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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/10/07 17:55:44

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「おっ、珍しい所で会ったな。」

アズと社食にいると…後ろから声がして。

振り向くと、里中がいた。

「わー、健ちゃん久しぶりー。」

…健ちゃん?

「その呼び方やめろよ…」

里中は苦笑いしながらアズの隣に座った。

テーブルに置いたのは…社食の一番人気らしい『きつねうどん』だ。

ちなみに、俺はアズのおススメで『天ぷらそば』を食った。

…可も無く不可も無く。な味だった。


「京介は?」

「映と合わせてんの。」

「ああ、なるほど。リズム隊、メンバー変わると大変だな。」

「京介は特に、人見知りだからねー。」

「あいつ、まだ酷いんだ?」

「神にも去年ぐらいに慣れたかな。」

「嘘だろ。」


笑って話してるアズと里中を尻目に、俺は頬杖をついて茶を飲んだ。

気を抜くと溜息が出続ける。

だから、この瞬間も気は抜かない。

娘が婚約解消して傷心旅行に出たなんて…

言いたくもないし知られたくもない。


『東圭司~!!すぐスタジオ来~い!!』

ふいに館内放送で朝霧さんの声が響いて。

「はっ…」

アズは時計を見て。

「うわー!!やっちゃったー!!朝霧さんとクリニックするんだったー!!」

珍しく真っ青になって、走って行った。

「……」

「……」

アズの慌てた後姿を見て、それからつい…里中と顔を見合わせた。

「ふっ…相変わらずだなー、アズ。」

里中はそう言いながら、うどんに七味をかける。

…かけすぎじゃねーか?


「…健ちゃんって呼ばれるほど、アズと仲良かったのか。」

俺もさっさと席を立てばいいものを…

何となく、それは負けた気がすると言うか大人げない気がして、そんな質問をした。

「あー…Live aliveの後、アズのボード作ったりしたから。ただ、その呼び方はするなって言ってんのに。」

里中はそう言って、ズルズルと音を立てて…美味そうにうどんを食う。

「…知花、今日はおまえんとこか。」

「え?ああ…うん。」

…元気か?

聞きかけて…飲むこむ。

何だって、今朝一緒に家を出た嫁の事を…こいつに聞かなきゃいけないんだ。

俺の落ち込み方、相当なもんだな。


「…余計なお世話だとは思うんだけどさ…」

相変わらず、里中はズルズルと音を立ててうどんを食って。

その合間に…みたいな感じで言った。

「嫁さん、落ち込んでるぞ。」

「……」

「それも、相当。」

「………そうか。」

そこまで聞いて、俺は立ち上がった。

これ以上は聞きたくない。

そう思ったからだ。

知花は…里中に咲華の事を相談したのか。

相当落ち込んでるのか。

そうか。

俺には言わないのに。

里中にはそう言ったのか。


これが…陸や早乙女や朝霧、まこちゃんの誰かなら…どんなに良かっただろう。

だけど知花は、里中に話した。


陸でも早乙女でも朝霧でもまこちゃんでも…

俺でもない。

里中に、だ。

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コメント1

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  1. マコトさん(29歳)ID:6611342・10/07

    千里さん落ち着いてー

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