。

…ふっ。

ほんっと…


「昨日、エレベーターで一緒になったから…サクちゃんの事聞いたって言ったらさ…」


神さんは…今も男の俺をドキドキさせるような仕草で。

「あー…ま、いつかは知れる事だからな。もっと早く瞳に話しておけば良かった。」

髪の毛をかきあげた。

この人は…いくつになっても、カッコいい。

「知花もですが…神さん、大丈夫ですか?」

神さんが家族を溺愛してるのは有名な話。

俺が真顔で問いかけると。

「…俺は平気だ。だが知花がな…今日も悪かったな。急に休んで。」

神さんは俺の目を見て、そう答えた。

…俺には嫁も子供も孫もいるが…神さんだけは、やっぱり特別だな。

「いえ…それでずっと調子が悪かったんだなって、みんなで納得です。知花があんな調子だと、寝不足か食欲不振か神さんとケンカかって、聖子がまくしたてるから。」

「ははっ。瞳にも言われた。俺のせいじゃねーかって。」

「失礼ですよね。」

「…ま、俺も常に原因の一つではあるかもしれないけどな…」

「…え?」

「…いや。ま、明日出て来たらみんなでフォロー頼む。俺はどうも…あいつがして欲しい事をしてやれないし、欲しい言葉をかけてやれない。」

「……」

「じゃあな。」

エレベーターを降りて歩いて行く神さんの後姿を見つめた。

…俺なんかより、数千倍、数万倍優しい。


神さんの様子を話すと、知花は両手で頬を押さえて赤くなった。

「もっと神さんに甘えろよ。」

「も…もう十分…」

「あれは、甘えさせられてるって感じだぜ?」

「……」

俺に指摘された知花は、ますます顔を赤くした。

ははっ…何だか…二十代の女の子と話してるみたいだ。

「辛いなら辛いって、知花からちゃんと甘えてみろよ。」

「でも…」

「そんな事して優しくされたら、もっと好きになって辛いからって言うんじゃないよな?」

「うっ…」

「俺、思うけど…気持ちに上限なんてないと思うぜ?」

「……」

知花は頬から両手を下ろして、真顔で…俺を見た。

「だから、気の済むまで好きになればいいんだよ。」

「光史…」

「な?」

「…うん…」

それから…笑顔の戻った知花は。

「パフェ、一度食べてみたかったの。」

この夏登場したという『ダリアパフェ』を頼んで。

「美味しい♡」

満面の笑みになった。

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