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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/07 21:44:17

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「父さん!!」

バーン!!とドアを開けると。

「なっ…何だ?」

中に居た父さんは、ビクッと肩を揺らせてあたしを見た。

千里から、サクちゃんが婚約解消をして…傷心旅行に出た。って聞いて。

あたしは…

「どうして教えてくれなかったのよ!!」

父さんに、問い詰めた。

「…は?何を。」

「サクちゃんが婚約解消して、旅立ったって!!」

「……」

父さんはパチパチと瞬きを繰り返して。

「俺から話す事じゃないだろ。」

両手を上げて、『降参』みたいなポーズをして言った。

千里はこうなる事が分かってたのか、エレベーターでここまで付き合ってはくれたけど…

エレベーターから出る事なく、また八階のボタンを押して降りて行った。

「でも!!」

「いいからほっといてやれ。桐生院家の問題だ。」

「~……」

そう言われると…何も言えない。

だけど、心配なのよ…!!


最近、知花ちゃんは歌声にも迫力がない。

新曲が出来ても…何となく、しっくり来ない。

それはみんなも感じてて…だけど『また』千里との間に何かあるんじゃないか…って。

て言うのも…

知花ちゃん、ここの所、オタク部屋に通い詰め。

千里が超ヤキモチ焼きって知ってるはずなのに…

里中さんと、修理にメラメラと意欲を燃やしてる。

…はっ…そうか…

気を紛らわせるための…オタク部屋だったのね…

だから千里も、黙認してるんだ…


それにしても…

映も朝子ちゃんも何も言わない。

お兄さんの結婚式が決まったら、真っ先に教えてね。って言ってあったから…

こういう事になったなら、教えてくれてもいいはずなのに。


「で?何の用だ?この事か?」

父さんの声で我に返る。

「あ、そうだ。今度、うちで食事しない?って言おうとしたんだけど…今はやめとくわ。」

「なぜ。別に食事ぐらい、いいだろ。」

「知花ちゃんが辛そうな時は、やめとく。」

「……」

「あたしにとって、彼女はバンドメンバーでもあるし尊敬するシンガーでもあるけど…可愛い妹なのよ?」

「…そうだな。」

父さんは椅子から立ち上がると、あたしの前まで来て。

「ふっ…おまえがこんなに優しい『お姉ちゃん』になるとはな。」

鼻で笑いながら…あたしを抱きしめた。

「もう…グレイスの事?あれは…反省してるわよ。」

「…届いてるさ。」


病気をして、痩せた父さんの腕。

今は…さくら母さんと幸せでいてくれるのが…あたしの一番の願い。

長い長い遠回りをさせてしまったあたしは…

父さんが、さくら母さんと一緒に笑ってくれてるのが…

あたしの幸せでもあるのよ…。


「あっ、こうしちゃいられない。」

あたしがそう言って父さんの腕から離れると。

「なんだ?あまり悪い事を企むなよ?」

父さんは苦笑いをしながら言った。

悪い事を企むなって、どういう事よー!!

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